経営幹部へのプレゼンテーションにおける留意点(技術職向け)


まえがき

『幹部の前でプレゼンを行うのに不安を覚えることもあるだろう。 ここに書いたことは、実用性というよりも、むしろ心理的なアドバイスと言えるかもしれない。』

リスト

  • フィードバックに反論しない …… フィードバックを集めることが大事なのであって、その内容にあなたが同意できるかどうかは関係ない。会議中に抵抗を続けるよりも、フィードバックについてよく考えて、のちに考えを変えるように促すほうが成功する見込みが高い。
  • 責任や問題を避けない …… もし問題があるのなら、隠すのではなく、その解消に向けて進めばいい。話題を変えようとするのではなく、フィードバックを求めること。
  • 答えを用意せずに質問をしない …… 解決案なしに上司に問題を提示してはならない。もしあなたが解決の糸口もなしに問題だけを提示すれば、幹部はあなたの補佐かあなたを置き換える別のリーダーの採用を検討するだろう。
  • 学術的なプレゼンテーションをしない …… 学校で習う発表方法は、会社経営陣相手のプレゼンテーションにはあまり向いていない。ミントのピラミッド原則を用いることで、 正しい方向へ自分を導くことができる。
  • 自分が希望する結果に固執しない …… 「誤った」決断が下されることに不満を覚えるのは当然だが、あなたが見逃している点が存在する可能性も高いと心得るべきだ。永遠に覆らない決断は存在しない。ほぼすべての決断が次の2年で何度も見直されることだろう。

あとがき

まえがきを含めて、ウィル・ラーソン『スタッフエンジニア マネジメントを超えるリーダーシップ』 (日経BP、2023年)より。リストは本文からの編集・引用です。

技術職のキャリアは、マネジメントの道に進むかエンジニアとしてのスキルを突き詰めるかの2方向に分化するケースが多いと思いますが、本書は後者の道を歩みたい人に向けて書かれています。

著者は『すべてをひっくるめて簡潔なヒントの形にするなら、こうまとめられるだろう』と述べています:

初期の草稿を1人の幹部に送り、 会合を開いてどこをどう直せばいいか尋ねる。 その際に得られたフィードバックを活かせば、何をすべきか理解できるはずだ。

「ミントのピラミッド原則」とは次の原則。本書のまとめを引用します。詳細は『考える技術・書く技術―問題解決力を伸ばすピラミッド原則』に書かれています。

  • Situation: 問題となっている状況は?
  • Complication: 現状がなぜ問題なのか?
  • Question: 対処すべき中心問題は?
  • Answer: クエスチョンに対する最善の答えは?

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