まえがき
『四診(ししん)とは、東洋医学の主体となる診断法である。』
リスト
- 【望(望診)】 視覚によって情報を得る。動作、顔色、舌の観察など。
- 【聞(聞診)】 聴覚と嗅覚によって情報を得る。声、体臭、口臭など。
- 【問(問診)】 質問によって情報を得る。病歴、自覚症状など。
- 【切(触診)】 触覚によって情報を得る。脈を診る「脈診」、腹部を診る「腹診」など。
あとがき
まえがきは「四診」(Wikipedia)からの引用です。リストは「四診」(田辺三菱製薬ヘルスケア)からの編集・引用です。
美しい箇条書き
『「婬欲の繋縛」とは、修行者をこの世に性的な面で縛り付けて、解脱を妨げる要素のことである。』
魚川 祐司『仏教思想のゼロポイント: 「悟り」とは何か』(新潮社、2015年)より。増支部の経典にあるそうです。”methunasanyoga” “seven bonds of sexuality” あたりで情報収集可能。「いんよくのけばく」と読む様子。
このリストを作るためには、繋縛的な状況をあれこれ想像しなければなりません。悟ってない人にはとても作れそうにないリストです。
枠組みとしてはどうか。大まかに、前5つが現在の自分、第6項目が他人、第7項目が未来の自分を対象としています。仏教のリストはどれもただの羅列でないところがすばらしい。
最初の5項目の分類意図は何か。仏教には五欲(五塵)という考えがあります。六境から法を除いた五つ、すなわち色・声・香・味・触が欲望を引き起こすということです。これで見ると色(第3項目)・声(4)・触(1)ですね。第5項目は法と言えそうです。残る第2項目は香とも味ともいえないので、やや漏れがありそう。
とはいえ、あまり詳細なリストでは、リスト自体が修行の妨げになりそうな気もします。
『生態系と人間社会のレジリエンスの先駆的な研究グループである「レジリエンス・アライエンス」を立ち上げたブライアン・ウォーカー氏(略)らは、レジリエンスの属性として重要なものを四つ挙げています。』
まえがきは、枝廣 淳子『レジリエンスとは何か: 何があっても折れないこころ、暮らし、地域、社会をつくる』(東洋経済新報社、2015年)からの引用です。リストは本書で引用していた文献から意訳しました。(1)
(1) Walker, Brian, et al. “Resilience, adaptability and transformability in social–ecological systems.” Ecology and society 9.2 (2004): 5.
ちょっとしたイヤミ、ちょっとした不親切、ちょっとしたあてつけ、ちょっとした無為(やればできる親切を、あえてせずにおくこと)を減らしていくために。
解説は「小さな意地悪」(起-動線)に譲ります。「小さな意地悪」はダライ・ラマ14世、よしもと ばなな『小さないじわるを消すだけで』に教えてもらいました。
『順応力のある戦略的なリーダー、すなわち強い意志と柔軟性を兼ね備え、難局で粘り強さを発揮するー方で、環境変化にも戦略的に対応できるリーダーは、六つのスキルすべてを同時に使う術を身につけているのだ。』
まえがきを含めて、ポール J. H. シューメーカー 他 『真のリーダーは6つのスキルを完備する』(ダイヤモンド・ハーバード・ビジネス・レビュー 2015年 05月号)より。解説部分は本文から編集・引用しています。
「リーダーの○つのスキル」的なリストは数多くありますが、このリストでは(Predict や forecast でなく) Anticipate や(Question でなく ) Challenge という言葉の選択が特徴的。
* シューメーカー, ポール JH, クラップ, スティーブ, and ハウランド, サマンサ. “2 万人以上の調査が明かす総合力の重要性 真のリーダーは 6 つのスキルを完備する (特集 選ばれる人材の条件).” Harvard business review 40.5 (2015): 62-70.
* Schoemaker, Paul JH, Steve Krupp, and Samantha Howland. “Strategic Leadership: The Essential Skills.” Harvard business review 91.1 (2013): 131-134.
セルフコントロール(自己制御)を高めるための戦略、あるいは条件とは何か。
スティーブン・ピンカー『暴力の人類史 下』より。本文を編集してリスト化しました。
リストの文章を短くするために、セルフコントロール=自制としていますが、本書では「セルフコントロール(自己制御)」という表現はあっても、自制(心)という表現はありませんでした。
『ハイトはシュウェーダーの三分法をもとに、そのうちの二つの倫理をさらに二分して全部で五種類とし、それらを「道徳基盤」と称した。』
まえがきを含めて、スティーブン・ピンカー『暴力の人類史 下』より。本文を編集してリスト化しました。かなり離れた場所からも解説を拾ったので、内容がややばらけています。また本書では第3項目が「内集団忠誠」となっていますが、原典に合わせて「内集団/忠誠」としました。原典は参考文献(1)です。
まえがきのシュウェーダーの三分法、つまり「道徳のビッグ・スリー」とは、最初の2つが自主性、次の2つが共同体、最後の1つが神性というかたちで対応しています。
(1) Haidt, Jonathan. “The new synthesis in moral psychology.” science 316.5827 (2007): 998-1002.
『シュウェーダーは、全世界の道徳的考慮事項を三部制にまとめている。』
まえがきを含めて、スティーブン・ピンカー『暴力の人類史 下』より。本文を編集してリスト化しました。タイトルは原典を踏まえて付けてみました。原典は参考文献(1)です。
本書には他に2種類の類型が紹介されています。それらはこの類型より新しいのですが、枠組みのシンプルさと確かさが気に入ったのでこれを採取しました。Morality = Autonomy + Community + Divinityという、英語の方が覚えやすいかも。
(1) Shweder, R. A., Much, N.C., Mahapatra, M., & Park, L. (1997). The “Big Three” of Morality (Autonomy, Community, Divinity) and the “Big Three” Explanations of Suffering. In A. Brandt & P. Rozin (Eds.) Morality and Health (pp. 119-169). New York: Routledge.
『集団は、思考の病理をいろいろと生むことができる。』
まえがきを含めて、スティーブン・ピンカー『暴力の人類史 下』より。本文を翻案してリストを作成しました。特に第三項目は引用可能な箇所がなかったのでこちらで作文しています。
これらをまとめた文章が端的だったので、やや長めですが引用します。
『要するに問題は、集団というものが各人の思っている自らのアイデンティティーを一手に引き受けてしまうと言うことであり、各人の集団内で認められたいという思いと、別集団の考えより自分たちの考えを優勢にしたいという思いとが、各人の分別ある判断を上回ってしまえるということなのだ。』
『認めたくないことだが、人間の本性には最初から、他人の苦しみに満足を覚える動機が少なくとも四つある。』
まえがきを含めて、スティーブン・ピンカー『暴力の人類史 下』より。本文の内容を編集してリスト化しました。
著者はサディズムの発露を抑制する動機もいくつか挙げています。具体的には:
* 共感・同情・思いやり
* 罪悪感
* 文化的タブー
* 他人を傷つけることに対する本能的な嫌悪