能率十訓(現代語訳)

まえがき

産業能率短期大学を設立した、上野陽一氏の言葉だそうです。フレデリック・テイラーの『科学的管理法』の思想をまとめたものとのこと。

リスト

  1. どんな営みをするにもその目的と目標とを明らかにし、まずこれを確立せよ。目的と目標のはっきりしないところには励みが起こらぬ。
  2. その目的と目標を達するために、もっとも適合した手段を選んでこれを実行に移せ。
  3. もしその手段が目的と目標に適合していないと、あるいはムダあるいはムリを生む。
  4. ヒト・モノ・カネをはじめ時間も空間もこれを十分に活用するような目的のために使え。活用が正しくないとやはりムダまたはムリを生む。
  5. ムダとムリとはその性質相反し、世の中にムラを作り出すもとになる。
  6. ムラがひどくなると大事を起こす。常にムダを省きムリを除いてムラを少なくすることに努めよ。これを怠ると社会は不安になる。
  7. 能率とはムラを減らして全てのヒトとモノとカネとが生かされている状態である。
  8. すべてのもの(ヒト モノ カネ 時間 空間)を活かすものは活かされ、これを殺すものは殺される。
  9. 人生一切の営みがこの能率の主旨に基づいて行われなければ社会は安定せず人類は幸福になれない。
  10. そのためには個人も家庭も企業その他の団体も、その営みを能率的に運営することが必要である。

あとがき

上野一郎 「言葉は毛穴からも入る」日経ビジネスAssocie 2008.3.18号 より。一郎氏は陽一氏の長男。「能率十訓」をsanno.ac.jpドメイン内で検索しても見つからなかったため、上記の雑誌から引用しました。

一瞥すると、当たり前のことが並んでいます。しかし前から読み下していくと、ムダ・ムリが、そしてムラが生じるメカニズムが分かりやすく説かれていることに気がつきます。
さらには、この三つの「ム」が減らないと「人類は幸福になれない」と言い切るあたり、能率への強い信念が感じられます。情理を兼ね備えたよいリストだと思います。

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