商人の心の在り方


まえがき

『思慮深さが誠実さの基礎である。』

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  • 【平穏】 魂の平静は、あらゆるタイプの人間において、とりわけ商人において発揮される美徳である。魂の平静な人々は(略)陽気で、快活で、自分とも他人とも、あらゆる友人とも平安を保っており、嫉妬深くなく、狡猾でなく、不正でなく、復讐心を持たない。
  • 【堅固】 承認は、運命の浮き沈みやしばしば被る不遇に対して堅固でなければならない。それゆえ、商人は三つの特性を持つべきと言われている。すなわち、堅固のために驢馬の背を、節度のために豚の鼻を、そして忍耐と辛抱のために商人の耳を、である。
  • 【誠実】 商人は、公的並びに私的な関係をつくりださなければならないとき、そして、あらゆるタイプの社会的関係においてこの義務を負っているとき、誠実な行動をとることが必要であるように思われる。
  • 【自制】 第一に、あなたは順境においても、逆境においても自制しなければならない。第二に、商人は食べることと飲むことにおいて自制しなければならない。

あとがき

まえがきを含めて、ベネデット・コトルリ『世界初のビジネス書―15世紀イタリア商人ベネデット・コトルリ15の黄金則』 (すばる舎、2021年)より。

15の黄金則については出版社のページを参照。リストはその第12則「あなたの性格。」の要約です。本文を編集してリスト化しました。

巻末に「急ぎ足の人のための20の警句」があったので、このリストにふさわしいものを選んでまえがきとしました。

項目の数が4であるところから枢要徳(知恵、勇気、節制、正義)を連想しましたが、比べてみるとこちらのほうがさらに抑制的な印象。本書は『複式簿記について世界で最初に記述した画期的な書物として、会計史の世界で注目を浴びることになった』(「訳者序文」より)そうですが、飲食を自制せよといった心得的なことまで書かれていてびっくり。

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