まえがき
感情史(歴史学における感情の研究)の四つの方法論とは。
リスト
- エモーショノロジー(スターンズ):ほぼ普遍的な「感情そのもの」ではなく、時代とともに変化する、人が感情をどう表現すべきかに関する基準(エモーショノロジー)に着目する。
- 感情体制(レディ):変化の主体としての感情に着目する。感情表現は伝達的発話(エモーティブ)であり、それが向けられた対象を変容させる。エモーティブは社会が共有する規範的な感情の一式である「感情体制」の支配下にある。
- 感情の共同体(ローゼンワイン):社会共同体を「感じ方」の共同体としてとらえる。
- パフォーマティブ(アルトホフ):感情を見せることは芝居や儀礼のような演技であると見なす。
あとがき
バーバラ・H.ローゼンワイン、リッカルド・クリスティアーニ 『感情史とは何か』(岩波書店、2021年)より。リストは本文をわたしの理解に沿ってまとめました。かなり粗いうえに的を外している部分があるかも。ラベルの次のカッコは、各アプローチの主要な提唱者です。
感情史という学術領域があるんですね。まったく違った方向からの見立てがあって面白い。
著者の一人は第三項目の提唱者なので、いきおいその部分の記述が長く、自説を推している雰囲気がにじみ出ていました。
- タイトル: 感情史とは何か
- 著者: バーバラ・H.ローゼンワイン(著)、リッカルド・クリスティアーニ(著)、伊東 剛史(翻訳)、森田 直子(翻訳)、小田原 琳(翻訳)、舘 葉月(翻訳)
- 出版社: 岩波書店
- 出版日: 2021-01-12