まえがき
『ハーシュマンが取り組むのは、企業・組織の「とりかえしのつく過失」からの回復メカニズムである。』
リスト
- 【離脱 (exit)】 顧客が、ある企業の製品の購入をやめたり、メンバーがある組織から離れていく
- 【発言 (voice)】 顧客や組織のメンバーが、経営陣や監督部署などに自らの不満を直接表明する
- 【忠誠 (loyalty)】 安直な離脱は発言を阻害するが、組織に忠誠を抱く者が離脱する可能性は発言の効果を増大させる
あとがき
まえがきを含めて、参考文献(1)より。知人に Hirschman の Exit、Voice、Loyalty を知っているかと聞かれて知らなかったので情報収集しました。ハーシュマンの著作が手元に届いていないので、書評(1)の本文を一部編集してリストを作成しました。
リストとしてはユニークで、この3項目は対等ではありません。離脱の原理は経済、発言の原理は政治。忠誠は両者の架橋剤。忠誠者が、忠誠心ゆえに離脱も辞さない覚悟で発言をすることで、組織が衰退から回復へと向かうメカニズムがはたらく可能性が高まる……というのが、大ざっぱな理解。
『戦略人事のビジョン』にわかりやすい例がありましたので引用します。
邦訳書の用語にそって言えば、企業が戦略を誤りそうになったとき、社員がさっさと見限って会社を去るのは「離脱」、声を上げて言いたいことを言うのは「発言」であり、こうした反応は「忠誠」の具合に影響される。忠誠心がなくて会社をやめる人もいるし、忠誠心から声を上げる人もいる。忠誠心が強すぎるあまり、会社の方針を妄信し、まったく声を上げない人もいる。
参考文献
(1) 奥田太郎. “書評 AO ハーシュマン著/矢野修一訳 『離脱・発言・忠誠–企業・組織・国家における衰退への反応』.” 高崎経済大学論集 49.1 (2006): 79-84.

