まえがき
イギリスの政治学者グレアム・ウォーラスの1926年の著作から。
リスト
- 【準備】(Preparation) 問題をあらゆる角度から調べ上げ、考え尽くす
- 【孵化】(Incubation) 別のことをするか、何もしない(ことによって問題を意識の外に追いやる)
- 【解明】(Illumination) ひらめきが訪れる(この段階には、意識的には進めない)
- 【検証】(Verification) ひらめきを現実的な解として具体化する
あとがき
原著は Graham Wallasの1926年の著作 “The Art of Thought”。リストはこの本を紹介した記事 “The Art of Thought: Graham Wallas on the Four Stages of Creativity, 1926” (Brain Pickings) からの翻訳・引用です。Illuminationのよい(2文字の)訳が思いつかなくて「解明」としましたが、解き明かすという能動的なニュアンスではなく「降りてくる」とか「浮かんでくる」という意味あいです。ちなみに「アイデアが生まれる5つの段階」よりも古いリストです。
このリストは、池谷 裕二『脳には妙なクセがある』で紹介されていました。
アイデアをひらめいたり、創意工夫に満ちた着想を得るためには「王道」があると言われています。グレアム・ウォーラスによれば、それは四つのステップからなります(174)。つまり、
Ⅰ.課題に直面する
Ⅱ.課題を放置することを決断する
Ⅲ.休止期間を置く
Ⅳ.解決策をふと思いつく
です。
参考文献174は
Wallas, G. The Art of Thought. Harcourt, Brace & Company; Harcourt Brace, 1962.
1962年じゃなくて1926年だったし、リストの内容もずいぶん違っているし、どこかに混乱があるような気がします……。原著を確かめようにもほとんど流通していないらしく、amazon.comでは$1500ドルの値が付いていました。Project Gutenbergでも公開されていません。
まあ、著者の引用の目的は「Ⅲ.休止期間を置く」=『創造のためには相応の熟成期間が必須』というところにあったので、その前後がどうあれ読むぶんには問題ではありませんでした。
- タイトル: 脳には妙なクセがある
- 著者: 池谷 裕二(著)
- 出版社: 扶桑社
- 出版日: 2012-08-01