まえがき
製品デザインから店舗の棚割からアンケート票の作成にいたるまで、人に何らかの行動(選択)を促す何かを考えるとき、その人は「選択アーキテクト」です。選択アーキテクチャの作り方によって、選択者の選び方は影響を受けます。
では、人に何らかの行動(選択)を促す際には、何に考慮すべきでしょうか。
リスト
- iNcentives ― インセンティブ(選択者をどう動機付けるか)
- Understand mappings ― マッピング(選択とその結果との対応をどう示すか)
- Defaults ― デフォルト(選択者が選択しなかったときの結果をどうするか)
- Give feedback ― フィードバック(選択の結果を選択者にどう知らせるか)
- Expect error ― エラー(選択者の選択しそこないにどう備えるか)
- Structure complex choices ― 体系化(複雑な選択をどう体系化するか)
あとがき
『実践 行動経済学 健康、富、幸福への聡明な選択』より。ダッシュ(―)の右側は独自に加えていますので、正確な引用ではありません。
nudge は、肘でちょっと突くという意味の動詞。この本では、選択アーキテクトのちょっとした促し(nudge)が選択者の選択に与える影響を論じています。
そのnudgeを頭字語にすべく作られたのがこのリスト。残念ながら形式点はちょっと低めですね。U(nderstand)という一般的な言葉からMappingを思い出すのは難しそう。
ただ、内容のほうは充実しているのではないでしょうか。「選択アーキテクト(アーキテクチャ)」という言葉にもハッとさせられました。「使いやすい道具の設計原理」と併せて、選択アーキテクチャを考えるときに使ってみたいと思います。
- タイトル: 実践 行動経済学
- 著者: リチャード・セイラー(著)、キャス・サンスティーン(著)、遠藤 真美(翻訳)
- 出版社: 日経BP
- 出版日: 2009-07-09