まえがき
『社会的選好は他者をも考慮する選好 (other-regarding preference) と呼ばれることもあります。(略)相手と自分とでいくらずつの利益を受け取るのか、その配分の選択から、あなたがどれくらい相手を考慮に入れて選択しているのかを判定します。』
リスト
- 利己的 (selfish): 相手のことはさておき、自分がいくらの利益を得られるのかだけに関心がある
- 羨望的 (envious): 自分の利益が相手の利益より多い場合には相手のことなど全く考慮しないが、自分の利益が相手より少ないと、とたんに相手のことを羨んでしまう
- 競争的 (competitive): つねに自分の利益が相手の利益よりも多くないと気が済まない
- 利他的 (altruistic): 自分の利益がつねに相手の利益よりも少なくないと落ち着かない
- こびへつらい的 (kiss-up): 相手の利益が自分の利益より少ない場合には相手のことを全く考慮しないが、相手の利益が自分の利益より多い場合には相手にもっと利益を与えようとしてしまう
- 弱い者いじめ的 (kick-down): 相手の利益が自分の利益より多い場合には相手のことを考慮しないが、相手の利益が自分の利益より少ない場合に、相手からさらに利益を奪おうとする
- 不平等回避的 (inequality averse): 相手の利益が自分の利益より多い場合には妬みを抱き、自分の利益が相手の利益よりも多い場合には後悔の念を抱く
- 平等回避的 (equality averse): 自分の利益が相手より多くても少なくても、自分と相手の利益が平等であるよりはよいと考える
- マキシミン的 (maximin): 各配分について、自分でも相手でも、少ない方の利益を比較して、各配分での少ない方の利益 (min) が全ての配分の中で一番大きい (max) 配分を選ぶ
あとがき
まえがきを含めて、川越 敏司『「意思決定」の科学 なぜ、それを選ぶのか』 (講談社、2020年)より。
自分は自分、人は人と思っていても、やっぱり気になってしまう。この類型を眺めていると、どれも自分のうちにあると思わされます。
- タイトル: 「意思決定」の科学 なぜ、それを選ぶのか
- 著者: 川越 敏司(著)
- 出版社: 講談社
- 出版日: 2020-09-17