アメリカ的な思考様式


まえがき

『このように、拡張によってアメリカは自身の内側の空虚という問題に対処してきたのである。その隠れた目的は、「他者」を「自己」に変換すること、そして喩えるならば鏡張りの広間の内部で生きることによって「安全」状態を確保することである。』

リスト

  1. 自分たちは神に「選ばれし国民」であり、民主主義やアメリカ的生活様式を地球上の全国民にもたらす使命を帯びている。そして他国の国民は当然ながら我々の知恵と寛大さの恩恵に預かりたいと強く願っている。
  2. アメリカ大陸、そして最終的には世界とは、際限なく拡張するフロンティアである。地理的なフロンティアの場合もあれば経済的なフロンティアの場合もある。だが重要なのは、それがアメリカが埋め尽くすため、そのなかに向かって拡張するために存在するということだ。
  3. 人生は、共同体や社会や公益とは無関係だ。人生とは、個人主義、競争、財産の獲得のことである。 「幸福の追求」すなわち資産の追求、これがアメリカン・ドリームである。

あとがき

まえがきを含めて、モリス・バーマン『神経症的な美しさ:アウトサイダーがみた日本』 (慶應義塾大学出版会、2022年)より。リストは本文中の箇条書きから一部を刈り込んで引用しています。

日本について書かれた本書の主題からは外れますが、非常に得心したので収集しておきたくなりました。すこし大げさな書かれ方のようにも感じられますが、人々の根底にこういった思考様式があるという観察は、短い期間ながら彼の地で暮らした実感と合っています。

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