投稿者: koji

  • 犯意の原則 (mens rea)

    まえがき

    『アメリカ合衆国の刑法及びコモン・ローは、イギリスの法律家エドワード・コークの唱えた「犯意の原則」――精神も有罪でない限り、行為は有罪では無い――が根底にある』。「犯意」を重い順に並べると。

    リスト

    あとがき

    まえがきの引用文はマイケル・S. ガザニガ『〈わたし〉はどこにあるのか: ガザニガ脳科学講義』(紀伊國屋書店、2014年)より。リスト項目の解説部分も、本書の本文から編集して作成しました。リスト項目の見出し部分は「犯罪構成要素」(ja.wikipedia)を参考にしました。そのほか(参考)に記したエントリを参考にしています。

    ちなみに、行為者の精神状態にかかわらず罪は罪とする立場は【厳格責任 (strict liability)】と呼ばれ、現在の米国の模範刑法法典(参考2)では第5項目の位置に置かれています。

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    参考文献

    1. Mens rea (en.wikipedia)
    2. Model Penal Code (en.wikipedia)

  • ドーバート基準(裁判での専門家による証言の信頼性の評価基準)

    まえがき

    米国で採用されている、専門家の証言の証拠能力を評価する基準。

    リスト

    あとがき

    Daubert standard” (Wikipedia)から、アメリカの連邦証拠規則702条(2011年版)を翻訳しました。

    最初、ジェームズ・R・フリン 『なぜ人類のIQは上がり続けているのか? --人種、性別、老化と知能指数』(太田出版、2015年)で次のようなリストを見かけました。

    a. 理論や方法は検証が可能か
    b. 理論や技術は同業者から評価されているか、また論文として発表されているか
    c. 結果を評価するために手法の誤差率が明確にされているか
    d. 方法を用いる上で標準的な手法があきらかにされているか

    ただ、これは1993年に示された基準。著者はこう述べています。

    『1993年、ドーバート判決で示された新たな基準(ドーバート基準)は、専門家の証言に信頼性があるか否か--科学的証拠に価値があるか否か--を判断するうえで重要である。』

    日本語で検索できる範囲内では「筆跡鑑定」(Wikipedia日本語版)にも似たようなリストがあります。

    この基準は何度も改定されているようなので、分かる範囲での最新版を収録しました。2011年度版のほうがうまく抽象化されていますね。

    • 対人関係を理解する5つの枠組み

      まえがき

      『親友とであれ顔の見えない官僚機構とであれ、相手とやりとりをするとき、そのやりとりは次のどれかの枠組みにあてはまる。』

      リスト

      あとがき

      まえがきを含めて、スティーヴン・レヴィット、スティーヴン・ダブナー『0ベース思考—どんな難問もシンプルに解決できる』(ダイヤモンド社、2015年)より。リストは本文からの編集・引用です。権威主義的枠組みの解説は一部追記しています。

      誰か社会科学者が提唱した枠組みの引用かと思って原著にあたってみましたが、著者のオリジナルのようですね。解説部分の最後に原著での呼び方を含めておきました。

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    • 「やめる」ことをためらわせる力

      まえがき

      『やめることをためらわせる力は、少なくとも3つある。』

      リスト

      あとがき

      まえがきを含めて、スティーヴン・レヴィット、スティーヴン・ダブナー『0ベース思考—どんな難問もシンプルに解決できる』(ダイヤモンド社、2015年)より。リストは本文を編集して作成しました。引用元の文章にない言葉を、意を汲んで追加しています。「刷り込み」など。

      個別にはよく見かける言葉ですが、こうやってシンプルにまとめて示されると、枠組み感が見えてきて収集したくなってしまいます。

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    • 責任あるリーダーシップに関する、時代を超える5つの質問

      まえがき

      『責任あるリーダーにとって、こうした疑問は避けて通れないものである。責任あるリーダーシップとは、こうした質問に対する思慮に富む答えで成り立っているからだ。』

      リスト

      あとがき

      まえがきを含めて、ジョゼフ・L・バダラッコ『ひるまないリーダー』より。リスト項目は目次からの引用です。本書はこれらの問いに1章ずつを割いて、これらがなぜ重要な問いなのか、現在どんな答えが現れつつあるのかを論じています。

