「絶望死」の種類


まえがき

世界中の富裕国では、中年の死亡率は低下し続けている。しかし近年のアメリカでは、中年の白人の死亡率が上昇している。最も増加率の高い死因がこの三つ。

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あとがき

アン・ケース、アンガス・ディートン 『絶望死のアメリカ』(みすず書房、2021年)より。絶望死は本書が独自に命名した類型です。

後2者は自殺ではなくカウントされないものの、きっかけがおそらく何らかの絶望によると推察できます。たとえば薬物の過剰摂取による死亡は、意図的なものでないかぎり「事故」に分類されます。しかし、

「その死は意図したものではなかったかもしれないが、中毒物質の使用を意図していなかったということはまったくない。したがって、致死的な薬物の過剰摂取や作用による結果は本当の意味での事故ではない」

死因を単純に分解していっても見つけられなかったであろう問題を、ある仮説で括りなおすことによって見出すことができるという好例として収録。

2017年に絶望死で亡くなったアメリカ人は15万8千人に及ぶとのこと。本書はアメリカで絶望死が増えている原因を広く深く探っていきます。

  • タイトル絶望死のアメリカ
  • 著者: アン・ケース(著)、アンガス・ディートン(著)、松本 裕(翻訳)
  • 出版社: みすず書房
  • 出版日: 2021-01-19

    タグ

    自殺 薬物 アルコール中毒

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