まえがき
『SFBT は(略)クライアントの強みおよび成功体験に注目するという、能力に基づいたモデルである。クライアントの関心や状況、クライアントが変えたいと思っているものについて理解することによりうまくいっているものに焦点をあてる。』
リスト
- 問題解決ではなく解決構築に基づく。
- 治療の焦点は、過去の問題や現在の葛藤についてではなくクライアントの希望する将来にあると考える。
- クライアントは、現在の役に立っている行動の頻度を増加させるように促される。
- 問題は始終起こっているわけではない。例外 ―― すなわちその問題が起こるかもしれなかったが起こらなかったときが存在する。例外は解決策を共同構築するためにクライアントとセラピストによって使用することができる。
- セラピストは、クライアントが現在の望まない行動様式や認識および相互作用のかわりのものを見つけるのを支援する。
- スキル構築や行動療法の介入とは違い、SFBT モデルは、解決行動がすでに存在すると仮定する。
- 小さな変化が大きな変化に繋がると考える。
- クライアントの解決策は、必ずしもクライアントやセラピストの問題と直接関係するわけではない。
- 解決を構築することをクライアントに依頼するためにセラピストに要求される会話の技術は、クライアントの問題を診断し治療するために必要とされるものとは異なる。
あとがき
まえがきを含めて、シンシア・フランクリン/テリー・S・トラッパー/ウォレス・J・ジンジャーリッチ/エリック・E・マクコラム『解決志向ブリーフセラピーハンドブック―エビデンスに基づく研究と実践』 (金剛出版、2013年)より。
一般的な仕事における問題解決にも役立つ、というか見落しがちな点があるなと感じたので採集したくなりました。
一点目は「小さな変化が大きな変化に繋がると考える」こと。一般的な問題解決では、改善感度の高い問題点を特定し、本質的な原因を突き止め、もっとも効果的な打ち手を絞り込んで……と考えます。効率がよい考えなのですが、こういった考えだけにこだわってしまうと、「うまくいきそうなことを試しにやってみる」ことをしなくなってしまいそうに思います。
二点目は「解決策は、必ずしも問題と直接関係するわけではない」こと。これは一点目の言い換えのようなもので、ある変化が間接的に問題の解決につながることもあります。大型案件の受注が、よくなかった社内の雰囲気を一変させた、みたいなことです。理想的には、社内の雰囲気が悪い原因を探る過程で業績との連関が発見できるはずですが、直接的な因果関係が薄いと見過ごしてしまいがち。
- タイトル: 解決志向ブリーフセラピーハンドブック―エビデンスに基づく研究と実践
- 著者: シンシア・フランクリン/テリー・S・トラッパー/ウォレス・J・ジンジャーリッチ/エリック・E・マクコラム(著)、長谷川啓三/生田倫子/日本ブリーフセラピー協会(翻訳)
- 出版社: 金剛出版
- 出版日: 2013-09-09