ノックスの十戒

まえがき

推理小説の書き手の「べからず集」。1929年作の古典。

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  1. 犯人は物語の初めから登場している人物でなくてはならない。しかし読者と共に考える人物であってはならない。
  2. 超自然的な力が働いてはならない。
  3. 秘密の部屋や通路は一つまで。特に秘密の通路は、いかにも存在しそうだと思われる状況以外では使用すべきでない。
  4. 未発見の毒物や難解な説明を要する器械を用いてはならない。
  5. 中国人を登場させてはならない。
  6. 探偵は偶然や直感に助けられてはならない。
  7. 探偵自身が犯人であってはならない。
  8. 探偵は読者が確かめられない手がかりを使ってはならない。
  9. ワトソン役は自身の考えを読者に逐一知らせなければならない。またワトソン役は平均的な読者よりほんの少し知性の劣る人物にすべし。
  10. 双生児や一人二役などの替え玉は、読者が正当と思えない状況で登場してはならない。

あとがき

たまたま「ノックスの十戒」という言葉を見かけました。なつかしくなって登録しようと思ったのですが、出回っている訳とWikipediaに原文としてリンクされていたThe Ten Commandments of Msgr. Ronald A. Knox – The Diogenes Club の内容に違うところがあるようなので、新たに訳し下ろしてしまいました。少々解説を:
「読者と共に考える人物」というのは、典型的には物語の語り手でしょう。
「秘密の部屋や通路は一つまで」というのはちょっと意外。というのは、見かけた日本語訳は「一つでもダメ」となっているものが多かった(し、僕もそうだと思っていた)ので。
「中国人」は、現在は「東洋の神秘(のような、説明のつかない存在)」と読み替えるべきでしょうね。

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