まえがき
『パワーネゴシエーターは、相手が何に駆られているのか、何を本当に達成したいのかを理解すればするほど、自分の立場を崩すことなく相手のニーズを満たせることを知っています。』
リスト
- 競争原動力: 相手に勝ちたい。相手に役立つ情報は共有せず、相手からの情報も信用しない。
- 問題解決原動力: お互いに納得できる最善の解決策をめざしたい。理想的な原動力だが、競争原動力の交渉者がこれを装うこともある。
- 個人的原動力: 個人的な欲求を満たしたい(例:個人の手柄を組織にアピールしたい)。このニーズが最良の解決策を見つけることよりも重要な場合もある。
- 組織原動力: 組織を満足させたい(例:ステークホルダーへの説明責任を果たしたい)。個人として解決策に満足していても、組織を納得させられそうにない場合もある。
- アティテュード原動力: 好意を得たい・信頼関係を築きたい。好意や信頼はよい交渉の十分条件だが、その効力を過信すべきではない。
あとがき
まえがきを含めて、ロジャー・ドーソン『本物の交渉術 あなたのビジネスを動かす「パワー・ネゴシエーション」』 (KADOKAWA、2021年)より。
各項目の見出しは本文の見出しから引用しています。解説部分は2文からなっており、1文めは原動力の定義、2文めは交渉にあたって心得ておくべきことをまとめました。
本書の理論的枠組みは、総じていえば、いわゆるハーバード流交渉術に準じるものです。ただこの原動力の分類は類書で目にしたことがなく、かつ納得性が高かったので収集しました。交渉を振り返るとき、たしかにこういった原動力が混ざり合っていると実感します。
- タイトル: 本物の交渉術 あなたのビジネスを動かす「パワー・ネゴシエーション」
- 著者: ロジャー・ドーソン(著)、小山 竜央(監修)、島藤 真澄(翻訳)
- 出版社: KADOKAWA
- 出版日: 2021-12-16