4体液説に基づいた人格の気質的類型(ガレノス)


まえがき

『ガレノスは、体内における体液の割合が情動や行動面での傾向、つまり「気質」と直接に連関しているとみなした。』

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あとがき

まえがきを含めてキャサリン・コーリン 『心理学大図鑑』より。挿絵と本文から編集・引用です。

本文では「黒胆汁質」の代わりに「憂うつ質」という言葉が使われていました。しかし一つだけ体液の名前でないのもおかしいし、本書の他のページでは「黒胆汁質」という言葉が使われているので「黒胆汁質」としました。たとえばWikipediaの「四体液説」の項でも黒胆汁質となっています。

4体液説は4大元素説に起源を持っており、4大元素 → 4体液 → 気質の対応関係はこんな感じです:

  • 風(熱・湿) → 血液 → 多血質
  • 水(冷・湿) → 粘液 → 粘液質
  • 火(熱・乾) → 黄胆汁 → 胆汁質
  • 地(冷・乾) → 黒胆汁 → 憂うつ質

4大元素は冷熱×乾湿の組み合わせからなっています。この発想は20世紀にも引き継がれます。同書によれば、心理学者ハンス・J・アイゼンクによる「アイゼンクの人格モデル」も、この発想を源としているとのこと。

◆アイゼンクの人格モデル

  • 神経症傾向-情動的安定性 (← 乾-湿)
  • 外交的-内向的 (← 熱-冷)

ここで神経症傾向というのは、『「闘争ないし飛躍」反応を惹きおこす脳の共感神経システムの閾値が低い』(本文からの編集・引用。原著を確認していませんが「闘争ないし飛躍」反応はおそらく “Fight or Flight”すなわち「闘争・逃走」反応かと)のこと。ひらたくいえば「神経過敏」ということでしょう。

  • タイトル心理学大図鑑
  • 著者: キャサリン・コーリン(著)、小須田 健(翻訳)
  • 出版社: 三省堂
  • 出版日: 2013-01-22

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