まえがき
『本書で言うバブル・トライアングルは、バブルの必要条件(略)を表している。そこに技術や政治という火花が付加されて初めて、バブルの十分条件になる。』
リスト
- 市場性: ある資産が自由に売買できること。市場性は、その資産の売買が合法で、分割が可能で、取引相手が見つけやすいときに高くなる。過剰な市場性は危険である。
- 通貨と信用: 低金利と緩和的な信用状況は、借入金による資産の購入を促し価格を押し上げる。またリスク資産への投資による利回り追求に駆り立てる。
- 投機: 投機とは、キャピタルゲインの確保だけを目的に、後日、資産を売却する(ないし買い戻す)ことを前提に資産を購入(売却)する行為を指す。初期の投機家が多額の利益を得ると、投機資金をさらに呼び込み、それにより価格が押し上げられ、投機家のリターンが高まる
あとがき
まえがきを含めて、ウィリアム・クイン、ジョン・D・ターナー『バブルの世界史 ブーム・アンド・バストの法則と教訓』 (日経BP 日本経済新聞出版、2023年)より。リストは本文を要約・引用して作成しました。
著者らはバブルを火事に喩えています。火事は酸素・燃料・熱の3要素が揃ったところに火花が発せられることで起きます。同様に、金融バブルは市場性・通貨と信用・投機の3要素が揃った状況に、技術革新と政府の政策という火花が点火されて生じるということです。
- タイトル: バブルの世界史 ブーム・アンド・バストの法則と教訓
- 著者: ウィリアム・クイン(著)、ジョン・D・ターナー(著)、高遠裕子(翻訳)
- 出版社: 日経BP 日本経済新聞出版
- 出版日: 2023-03-25