まえがき
『(略)仕事にはリスクがつきものだ。リスクを避けるのではなく、あらゆる業務や新規プロジェクトの検討から実行プロセスを通じて、リスクをうまく乗りこなし、成功に持ち込むことが鍵である。』
リスト
- リスクの特定: 手に入るデータに基づいて、リスクを具体的かつ簡潔に記述する
- あり得る結果の推計: 考慮すべき要素を読み込んだうえでベストなケース、ベースのケース、最悪のケースを作成し、合計が100%になるように可能性を割り振る
- 成功確度を高める改善策の検討: 成功確率を上げられる、あるいは失敗確率を下げられる施策を幅広く挙げたうえで必要に応じて調査をし、「成功確度UP要因の候補」を特定する
- 推計の見直し: 成功確度を高める改善策の実行見通しに応じて各ケースの確度を(変更後も合計が100%となるように)見直す
- 「破滅度チェック」の実施: 最悪のケースになった場合に耐えられるかを確認し、イエスであれば最終ステップに進む
- 決定と実行: 「成功確度UP要因の候補」の特定と実装を継続しつつ、結論を出す
あとがき
まえがきを含めて、ローレン・B・ベルカー、ジム・マコーミック、ゲイリー・S・トプチック『マネジャーの全仕事 いつの時代も変わらない「人の上に立つ人」の常識』 (ディスカヴァー・トゥエンティワン、2023年)より。
リストの見出しは本文からの引用です。見出しの後の解説は本文の要約です。要約ゆえにすこし不正確なところもありますが、私用なのでよいとしましょう。
6. の最後の段落を引用します。
さあ、決定のときが来た。前進か退却かを選択するのだ。撤退が最善の選択となる場合もある。どんな決定をしようとも、必要な情報を集めてきちんと検討したのだから、確信を持って結論を出せるはずだ。これこそがマネジャーの仕事である。
そうはいっても、いざ決定となると迷うものですが、その迷いを減らすヒントが「成功確度UP要因の候補」にあると読みました。著者によれば、3. が「最重要かつ効果の大きいステップ」です。状況を動的なものと捉え、決定の直前まで「成功確度UP要因の候補」を特定して実行しつづける。それが「きちんと検討した」と思える根拠になるのだと思います。
- タイトル: マネジャーの全仕事 いつの時代も変わらない「人の上に立つ人」の常識
- 著者: ローレン・B・ベルカー(著)、ジム・マコーミック(著)、ゲイリー・S・トプチック(著)、佐々木 寛子(翻訳)
- 出版社: ディスカヴァー・トゥエンティワン
- 出版日: 2023-11-25