公正な分配を考える3つの視点


まえがき

あるものを複数人で「公正に」分けようとするとき、考慮されるべき3つの基準とは。

リスト

あとがき

Morton Deutsch “Conflict resolution: Theory and practice”(参考文献1)より。リストは本文および参考文献3、4を参考に作成しました。「公平」には「衡平」も用いられています。

この3つ組の初出は参考文献2(1975年)のようです。何をもって公正かというのは、その集団の価値観によって変わってくるわけです。効率を求める集団では公平原理が、一体化を求める集団では平等原理が、思いやりを求める集団では必要原理が、それぞれ優勢となるという説が書かれていました。なるほど。

「分配」はリーダーの仕事の中にもけっこうあります。貢献度や必要性をどう測るかという難しい問題があるにせよ、こういった3つの基準があるということを知っておくだけでも、判断の偏りを小さくできそうに思えます。

(追記:2022/03/24)

亀田 達也(監修)『眠れなくなるほど面白い 図解 社会心理学』 (日本文芸社、2019年)では、報酬の分配原理としてこの3つに加えて「独占原理」(最も高い業績をあげた人にすべてを与える)が挙げられていました。

この本からの他のリスト

参考文献

(1) Deutsch, M. (1983). Conflict resolution: Theory and practice. Political Psychology, 431-453.

(2) Deutsch, M. (1975). Equity, equality, and need: What determines which value will be used as the basis of distributive justice?. Journal of Social issues, 31(3), 137-149.

(3) 佐藤嘉倫 「公正な分配(2)状況に応じて三つの判断基準」(河北新報オンラインニュース)

(4) 「平等な分配とは?分配原理と経済学」(ダイレクトコミュニケーション)

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社会心理学 平等 公正 公平 分配

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