投稿者: koji

  • 六龍(易経)

    まえがき

    『易経六十四卦の乾為天の卦には、龍になぞらえて、志の達成までの変化の過程が次の六段階で記されている。この六段階を「六龍(りくりゅう)」という。』

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    あとがき

    まえがきを含めて、竹村 亞希子『「易経」一日一言』(致知出版社、2009年)より。著者の別の著書(『リーダーの易経』)によると、躍龍は龍の名前としては易経本文に出てくるものではなく、著者が読者の便宜のために添えたとのこと。

    「飛躍」という言葉はここから来ているのかな。「躍」でもまだ飛び上がっていないわけで、実質的には「飛」の段階だけが飛翔フェーズということになります。6段階の時間的な関係は明らかではありませんが、なんだか短そうです。

    ちなみに原文はこんな感じ。

    潜龍勿用。
    見龍在田。利見大人。
    君子終日乾乾。夕惕若。厲无咎。
    或躍在淵。无咎。
    飛龍在天。利見大人。
    亢龍有悔。

    • 英雄の旅の6ステップ

      まえがき

      『ジョゼフ・キャンベルをはじめとする神話学者たちによれば、人生のあらゆる経験は英雄の旅とみなせるという。(略)英雄の旅を理解し、それが自分の人生でも展開されることに気づけば、最高のゴールへ向かう自分自身の道にしたがうのが楽になる。』

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      あとがき

      まえがきを含めて、マイケル レイ『ハイエスト・ゴール―スタンフォード大学で教える創造性トレーニング』(日本経済新聞社、2006年)より。

      古今東西の物語に共通する構造のリストは、当サイトでもいくつか収集してきました(「物語」でタグ付けされたリストを検索)。

      そのなかに「英雄の旅」(ヒーローズ・ジャーニー、Hero’s Journey)という、NLPをやる人なんかが好んで引用するタイプのフォーマットがあります。このリストもそのバリエーションです。解説に代えて、表紙にも使われている6ステップの図をアスキーアート化して引用します。

                                    Celebration 
                                  ┌─────→
                      Breakthrough☆            
                                  │            
      Innocence   The Call        │            
      ─────★                │            
                │          Allies│            
                │          ┌──┘            
                │Initiation│                  
                └──┐    │                  
                      │←→│                  
                      └??┘                  
      

      この本からの他のリスト

    • 決意を実行に移すためのシンプルな3ステップ

      まえがき

      『最初に踏む魔法のステップはみな同じ、仲間を1人引き入れるのである。』

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      あとがき

      まえがきを含めて、パディ・ミラー 他『イノベーションは日々の仕事のなかに――価値ある変化のしかけ方』より。本書では、金曜に盛り上がった決意が月曜の朝になると実行に移せない現象を「月曜の朝」問題と呼んでいます。

      • サービス品質測定のRATER (SERVQUAL)

        まえがき

        『後にRATERと呼ばれるSERVQUALは、品質管理のフレームワークである。 サービス部門の品質を測定するために Zeithaml、Parasuraman、Berryによって1980年代半ばに開発された。』

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        あとがき

        まえがきは “SERVQUAL“(Wikipedia) を訳しました。リストも同ページからの翻訳です。訳語のチョイスが難しかった。

        RATER(評価者)とは気の利いたアクロニムを見つけたものです。

        信頼性という次元は他の次元に依存する割合が高いように思います。たとえば、確実性のないサービスが信頼性を得られるだろうか。

      • 顧客満足度に影響する因子の4類型

        まえがき

        『英経営学者ロバート・ジョンストンはサービスの品質をより細かく整理し、それらが顧客の満足感にどのような影響を与えるかを調査しています。この方法では品質の内容は評価の要因ごとに大きく4つに分類されます。』

        リスト

        あとがき

        まえがきを含めて、近藤隆雄『第11章心情をくむサービス(7)品質評価に4要因活用』 (日本経済新聞 6月10日朝刊「やさしい こころと経済学」欄) より。

        ハーズバーグの2要因理論と似た感じですが、第3、第4項目を加えてより細分化しています。

        「中立要因」って変な言葉ですよね。結果に影響を与えない(中立)なら、それは要因ではないのでは? と思い、元の言葉を探してみました。

        直接ロバートストンが書いた論文にはアクセスできませんでしたが、他の文献(1)から類推すると元は Monovalent Satisfiers / Monovalent Dissatisfiers / Bivalent Satisfiers / Null Relationships の模様。「無関係」ということですね。それを言い換えた Satisfiers / Dissatisfiers / Criticals / Neutrals という組もありました。第3、4項目は「決定的要因」「中立」とでも訳しましょうかね。

        (1) Vargo, Stephen L., et al. “Satisfiers, dissatisfiers, criticals, and neutrals: A review of their relative effects on customer (dis) satisfaction.” Academy of Marketing Science Review 11.2 (2007): 1-19. この中でジョンストンらの文献(2)が引用されています。

        (2) Silvestro, Rhian M. and Robert Johnston. “The Determinants of Service Quality: Hygiene and Enhancing Factors.” Quality in Services II: Selected Papers. Coventry, UK: Warwick Business School: (1990): 193-210.

