記憶の原理


まえがき

『本書における「原理」は、検証することのできる規則性を定性的(質的)に示したもので、現象を説明するにあたって媒介的な役割を果たすことができるものであり、そして、記憶を一つの機能(はたらき)として捉えようとする立場にならったものである。』

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  1. 手がかりによる駆動……思い出すという行為は、どのような状況でも、「検索処理を開始させる手がかり」によって始まる。
  2. 符号化-検索間の関係……記憶は、覚える(符号化)時の条件と思い出す(検索)時の条件との間の関係によって決まる。項目・処理・手がかり自体には、よりよく記憶できるような特性はない。忘却は、外的要因によって生じる。
  3. 手がかりの過負荷……覚える機会がいろいろとあればあるほど、手がかりと連合する項目が増加する。そのため、思い出そうとする時に、手がかりとしての効果が小さくなってしまう。
  4. 再構成……他の認知過程と同じく、記憶も、その本質において構成的である。つまり、「覚える時に与えられた情報」や「思い出そうとする時の手がかり」、あるいは「過去に思い出したときの記憶」など、役に立ちそうな情報をすベて使って、手がかりへの反応が作り上げられる。
  5. 混在……どのような記憶課題にも、多種多様な情報や、非常に多くの処理過程が関与している。ゆえに、純粋な課題や純粋な処理というものはありえない。ある課題について、「ある特定の記憶システムだけが担当する」とか、「ある特定の処理過程だけが必要である」といった仮定に基づく推測や議論は、誤った結論を導く恐れがある。
  6. 相対的な示差性……検索時に競合している項目のうち、特徴の際立ち(示差性)が大きい項目ほど思い出されやすい。
  7. 特定性……「記憶が形成されたときの文脈に関する特定的な情報」を必要とする課題は、一般的な情報を使って回答できる課題に比べて、干渉や忘却の影響を受けやすい。

あとがき

まえがきを含めて、スープレナント,A.M.、ニース,I.『記憶の原理』 (勁草書房、2012年)より。

記憶の研究では◯◯効果と名付けられたものはとても多いが、原理と名付けられたものはとても少ないそうです。

「原理」という言葉に、仕組み・メカニズム的な何かを期待して読んでみたのですが、もう少し結果寄りというか「共通特性」のような印象でした。

  • タイトル記憶の原理
  • 著者: スープレナント,A.M.(著)、ニース,I.(著)、久登, 今井(翻訳)
  • 出版社: 勁草書房
  • 出版日: 2012-12-26

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