まえがき
『老化も、老化に伴う病気も、老化の「典型的特徴」が組み合わさった結果である。その特徴とは次の通りだ。』
リスト
- DNAの損傷によってゲノムが不安定になる
- 染色体の末端を保護するテロメア(特徴的な反復配列をもつDNAとタンパク質からなる複合体)が短くなる
- 遺伝子スイッチのオンオフを調節するエピゲノムが変化する
- タンパク質の正常な働き(恒常性)が失われる
- 代謝の変化によって、栄養状態の感知メカニズムがうまく調節できなくなる
- ミトコンドリアの機能が衰える
- ゾンビのような老化細胞が蓄積して健康な細胞に炎症を起こす
- 幹細胞が使い尽くされる
- 細胞間情報伝達が異常をきたして炎症性分子がつくられる
あとがき
まえがきを含めて、デビッド・A・シンクレア、マシュー・D・ラプラント 『LIFESPAN(ライフスパン): 老いなき世界』(東洋経済新報社、2020年)より。リストは本文中の箇条書きを一部編集のうえ引用しています。
老化の唯一の原因は存在しないことが科学者のコンセンサスとなりつつある、という文脈の中で紹介されていました。このリスト自体には引用元が示されていないので、著者のまとめのようです。
現時点で解明されている老化のメカニズムと、老化を遅らせられる可能性についての本。老化を遅らせるために著者が個人的にやっていることもさらっと紹介されているものの、健康法の本ではありません。
「食事のカロリーを減らせ」「小さいことにくよくよするな」「運動せよ」以外に、医学的なアドバイスをするつもりはない。
- タイトル: LIFESPAN(ライフスパン): 老いなき世界
- 著者: デビッド・A・シンクレア(著)、マシュー・D・ラプラント(著)、梶山 あゆみ(翻訳)
- 出版社: 東洋経済新報社
- 出版日: 2020-09-16