まえがき
『この荒木・松尾(1992)による発達段階は道徳性との関連に加え、視点取得能力が道徳性の先行要因であることを裏付けるものとして、十分な妥当性を有している。』
リスト
- 【視点0:自己中心的視点取得】 自他の視点の分化がなされず、 自己中心的である
- 【視点1:主観的視点取得】 自己と他者が独自の視点を持つことを理解できるが、自己の視点が強く反映されたものである
- 【視点2:二人称相応的視点取得】 視点を持つ行為者の個人主義の意識において、思考や行動がなされることを理解するが、第三者の視点からそれぞれの視点を合理的に調整することができない
- 【視点3:三人称的視点取得】 自他以外の第三者の視点に基づき、公平な観点からそれぞれの視点を調整することができる
- 【視点4:一般化された他者としての視点取得】 全人類を含む普遍的な視点に基づき、社会システムの観点から合理的な個人の視点を取ることができる
あとがき
参考文献(1)より。まえがきで言及されている文献は参考文献(2)です。参考文献(3)にも似た表がありましたが、短くてわかりやすいこちらを引用しました。
参考文献
(1) 安藤有美, & 新堂研一. (2013). 非行少年における視点取得能力向上プログラムの介入効果. 教育心理学研究, 61(2), 181-192.
(2) 荒木紀幸・松尾廣文(1992).中学生版社会的視点取得検査の開発 兵庫教育大学研究紀要. 第1分冊, 学校教育・幼児教育・障害児教育,12,63-86.
(3) 本間優子, & 内山伊知郎. (2013). 役割 (視点) 取得能力に関する研究のレビュー: 道徳性発達理論と多次元共感理論からの検討. 新潟青陵学会誌, 6(1), 97-105.