まえがき
『学生たちは、人間についてのあらゆる知識が詰まった機械を持っているのに、その知識をどうやって統合すればいいのか、全くわかっていない。私たちは思考や論理の教育ができていない』
リスト
- Rigor(厳密さ)
- Responsibility(責任)
- Reproducibility(再現性)
あとがき
まえがきを含めて、デイビッド・エプスタイン『RANGE(レンジ)知識の「幅」が最強の武器になる』 (日経BP、2020年)より。リストは本文を編集して作りました。
本書でこのリストが「クリティカル・シンキングの3R」として紹介されているわけではありません。3Rは、著名な医学博士のアルトゥーロ・カサデバールらが、まえがきに引用したような問題意識をもって立ち上げたジョンズ・ホプキンス大学の「R3プログラム」[1]から引用しました。
以下にプログラムの紹介ページを引用します。この文章にあるように、このプログラムはクリティカル・シンキングの実践を目的としているので、タイトルに反映させました。
We are a community of enthusiasts for critical thinking across the science disciplines and feel committed to living the “3R’s” of open science practice in our research: Rigor, Reproducibility & Responsibility.
私たちは、科学分野全体における批判的思考の愛好家のコミュニティであり、研究においてオープンサイエンスの実践の「3R」、つまり厳密さ、再現性、責任を体現することに傾注しています。
”R3 Initative – foundations” (jhsph.edu)
どんなプログラムなのか、本書から引用します。面白そう。
R3イニシアチブは、領域横断的な講座から始まる。それは哲学、歴史、論理学、倫理学、統計学、コミュニケーション、リーダーシップを含む講座だ。 あるクラスは「何が真実かはどうすればわかるか」という名前で、過去のエビデンスやさまざまな領域のエビデンスを検証する。「科学的な誤りの解剖学」では、学生は探偵となって、実際の研究の不正や低質な手法のサインを探す。一方で、間違いや偶然の発見が、どのように重要な発見につながるのかも学ぶ。
- タイトル: RANGE(レンジ)知識の「幅」が最強の武器になる
- 著者: デイビッド・エプスタイン(著)、中室 牧子(その他)、東方 雅美(翻訳)
- 出版社: 日経BP
- 出版日: 2020-03-26