      • 勇気の3類型(ティリッヒ)

        まえがき

        『われわれは、われわれ自身の存在を肯定することによって、存在それ自身の自己肯定に参与する。』

        リスト

        あとがき

        まえがきを含めて、パウル・ティリッヒ『生きる勇気』(平凡社、1995年)より。

        不安の3類型(ティリッヒ)」のようにティリッヒが3類型として示したわけではなく、目次を編集して作成したものです。本文から日本語に相当すると思われる英語を探し、添えました。

        この本からの他のリスト

      • 誤ったステレオタイプを誘発する3つの要素

        まえがき

        間違ったステレオタイプ(集団独自の特徴に対するイメージ)を生み出す要素とは。

        リスト

        あとがき

        ニコラス・エプリー『人の心は読めるか?』(早川書房、2015年)より、本文を編集してリスト化。この3要素はRobin Hogarth “Educating intuition”からの引用とのことでした。

        情報が少なすぎる(集団を知る方法が偏っている)例は、文字情報しかやりとりされないSNSやメール。違いによって集団を定義する例は、「~な男、~な女」といった記事や本。原因を確かめない例は、老人だから~/黒人だから~といったレッテル貼り。

        人のステレオタイプは違いの方向性はよく検知するものの、どれくらい違うかとか、なぜ違うかといった点ではまったく当てずっぽうになってしまうそうです。

        • タイトル人の心は読めるか?
        • 著者: ニコラス・エプリー(著)、波多野 理彩子(翻訳)
        • 出版社: 早川書房
        • 出版日: 2015-01-23


          • タイトルEducating Intuition
          • 著者: Hogarth, Robin(著)
          • 出版社: Univ of Chicago Pr
          • 出版日: 2010-10-01
          • 理想的スナックのモデル

            まえがき

            消費者がスナックを買う決断のモデル。左辺のP(urchase)がプラスであれば購買が生じるとのこと。

            P = A1T + A2C + A3U – B1$ – B2H -B3Q

            リスト

            あとがき

            マイケル・モス『フードトラップ 食品に仕掛けられた至福の罠』(日経BP社、2014年)より。英語は原著”Salt, Sugar, Fat”を参考にしました。ただしリスト化にあたり英語も日本語も一部編集しています。

            作者は、スナック菓子の大手米フリトレーの元主席研究者であるロバート・イーサン・リン。

            『あるときリンの同僚が、スナック菓子の売れやすさを測定する計算方法を開発した。リンはそれをさらに磨き上げて、わかりやすい数式に整理した。』

            P = A1T + A2C + A3U – B1$ – B2H -B3Q

            係数Anがかかっている前3つの変数(T, C, U)は報酬となるもの。係数Bnがかかっている後ろ3つの変数($, H, Q)は抵抗となるものです。

            一見すると、便利さと実用性の違いがよくわかりません。実用的なものは便利でもありますよね。訳書では次のように説明されています。

            『手で食べられる、あるいは食事と一緒に食べられるといった便利さ(C)、実用性(U)、〜』

            手で食べられることと食事と一緒に食べられることが便利さにかかっているように思えます。原著でもこんな感じ。

            “They were convenient (C) and utilitarian (U), ready to eat out of the hand or with meals.”

            「手で食べられる」のは手間が省けるのでたしかに便利です。一方「食事と一緒に食べられる」ことは、実用性の例として考えるとわかりやすいように思えました。ポテトチップスであれば砕いてサラダに混ぜたり、ハンバーガーに添えたりします。加えて、腹持ちがする・栄養価が高い(←これが問題なわけですが)ので食事の補助あるいは代わりになり得ます。そこで、リストのように分けて記してみました。

            塩分・糖分・脂肪分の取り過ぎは健康を害すると(ほぼ)わかっていても、加工食品からそれらを減らしてしまうと売上が下がる。売上が下がると株価も下がる。株価が下がると経営者の報酬も下がる。業界で足並みを揃えられればよいが、つねに誰かが抜け駆けをする。政府が規制しようと思っても激しいロビー活動に遭うし、産業を弱くするような規制は難しい。したがって、消費者の健康は消費者自身が守らねばならない。そんなメッセージだったと理解しました。

            • 学の四失

              まえがき

              『学ぶときにおかしがちな誤りが四つある。』

              リスト

              あとがき

              まえがきを含めて、守屋 洋、守屋 淳『中国古典の名言録』(東洋経済新報社、2001年)から編集のうえ引用。リストは『礼記』学記篇からの引用です。本書ではリストの前に「人の学ぶや、」という句が付いて一つの文をなします。さらにその文の前に「学者有四失」(学ぶ者に四失有り)という句があるので、そこからタイトルを作りました。

              解説がなければ解読が難しいリスト。良い内容ながら言及しているページは少ないですね。検索してみると「学の四失 – 多・寡・易・止」(講老箚記)というブログに出会いましたが、訳が大きく異なっていて驚きました。原文がかなり凝縮されているぶん、解釈の面白さもあるかもしれません。

              • タイトル中国古典の名言録
              • 著者: 洋, 守屋(著)、淳, 守屋(著)
              • 出版社: 東洋経済新報社
              • 出版日: 2001-06-01

              この本からの他のリスト

            • 四端説(孟子)

              まえがき

              『孟子は、(略)仁・義・礼・智の徳(四徳)を誰もが持っている4つの心に根拠付けた。』

              リスト

              あとがき

              守屋 洋、守屋 淳『中国古典の名言録』(東洋経済新報社、2001年)から編集のうえ引用。リストは『孟子』公孫丑篇からの採録。まえがきは「四端説」(Wikipedia)からの引用です。

              「徳」というのは性格・気分・情動のような心理学的に感情の状態や動きを表す言葉では捉えきれない概念ですが、やはり感情とつながっているのだということを感じさせられるリスト。

              • タイトル中国古典の名言録
              • 著者: 洋, 守屋(著)、淳, 守屋(著)
              • 出版社: 東洋経済新報社
              • 出版日: 2001-06-01

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