判断するのが苦手な人の4つの特性


まえがき

『大事なことは、(判断が)うまくできない「場面」を並べ立てるだけでなく、「それらに通底している(どの場面にも共通している)」自分自身の社会生活に最も障壁となっている特性をきちんと把握することなのです。(略)ここでは、特に「判断すること」に影響があると思われる特性を挙げてみたいと思います。』

リスト

あとがき

まえがきを含めて、佐藤 恵美『「判断するのが怖い」あなたへ 発達障害かもしれない人が働きやすくなる方法』 (ディスカヴァー・トゥエンティワン、2020年)より。リストは本文からの引用です。まえがきは「(判断が)」のみ追加しています。

意思決定が本業でのテーマでもあるので興味を持って読みました。著者は、発達障害という診断を受けていない人も対象読者であるとして、本書の目的を次のように述べています。

「発達障害特性」という切り口で自分を見直すことによって(略)社会の中でどう自分を嫌いにならずに生きていくか、自分とどううまくつき合って生きていくか、ということに希望を持ってもらうことを目的としています。

ではこれらの特性を裏返すと優れた判断者になれるのかというと、そうでもないところが面白いですね。

第1項目については、よい判断をするために『「だいたいこれくらい」で済ませない』トレーニングをしたりします。「速い判断」を阻害する特性ではあっても「正確な判断」をするうえでは助けになる特性かもしれません。

一方で第2項目以降は、誰しも意識したいところかなと思います。あれもこれもごちゃごちゃにしていないか、固定的に考えていないか、ワーキングメモリを十分に使っているか。特性という定義からすると努力で直接改善することは難しいわけですが、意識することで補える方法はあるわけで、本書のようなガイドブックがそれを支援してくれます。

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