まえがき
『覚えておきたい情報を頭の中に入れる一番いい方法は? さらにその後、必要に応じて一番簡単に、かつ確実に脳内の情報にアクセスするにはどうしたらいい? 苦労して学んだり覚えたりしたことをなるべく忘れないためには、どうすればいいのだろうか?』
リスト
- 注意を払う:注意を払わないと記憶できない。気が散るものは遠ざける。マルチタスクはやめる。
- 視覚化する:覚えたいものを頭に思い描く。それによって、のちに思い出すのも容易になる。
- 意味を付加する:記憶したいことを自分が大切に思っているものと関連付ける。覚えたい情報や出来事に関する物語を作る。
- 想像力をはたらかせる:独創的な視覚的イメージを使う。覚えておきたいものに奇抜でぎょっとするような要素を付け加える。
- 場所に結び付ける:作り出した奇妙なイメージに設置場所を設けてやると、さらに記憶に残りやすくなる。
- 個人的なものにする:自分が関与している事柄は記憶しやすい傾向(優越の錯覚)を活用する。学習内容を個人的なものにする。
- ドラマを追い求める:感情が掻き立てられる人生経験は固定化されやすく、忘れにくい。
- 違うことをする:記憶にとって単調さは命取りである。日々の経験を特別なものにする方法を探す。
- 練習が完璧を作る:くり返す。テストする。記録を読み返す。
- 想起のための手がかりを用意する:思い出したい内容と関連のあることなら何でもよい。複数用意する。
- ポジティブでいる:記憶力は記憶が得意だという自負があるほどよくはたらく。よく覚えているなと自分の記憶力を褒める。
- 記憶を外在化する:テクノロジーに記憶力の仕事を分担してもらう。記憶補助ツールを使っても記憶力は失われない。
- 文脈が重要:記憶は、それが形成されたときの内在的・外在的文脈が一致したほうが思い出せる。
- リラックスする:慢性ストレスがあると記憶力が阻害され、海馬が萎縮する。
- 睡眠をとる:新しく形成された記憶を最善の状態で固定化するには、毎晩七時間から九時間の睡眠が必要である。
あとがき
まえがきを含めて、リサ・ジェノヴァ『Remember 記憶の科学:しっかり覚えて上手に忘れるための18章』 (白揚社、2023年)より。最終章の内容を大幅に刈り込んでリスト化しました。
本には16項目めがあります。ただ意味合いとしては他の項目と重複していて、著者が茶目っ気を発揮して加えたと思われる項目なのでリストからは外しました。
16 名前を覚えておきたいときは、ベイカーさんをパン屋さんにしよう。
さあこれが何を意味するか、あなたは覚えていますか?
これは本の中で説明されていた「ベイカーベイカーパラドクッス」を思い出させるためのクイズです。「9. 練習が完璧を作る」の実践というところでしょうか。自分の記憶力のテストのために、解説は書かないでおこうと思います。
- タイトル: Remember 記憶の科学:しっかり覚えて上手に忘れるための18章
- 著者: リサ・ジェノヴァ(著)、小浜杳(翻訳)
- 出版社: 白揚社
- 出版日: 2023-04-21