やっかいな問いかけを拒否する3つの戦術


まえがき

『「人文学は何の役に立つのか?」という問い(略)に対する回答を拒否するときに用いる「戦術」について、三つのパターンに分けて解説する。』

リスト

  1. 攻撃とみなす: 「それは疑問に見せかけた攻撃であり、答えることに意味はない」
  2. 質問で答える(哲学っぽい戦術): 「『役に立つ』の定義とは何か?」(→定義が厳密になされないうちは答えられない/定義自体を問うことが人文学の役割なので答える必要はない)
  3. 質問の観点の偏りを指摘する(社会学っぽい戦術):「その問いは『役に立たないものには存在意義がない』という功利主義に基づくもので、優生思想を誘発する。私は問いに答えないことによってそのような考え方を否定する」

あとがき

まえがきを含めて、ベンジャミン・クリッツァー『21世紀の道徳 学問、功利主義、ジェンダー、幸福を考える』 (晶文社、2021年)より。「:」に続くのは、「人文学は何の役に立つのか?」という問いに対する拒否的な回答の例です。

本書では人文学に関わる人が「人文学は何の役に立つのか?」という問いを拒否するパターンを三つに分けて解説しているだけなのですが、この問いに限らず広く使われていそうなパターンだと思ったので、抽象化したタイトルにしました。

2つめについて補足。定義の確認自体は健全な議論のうちです。著者が拒否的な戦術といっているのは、定義論に持ち込んで議論から逃避しようとするような話の運び方。

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