メールに関しては、「何を」「どういう順序で書くべきか」のリストを考えます。目的に応じて自分の「型」を持っておけば、メールをどのように仕立てるか、いちいち悩まなくてすみますし、書き漏らしも少なくなります。
いつでも使える「メールの3要素」
内容がなんであれ、使えるフォーマットを持っていることは強みになります。わたしが愛用しているフォーマットはこんな感じです。
メールの3要素
- 概要(内容欄の要約を1〜2行で)
- 概要を伝え、読み手に頭と心の準備を促します。
- 背景(内容を伝えるにあたって共有しておきたい情報)
- このメールを送っている理由・読み手と共有しておきたい情報を伝えます。
- 内容(内容を具体的に)
- 必要な情報を必要な長さで書きます。
あなたが注意深い書き手であれば、タイトルがすでに内容の要約になっているはずですね。その場合でも本文で概要をあらためて書くべきでしょうか。「表題の件につき」としておけば十分でしょうか。
わたしは、以下の理由でタイトルと重複しても概要は書いたほうがよいと考えています。
- 人はメールを前から読み下していきます。概要がそこにあれば、読み手が「表題って何だっけ」と目線をタイトル欄に戻す必要がなくなります。
- メールソフトによってはタイトルが見づらいこともあります。
- タイトルはやりとりをしているうちに変えられてしまうかもしれません。
指示・依頼に必要な要素
ここではメールの中でもよく使われ、重要度も高い「指示・依頼」のパターンについて考えます。
「指示・依頼」に関しては、わたしの知る限り第1部の「完全な指示を出すための7つの要素」が、汎用性と簡潔さを兼ね備えたもっともよいリストです。
とはいえ、通常の仕事メールに使うにはまだ本格的に過ぎます。そこでもう少し使いやすいバージョンをご紹介します。これはリチャード・ワーマンが『理解の秘密―マジカル・インストラクション』で定義したものです。
インストラクションの構成要素
- 使命
- 最終目的
- 手順
- 時間
- 予測
- 失敗
「使命」と「最終目的」の違いがやや分かりづらいかもしれません。「使命」が目的、「最終目的」が目標と読み替えても大丈夫です。
メール送信前のチェックリスト
これまで紹介したリストを参考に、メールの内容に関わらず「これはチェックしておいて損はない」という項目をまとめてみました。このリストと「カッと来た時、口を開く前に思い出すべき「三つの門」」があれば、かなり思慮深いメールの書き手になれそうですね。
メール送信前のチェックリスト
- 読み手がこのメールを読むべき理由は明らかか?
- 読み手がまず何をすべきかは明らかか?
- 読み手は何を持って対応完了と考えたらよいか明らかか?
- 読み手の負荷に対する配慮はあるか?
- 読み手は、何が書き手の望みでないかを理解できるか?
- 前から読み下せるか?