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    • 重大な決断をくだすリーダーに必要な態度

      まえがき

      『市場主導型社会での責任あるリーダーシップには、ビジョンと基本的価値観に対するコミットメントが必要とされる。また、謙虚さと自制を中心とする複雑な自己管理も必要だ。』

      リスト

      あとがき

      まえがきを含めて、ジョゼフ・L・バダラッコ『ひるまないリーダー』より。リスト項目は本文を編集・引用して作成しました。

      まえがきから察せられるように、三者は鼎立関係というよりは信念 対 謙虚さ&自制心という位置関係。著者は、アリストテレスの「勇気」の定義(大胆さと慎重さのあいだで中庸を保つ)をこの対立関係に重ねています。

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    • 処罰の3種

      まえがき

      『社会が犯罪行為に対処するときの選択肢はこの三つだ。』

      リスト

      あとがき

      まえがきを含めて、マイケル・S. ガザニガ 『〈わたし〉はどこにあるのか: ガザニガ脳科学講義』(紀伊國屋書店、2014年)より。英語は原書(“Who’s in Charge?: Free Will and the Science of the Brain”)からの引用です。また解説部分は本文から加筆引用しました。

      引用元は明示されておらず、まえがきの文章で「この三つだ」と言い切っていたので思わず収集。Wikipediaで”Punishment“を引くと、この3つに加えて”deterrence”が挙げられています。これは抑止、つまり予め隔離するなどして犯罪を予防するという意味合いのようなので、質的に少々違いますね。というわけで、起きてしまった犯罪への対処としては一般的な整理なのかもしれません。

      他者の能力を剥奪するという罪を犯した場合、その報復は能力剥奪になる(たとえば殺人に対する死刑)ので、すこし重複感がありますね。

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    • エッセンシャル思考の3つのコア

      まえがき

      『この3つの真実が、私たちを混乱から救い出してくれる。本当に大事なことを見極め、最高のパフォーマンスを発揮することが可能になる。』

      リスト

      あとがき

      まえがきを含めて、グレッグ・マキューン 『エッセンシャル思考 最少の時間で成果を最大にする』より。

      どうも枠組み感があるような、ないような。義務感・収集感・有能感からの脱出、という感じでしょうか。

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    • 記憶力の鍛錬が培うもの(中世)

      まえがき

      『古代から中世にかけての記憶の教科書(略)の著者たちにとって、記憶を訓練する目的は、情報にアクセスしやすくなるというだけでなく、己の倫理観を強化し、完全な人間を目指すことにあった。』

      リスト

      あとがき

      まえがきは、ジョシュア・フォア 『ごく平凡な記憶力の私が1年で全米記憶力チャンピオンになれた理由』(エクスナレッジ、2011年)より。本書では「判断力、市民性、敬虔さ」の3つだけでしたが、引用元の “The Book of Memory: A Study of Memory in Medieval Culture” には character もありましたので、原語とともに追加しました。

      当該箇所を引用します。

      Training the memory was much more than a matter of providing oneself with the means to compose and converse intelligently when books were not readily to hand, for it was in trained memory that one built character, judgment, citizenship, and piety. (P11)

      (私訳)記憶力の鍛錬は、本を手もとに置いておけなかった時代、知的な詩作や対話の材料を得る手段以上のものだった。人格・判断力・市民性・敬虔さは、鍛えられた記憶力のもとで培われると考えられていたのだ。

        • ポカヨケの19原則

          まえがき

          『イノベーションの領域では、「ポカヨケ」は、予見されない事象や機器の不具合、そのほかの要因のために、製品やサービスが適切に機能しなくなる可能性に対抗するのに役立つ。』

          リスト

          あとがき

          まえがきを含めて、デヴィッド・シルバースタイン他『発想を事業化するイノベーション・ツールキット ―― 機会の特定から実現性の証明まで』(英治出版、2015年)より。リストの解説部分は本文からの要約と、一部は補足によって作成しました。

          ポカヨケは”Poka-yoke“としてWikipedia英語版にも載っていました。多少ダブりがある感じですが、ミス減らしへの執念のようなものを感じるリスト。