まえがき
『分析の結果、絶滅の道筋は煎じ詰めれば次の三つのシナリオに分類できると彼は考えた。いわば「絶滅の類型学」である。』
リスト
- 【弾幕の戦場(field of bullets)】 生物がどれだけ優れているかとか、どれだけ環境に適応しているかといったこととは関係のない絶滅。運が要因。
- 【公正なゲーム(fair game)】 同時に存在する他の種や、新しく生じてきた他の種との生存闘争の結果として起こる絶滅。遺伝子が要因。
- 【理不尽な絶滅(wanton extinction)】 前2者の組み合わせ。生存能力(遺伝子)を競うゲームのルールが運によって変更されたことによる絶滅。
あとがき
まえがきを含めて、吉川 浩満『理不尽な進化: 遺伝子と運のあいだ』より。リスト項目は本文から一部編集のうえ引用しました。
まえがきの「彼」とは、アメリカの古生物学者デイヴィッド・ラウプ。著者はラウプの『大絶滅―遺伝子が悪いのか運が悪いのか?』からこの3シナリオを引用しています。
「リストの類型学」からすると、第3項目を説明するために第1・第2項目があるタイプ。
タイトル: 大絶滅―遺伝子が悪いのか運が悪いのか?
著者: デイヴィッド・M. ラウプ(著)、Raup,David M.(原著)、政隆, 渡辺(翻訳)
出版社: 平河出版社
出版日: 1996-04-01