まえがき
『社会に氾濫する詭弁を見抜いてだまされないようにするためには、あらかじめ「よくある詭弁のパターン」を知っておくことが有効です。』
リスト
- 間違った定義から話を始める …… 「犯罪を立証する証拠はあるのか?ないなら推定無罪の原則で首相は潔白だ」
- 論理的思考と情緒的思考のすり替え …… 「戦後の日本があるのは、あの戦争で戦ってくれた日本軍人のおかげ」
- 間違った二項対立と極論への飛躍 …… 「腐敗した政治権力を倒す手段は選挙だけではない」→「ではお前はテロを容認するのか?」
あとがき
まえがきを含めて、山崎 雅弘『詭弁社会ーー日本を蝕む”怪物„の正体』 (祥伝社、2024年)より。リスト項目は見出しから、「……」以降の例文は本文から引用しました。
3番目とか強力ですね。すごい飛躍をぶつけられると、つながりを理解しようと頭を使っているうちに畳みかけられてしまいそうです。
ちなみに……本書の帯に「何がこの国を腐らせた?」とあります。書名・副題と併せて眺めると、「この国が腐ったのは明らかで、それは詭弁という”怪物„に蝕まれたせいだ」という印象を受けます。
情緒的には「その通り!」と思いつつ、よく考えると定義の不確実さ(腐ったのは事実?)、情緒的思考(日本を「蝕む」「”怪物„」の「正体」という表現のおどろおどろしさ)、極論への飛躍(この国が腐ったのは詭弁が原因、という因果関係は確か?)など、けっこう詭弁のパターンを踏襲しているように思えます。心を動かされるメッセージと詭弁は紙一重なのかもしれませんね。
- タイトル: 詭弁社会ーー日本を蝕む”怪物„の正体
- 著者: 山崎 雅弘(著)
- 出版社: 祥伝社
- 出版日: 2024-02-29