まえがき
『実際、ある特定の共同体で農耕や牧畜が優勢になり、そこの(略) 食生活を決定的に変えたといえるには、三つの過程を踏んでいなくてはならなかった。』
リスト
- 操作: 野生の植物種や動物種を巧妙に扱い、ある程度まで支配する。しかし育成するまでにはいたらず、それらの種に大きな形態的変化を加えることもない。
- 育成: 植物を植えるための土壌が意図的に準備され、最初は野生の植物が、やがて栽培化された植物が育てられる。
- 栽培化・家畜化: 動植物の最良の変種を人為的に育成する。植物の場合なら、その最も有益な変異体を積極的に選んで種をまいたり苗を植えつけたりする。
あとがき
まえがきを含めて、ヤン・ルカセン 『仕事と人間 : 70万年のグローバル労働史(上)』 (NHK出版、2024年)より。リストは本文を編集して作成しました。
このような段階を経て農業が独自に発展したところが、『世界中に少なくとも十二か所』確認されているとのこと。
さらに、それが伝播します。これもリスト化したくなる内容ですが文章で引いておきます。
まず、ある動植物の栽培化・家畜化が、一〇〇年単位ではなく一〇〇〇年単位の時間をかけて、どこかの地域で成功する。第二の局面では、この発明が同じ気候帯の別の場所でうまく再現され、最終的に、新しい場所で新しい種の栽培化・家畜化が実現する。そして第三の局面では、すでに栽培化・家畜化の原理がわかっているので、もうそれほど長い時間を必要としなくなる。
アンゾフの多角化マトリクスを思い出すような道のり。人類が積み上げてきた知の壮大さが窺えて面白かった。
