まえがき
『シュウェーダーは、全世界の道徳的考慮事項を三部制にまとめている。』
リスト
- 【自主性】 社会は個人で成り立っていることを前提として、道徳の目的はその個人に自分の選択を行使させ、個人を危害から守ることであると見なす。
- 【共同体】 部族や氏族や家族や機関や組合など、さまざまなかたちの連合の集まりが社会であると見なされるため、ここでの道徳は、義務や尊敬や忠誠や相互依存とイコールになる。
- 【神性】 世界は神の精髄(エッセンス)でできていて、その一部分が身体に宿っているのだという前提のもと、道徳の目的はこの霊を劣化や汚染から守ることだと見なされる。純潔や禁欲が価値あることとして守られる。
あとがき
まえがきを含めて、スティーブン・ピンカー『暴力の人類史 下』より。本文を編集してリスト化しました。タイトルは原典を踏まえて付けてみました。原典は参考文献(1)です。
本書には他に2種類の類型が紹介されています。それらはこの類型より新しいのですが、枠組みのシンプルさと確かさが気に入ったのでこれを採取しました。Morality = Autonomy + Community + Divinityという、英語の方が覚えやすいかも。
- タイトル: 暴力の人類史 下
- 著者: スティーブン・ピンカー(著)、幾島幸子(翻訳)、塩原通緒(翻訳)
- 出版社: 青土社
- 出版日: 2015-01-28
この本からの他のリスト
参考文献
(1) Shweder, R. A., Much, N.C., Mahapatra, M., & Park, L. (1997). The “Big Three” of Morality (Autonomy, Community, Divinity) and the “Big Three” Explanations of Suffering. In A. Brandt & P. Rozin (Eds.) Morality and Health (pp. 119-169). New York: Routledge.
- タイトル: Morality and Health
- 著者: Brandt, Allan M.(編集)、Rozin, Paul(Series Editor)
- 出版社: Routledge
- 出版日: 1997-10-30