記憶の形成段階


まえがき

『記憶の形成は、四つの基本的な段階を踏んで起こる。(略)意識的に思い出せる長期記憶を作り出すためには、四つの段階がすべて機能していなくてはならない。』

リスト

  1. 記銘(符号化): 知覚したり注意を払ったりした光景、音、情報、感情、意味などを脳がとらえ、そのすべてを神経回路用の言語に翻訳し直す
  2. 固定化: それまでつながりのなかった神経活動を、互いに結合した一つのパターンへとつなげる
  3. 保持(貯蔵): 神経活動のパターンが、ニューロンの持続的な構造的・化学的変化によって、一定期間維持される
  4. 想起(検索): つながった神経回路の活性化によって、学習したり経験したりしたことを思い返し、再生(自力で思い出すこと)し、知り、再認(提示された選択肢を見て思い出すこと)できるようになる

あとがき

前書きを含めて、リサ・ジェノヴァ『Remember 記憶の科学:しっかり覚えて上手に忘れるための18章』 (白揚社、2023年)より。

記銘・保持・想起の3段階をしばしば見かける気がしますが、これは4段階。(少なくとも邦訳には)参考文献はなし。

この4段階はひとつながりの文章でも表現していました。

情報を脳に入れる。次に、情報同士を糸のように織り合わせる。そうやってできあがった情報の布を、脳の持続的な変化という形で貯蔵する。最後に、望んだときはいつでも、情報の布を取り出せるようにしておくのである。

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