まえがき
『九七年秋から日ロ関係は一気に動き出した感がありました。きっかけは同年七月、橋本龍太郎首相の経済同友会における演説でしょう。日本側が(略)三原則を掲げ、日ロ関係を改善する意思を示すと、ロシア側はすかさずこれに応じました。』
リスト
- 信頼: 国家間の関係も、究極的には、テーブルの両側に向かい合う人間同士の真の信頼関係がなければ進展しない
- 相互利益: どちらかが一方的に利を得る、つまり勝者と敗者を作ろうとするアプローチは、決して真の解決をもたらさない
- 長期的な視点: 両国の政府と国民が、各々の子供や孫のためにどのような両国関係を形作ることが一番望ましいのか、そのために「私達の世代」が果たすべき役割は何なのか、共に真剣に考えることが必要である
あとがき
まえがきは、佐藤 優、岡部 伸『賢慮の世界史 国民の知力が国を守る』 (PHP研究所、2021年)より。
略した部分に【「信頼、相互利益、長期的な視点」の】とあり、興味がわいたので探してみると内閣府のサイトに『橋本総理の経済同友会会員懇談会演説』(1997年7月24日)という資料がありました。リストはその演説を要約して作りました。PDFを見つけたときは、できるだけ直リンクでなくPDFへのリンクが張ってあるWebページへのリンクを置くようにしているのですが、今回はWebページが見つからず。
信頼・相互利益・長期視点。国家間に限らず使えそうなバランスの良い枠組みです。演説では『日露関係の改善は、如何なる原則によるべきでしょうか。』といってこの三原則が語られるので、文脈としては日ロ関係ですが、汎用性が高いので「二国間関係を築くための」原則としました。