投稿者: koji

  • 変革型リーダーシップの4要素

    まえがき

    『トランザクティブ型リーダーは「アメとムチ」を重視しますが、トランスフォーメーショナル型リーダーが重視するのは「啓蒙」です。』

    リスト

    あとがき

    まえがきを含めて、入山 章栄『ビジネススクールでは学べない 世界最先端の経営学』(日経BP社、2015年)より。リスト項目の後にあるアルファベットは、”Transformational leadership” (Wikipedia) からの引用です。この4要素は頭がIで揃えられていて、リストフリーク的には見逃せなかったので。ちなみに Idealized Influence, Inspirational Motivation, Intellectual Stimulation, Individualized Consideration の略。ただしこの4要素を提案した Bass の論文(参考文献1)ではそうなっておらず、II はずばり Charisma でした。

    参考文献

    (1) Bass, Bernard M. “From transactional to transformational leadership: learning to share the vision.” Organizational Dynamics 18.3 (1990): 19-32.
    (2) 東俊之. “変革型リーダーシップ論の問題点: 新たな組織変革行動論へ向けて.” 京都マネジメント・レビュー 8 (2005): 125-144.

  • グローバル戦略のAAAトライアングル

    まえがき

    企業が取り得るグローバル戦略の3タイプとは。

    リスト

    あとがき

    入山 章栄『ビジネススクールでは学べない 世界最先端の経営学』(日経BP社、2015年)より。リスト項目は本文からの引用です。ただし項目の順序は引用元の論文(1)に合わせました。あと「集積」の英語が書籍では “Agglomeration” になっていましたが、これも(1)に合わせて修正しています。

    企業のお金の使い方でどのタイプかがわかると書いてあったりして、面白い。そして3つのタイプの間には張力 (tension) が働いている、つまり3方向同時に展開する戦略は取りづらいと書かれています。内容点も形式点も高く評価したい、よいリスト。

    (1) Ghemawat, Pankaj. “Managing Differences: The Central Challenge of Global Strategy.Harvard business review 2007 Mar;85(3):58-68, 140.

  • 優れたビジョンが持つ7つの特性

    まえがき

    『(略)統計分析をしました。その結果、やはり「CEOが優れたビジョンを持っている企業ほど、事後的な成長率が高くなる」という結果を得たのです。』

    リスト

    あとがき

    まえがきを含めて、入山 章栄『ビジネススクールでは学べない 世界最先端の経営学』(日経BP社、2015年)より。リスト項目の日本語は本文から、英語は引用元の論文(1)の引用です。

    ただし、引用元の論文には7つめの特性が挙げられていたので、私訳とともに追加しています。チャレンジングで未来志向であっても、それに共感できなければ受け手にとって良いビジョンにはならないので、7つめもけっこう重要な要素のように思います。

    (1) Baum, J. Robert, Edwin A. Locke, and Shelley A. Kirkpatrick. “A longitudinal study of the relation of vision and vision communication to venture growth in entrepreneurial firms.” Journal of applied psychology 83.1 (1998): 43.

  • テレビの視聴者を惹きつける3つのご利益

    まえがき

    『テレビ制作側は視聴者が一度スイッチを入れたら、チャンネルを変えさせない工夫を重ねています。(略)そのキーワードは、』

    リスト

    あとがき

    まえがきを含めて、天野 暢子 『図解 テレビに学ぶ 中学生にもわかるように伝える技術』(ディスカヴァー・トゥエンティワン、2015年)より。各リスト項目後半のカッコ内は、それぞれの○○感を醸し出す「あおりキーワード」のリストから一部引用しました。

    たしかに、なかなか簡潔かつ網羅的な枠組みのような気がします。

    • 人生を生きるうえで大切な指針(ソクラテス)

      まえがき

      『いいかい、サトルくん。人生を生きるうえで大切な指針は、この3つだ。』

      リスト

      あとがき

      まえがきを含めて、藤田 大雪 『ソクラテスに聞いてみた 人生を自分のものにするための5つの対話』(日本実業出版社、2016年)より。まえがきは一部編集のうえ引用しています。リストは本文を解体して引用しました。

      引用元を知りたいなあ。

      • 自己効力感(セルフ・エフィカシー)の先行要因

        まえがき

        『自己効力感 (じここうりょくかん)(self-efficacy) とは、自分がある状況において必要な行動をうまく遂行できるかという可能性の認知。』

        リスト

        あとがき

        まえがきは「自己効力感」(ウィキペディア日本語版)より。リスト項目は “Self-efficacy” (Wikipedia)、参考文献(1)、および小泉 修平『ビジネス心理学入門』を参照・引用しました。

          参考文献

          (1) Bandura, Albert. “Self-efficacy: toward a unifying theory of behavioral change.” Psychological review 84.2 (1977): 191.

