まえがき
フロイトによれば、偉大な科学の革命は『みな宇宙の中心人物としての「人間」の誇りを傷つけたり、あるいはその地位から追い落とすという。』
リスト
- コペルニクスの革命。それまでの地球中心の宇宙観を、地球は宇宙の塵にすぎないという考えに置き換えた。
- ダーウィンの革命。私たち人間はたまたま進化した特性のおかげで少なくとも一時的には成功をおさめている、弱々しく毛のない幼形成熟の類人猿だとみなした。
- フロイトの革命。私たちが行うことはすべて、大鍋いっぱいに煮えたぎる無意識の情動や基本的欲求や衝動に支配されていて、私たちが意識と呼んでいるものは氷山の一角にすぎず、ただそれらの行為を念入りに合理化したものでしかない。
あとがき
まえがきを含めて『脳の中の幽霊』より。もともと文章だったものを、一部編集のうえリストとして引用しています。
なるほどー。ただし、第3の革命に誰の名を冠するかは、まだ定まっていないようですね。「私」という自己意識をもたらしているメカニズムを説き明かした人の名が冠せられるのでしょうが、その時点から振り返ったとき、結局は五蘊無我を唱えたブッダが正しかったのかー、なんてことになりそうです。
- タイトル: 脳のなかの幽霊 (角川21世紀叢書)
- 著者: ラマチャンドラン,V.S.(著)、ブレイクスリー,サンドラ(著)、Ramachandran,V.S.(原著)、Blakeslee,Sandra(原著)、篤子, 山下(翻訳)
- 出版社: 角川書店
- 出版日: 1999-08-01