まえがき
『以下は、われわれが奇人の談話のサンプルに探した一五の障害である。』
リスト
- 話の乏しさ。何のテーマについても話すことがほとんど、あるいはまったくない。
- 話の内容の乏しさ。言葉があいまいで繰り返しが多く、鏡舌なわりに語っている中身が乏しい。
- 語りの切迫、つまり加速されるテンポ。
- 散漫。唐突に話題を変える。
- 逸脱。きかれたことにたいして遠まわしな、または筋違いな答えかたをする。
- 脱線。ある一連の思考から別の、間接的にしかつながっていない、もしくはまるで関係のない思考に逸脱する。
- 不合理性。
- クランギング。言葉の選択が、意味よりも音韻に左右されるような話しかた。
- 言葉の模造。陳腐な言葉を型破りな新しい方法で使ったり、新しい言葉や言いまわしをつくりだす(たとえば、ペンを「紙杭(ペーパースケート)」と呼び、時計を「時の船タイム・ヴェッセル」と呼ぶなど)。
- 迂遠。厳密で不要なまでにくわしく話したり、結論に達するまでにやたらとまわりくどく話す。
- 行先を見失う。論理的結論にいたる思考の鎖をたどりそこなう。
- 固執。言葉や考えを、ときには脈絡なく執劫に繰り返す。
- 阻止現象(ブロッキング)。思考が完結しないうちに、言葉の流れが中断される。
- 話の誇張。
- 自己言及。自分のことを異常なまでに、あるいは不適切な方法で話題に出す。
あとがき
まえがきを含めて『変わった人たちの気になる日常―世界初の奇人研究』より。
逆に言えば、この逆をゆけば「普通の人」と思ってもらえるということでしょう。
それにしても数が多く、このリスト自体散漫な印象があります。3~5カテゴリ程度にまとめる、帰納的思考のエクササイズの材料になるかも。
- タイトル: 変わった人たちの気になる日常―世界初の奇人研究
- 著者: ウィークス,デイヴィッド(著)、ジェイムズ,ジェイミー(著)、Weeks,David(原著)、James,Jamie(原著)、美幸, 忠平(翻訳)
- 出版社: 草思社
- 出版日: 1998-03-01