まえがき
『4つの要素はどれも、企業やリーダーが真実、公正、目的のすべてを行動に取り入れるために必要なことを明確にしている。これらすべてが合わさってはじめて、本当の誠実さに必要なものがわかるのだ。』
リスト
- アイデンティティにおける誠実さ(言葉と行動を一致させる) ―― 自分自身を理解していなければ、言動に偽りが生じる
- アカウンタビリティにおける公正(尊厳を第一に考える) ―― 人は不当な評価をされていると感じたとき、 自己防衛や証拠隠滅のために自分の貢献を大げさに語る
- ガバナンスにおける透明性(誠実な対話を通じて、信頼できる意思決定を行う) ―― 真実を語ることができる健全な場がなければ、 オープンな対話は失われ、共謀や噂話が生じる
- グループ間の一体感(全員をひとつの大きな物語へ導く) ―― バラバラの組織では、真実の対立が生じる
あとがき
まえがきを含めて、ロン・カルッチ『誠実な組織 信頼と推進力で満ちた場のつくり方』 (ディスカヴァー・トゥエンティワン、2023年)より。
まえがきの「要素」は、本文では「部」でした。というのも、著者はこれらの要素ひとつに対して1部を割り当てており、前書きで引用したのはその構成の説明部分だったので。リストは序論である「本書の構成」の見出しを編集して作成しました。
そもそも「誠実である」 ――原著では be honest―― とはどういうことか。著者はこの3つの調和から生まれる力であると定義しています。
- 目的: よりよい善を為す
- 公正: 正しく公平な行いをする
- 真実: 相手を尊重しつつ、妥協せず率直に真実を伝える
ちなみに原題は “To Be Honest: Lead with the Power of Truth, Justice and Purpose”。誠実といっても integrity でなくhonesty、公正といっても fairness でなく justiceです。。
リストは、その誠実さをどういった方面に発揮すべきかを表したもの、という感じでしょうか。骨太なメッセージが詰まった、読み応えのある本でした。
- タイトル: 誠実な組織 信頼と推進力で満ちた場のつくり方
- 著者: ロン・カルッチ(著)、弘瀬 友稀(翻訳)
- 出版社: ディスカヴァー・トゥエンティワン
- 出版日: 2023-10-20