        • 国王の十責

          まえがき

          “国が幸せであるためには、公正な政府が必要である。公正な政府がいかにして実現されるかを、ブッダは「国王の十責」として『ジャータカ』の中で説明している。”

          リスト

          あとがき

          まえがきを含めて、ワールポラ・ラーフラ『ブッダが説いたこと』より。

          『ここでいう国王は、現代の文脈では当然政府と理解されるべきもので、「国王の十責」は、今日の政府首脳、大臣、政治指導者、司法官、行政官に適用されるべきものである。』とのこと。

          まえがきにある通り、『ジャータカ』 (Wikipedia) という仏典に収録されているようです。これはお釈迦さまの前世を描いた物語集らしい。『ブッダが説明している』と言ってしまっていいのかしら。

          • 絵画の印象を構成する3要素

            まえがき

            印象的な絵かどうかを測る要素とは何か。

            リスト

            あとがき

            三浦 佳世『感性認知: アイステーシスの心理学』(北大路書房、2016年)より。

            『ワーグスマン(1)たちは絵画が美的か、特別か、感銘を与えるかという3つの印象の喚起時間を、呈示時間を変数に調べている。』という文章をリスト化しました。

            絵画の印象が何で決まるかなんて考えたこともなかったので、面白い枠組みだと思って収集。

            パッと見て「美的」と感じるかどうかは、たしかに印象の構成要素でしょうね。醜くても印象的でしょうが。「特別」というのは、平凡の逆、変わっている・珍しいという意味でしょうか。それもたしかに印象に残るでしょう。

            「感銘を与える」というのはなかなか難しい。美的でも特別でもないけれど感銘を受けるという意味で印象的な絵画……あるような気がしますが、「印象的」以上に抽象的で複雑な心の動きのようにも思えます。

            参考文献(1)によれば、美的か・特別かは30ミリ秒程度で判断できるものの、感銘を与えるかどうかはそれより遅れるので、『彼らは、感銘という判断はより複雑なのだと考察している』とのこと。原文ではどんな単語が使われているのか知りたく思いましたが、参考文献(1)も同著者による類似の研究も検索できず、これ以上の詳細は掴めず。

            この本からの他のリスト

            参考文献

            (1) Wagsman, J., Verhavert, S., & Augustin, M.D. 2014 The time course of aesthetic experiences. Proceedings of the 2nd Visual Science of Art Conference, Abstracts, 27.

          • 俳優が持つ3つの視点

            まえがき

            『つまり俳優は、演技をしている最中、役の視点・観客の視点・俳優の視点という3つの視点に同時に立ちながら演技していると考えられる。』

            リスト

            あとがき

            まえがきは、三浦 佳世『感性認知: アイステーシスの心理学』(北大路書房、2016年)からの引用です。リストは同書および参考文献(1)から編集しつつ引用しました。

            この本からの他のリスト

            参考文献

            (1) 安藤花恵. “演劇俳優の熟達化と役・俳優・観客の視点の役割.” 京都大学大学院教育学研究科紀要 52 (2006): 386-398.

          • 人を露呈させるもの(タルムード)

            まえがき

            『人を露呈するものは三つある。すなわち』

            リスト

            あとがき

            デイヴィッド・イーグルマン『意識は傍観者である: 脳の知られざる営み』(早川書房、2012年)で見つけました。同書の

            『人を露呈するものは三つある。すなわち酒杯、財布、そして激怒だ。』

            という文章をまえがきとリストに分解しました。

            酒と怒りが抑制をゆるめるというのはわかりやすいです。財布は、そこからお金を出す(払う)ときにも、そこにお金を入れる(もらう)入れるときにも、人間性が顕れるように思います。まとめて「お金に対する態度でその人がわかる」という意味合いで理解すればよいでしょうか。

            原典は、バビロニア・タルムード。より直訳に近いと思われる英語訳は “In three things is a man revealed: in his wine goblet, in his purse, and in his wrath. ” となっています。オリジナルのヘブライ語では三つの言葉が頭韻を踏んでいるとのことなので、「サケとサイフとサ◯◯」という三つ組にしたかったのですが、サで始まる怒りを意味する言葉を思いつけず、断念。

            この三つの中でも酒がフィーチャーされていたらしく、この文章の前の一文は「酒が入ると秘密が出ていく (Wine enters, secrets exit.)」だそうです。

            これに類する言い回しの総元締め的な言葉が、ラテン語の “In vino veritas” 。英語では “in wine, truth” とのことなので、「酒に真実あり」でしょうか。実際、上で引用したタルムードの英語訳は、Wikipediaの “In vino veritas” の記事からの引用です。『意識は傍観者である』では次のように紹介されています。

            『古代ギリシャの詩人ミュティレーネーのアルカイオスがつくり出した有名な「ワインの中に真実がある」という表現を、古代ローマの大プリニウスも引用していた。』

            ところで、財布は貪、激怒は瞋、そして酒は(理性を失わせるので)癡と解釈すれば、なんと仏教の三毒(貪・瞋・癡)と同じではないですか!ちょっと強引ですかね。