記憶力の鍛錬が培うもの(中世)


まえがき

『古代から中世にかけての記憶の教科書(略)の著者たちにとって、記憶を訓練する目的は、情報にアクセスしやすくなるというだけでなく、己の倫理観を強化し、完全な人間を目指すことにあった。』

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あとがき

まえがきは、ジョシュア・フォア 『ごく平凡な記憶力の私が1年で全米記憶力チャンピオンになれた理由』(エクスナレッジ、2011年)より。本書では「判断力、市民性、敬虔さ」の3つだけでしたが、引用元の “The Book of Memory: A Study of Memory in Medieval Culture” には character もありましたので、原語とともに追加しました。

当該箇所を引用します。

Training the memory was much more than a matter of providing oneself with the means to compose and converse intelligently when books were not readily to hand, for it was in trained memory that one built character, judgment, citizenship, and piety. (P11)

(私訳)記憶力の鍛錬は、本を手もとに置いておけなかった時代、知的な詩作や対話の材料を得る手段以上のものだった。人格・判断力・市民性・敬虔さは、鍛えられた記憶力のもとで培われると考えられていたのだ。

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