投稿者: koji

  • 3つの生活類型

    まえがき

    『ここでアリストテレスは、私たちの生活には三つの類型があると説明しています。この類型が、様々に食い違う幸福の内実に対応します。』

    リスト

    あとがき

    まえがきを含めて、山本 芳久 「アリストテレス『ニコマコス倫理学』 2022年5月 」 (NHK出版、2022年)より。リストは本文をすこし編集して引用しました。

    引用元は、『ニコマコス倫理学』第一巻第五章。

    • 後悔を推進力に転換する3ステップ

      まえがき

      『後悔というネガティブな感情を無視したり(略)くよくよと考え続けたりするのではなく、感情は思考のためにあり、思考は行動のためにあることを思い出そう。』

      リスト

      あとがき

      まえがきを含めて、ダニエル・ピンク『THE POWER OF REGRET 振り返るからこそ、前に進める 「後悔」には力がある』 (かんき出版、2023年)より。リストは見出しからの引用です。

      3ステップをまとめると『まず自分が後悔をいだいているという事実を認め、続いてその経験に対する見方と自分に対する見方を改め、最後にそこから教訓を引き出して、将来の意思決定を改善することを目指せばいい』ということ。本書では各ステップごとに具体的な行動例が提案されています。

      心理的な問題に対しては問題の分析→原因の追究→解決策の立案というアプローチが通用しないことがあるので、代わりになるものを探していました。分析的な問題解決との比較でいえば、第2項目のセルフ・コンパッションが特徴的です。問題の原因をやみくもに掘り下げるのではなく、視点を変えて問題意識の弱化ないし解消を図る。そうすることで、第三者的に改善案を考えやすくなります。

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    • 後悔の4カテゴリー

      まえがき

      『私が思うに、人間の後悔は、深層レベルでは4つのカテゴリーに分類できる。』

      リスト

      あとがき

      まえがきを含めて、ダニエル・ピンク『THE POWER OF REGRET 振り返るからこそ、前に進める 「後悔」には力がある』 (かんき出版、2023年)より。

      リストの英語部分は参考文献[1]のTEDトークから引用しました。またコロンの後の解説は本文の意訳です。

      本文のこの部分を読んだ時にはこの4カテゴリーに網羅性をあまり感じませんでした。しかし終盤になって、著者は『四種類の後悔は、「よい人生」のネガのようなものだ』という視点を披露します。4種類の後悔はそれぞれ安定・成長・善・愛という根底的ニーズのネガフィルムであり、それらのニーズの存在を気づかせてくれると述べています。そう言われて、だいぶ納得しやすくなりました。

      確かな基盤。少しの勇気。基本的な道徳。充実した人間的つながり。後悔というネガティブな感情は、理想の人生を生きるためのポジティブな道筋を浮き彫りにしているのだ。

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      参考文献

      [1] Daniel H. Pink: 4 kinds of regret — and what they teach you about yourself | TED Talk

      Daniel H. Pink: 4 kinds of regret — and what they teach you about yourself | TED Talk
    • 後悔がもたらす3つの恩恵

      まえがき

      『正しく扱えば、後悔は私たちをよりよい人間にする力をもっている。』

      リスト

      あとがき

      ダニエル・ピンク『THE POWER OF REGRET 振り返るからこそ、前に進める 「後悔」には力がある』 (かんき出版、2023年)より。

      いずれの恩恵も、それが見出された研究が引用されていました。

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    • 過去・未来・現在のことを考える時間のバランス

      まえがき

      『将来のことを考えるのは大切だ。しかしそれと同時に、毎日の生活も楽しみたい。先のことだけを考えていると、かえって逆効果になるだろう。(略)私の時間に対する考え方をまとめると、次のようになる。』

      リスト

      あとがき

      まえがきを含めて、ダリウス・フォルー『まっすぐ考える 考えた瞬間、最良の答えだけに向かう頭づくり』 (サンマーク出版、2024年)より。『「先のこと」を考える秘訣』という項からの引用です。

      先回りして考えるのが大事、でも今この瞬間を生きることとのバランスを取らねば、と述べた著者は、リストのような配分を紹介します。

      著者はこのように考えているというだけの話ですが、このような配分を考えたことが無かったので面白いなと思って収集しました。

      • コミュニティ形成の経路

        まえがき

        『人々とどのように関わりたいかが明確になって初めて、彼らにどのようにアプローチするかを考えるべきである。』

        リスト

        あとがき

        まえがきを含めて、ジョン・レヴィ『影響力の科学 ビジネスで成功し人生を豊かにする最上のスキル』 (KADOKAWA、2024年)より。

        これはコミュニティ参加者がたどる経路ですが、コミュニティを形成する側の人たちは以下のように最終目的地から逆算すべしと著者は述べています。

        • メンバーシップ: 私たちは人々に何を感じ、考え、行動してほしいか
        • エンゲージメント: 何がこのようなメンバーシップにつながるのか
        • 発見: このような関わり方をする適切な人々を引きつけるものは何か
        • 出版業界における2つの戒律

          まえがき

          『それは出版業界という社会における学びの場で、最初に叩きこまれたふたつの戒律だった。』

          リスト

          あとがき

          まえがきを含めて、ウィル ファーガソン『ハピネスTM』 (アーティストハウスパブリッシャーズ、2002年)より。本文をリスト化しました。

          読書記念に収集。真に効果のある自己啓発書が存在したら……という、ホラー風味のあるコミカルな物語。

          第2項目は、著作物になっていないアイディアには著作権を主張できないという意味合いと理解しました。

          ちなみに、作中では決定版の自己啓発書の著者が「人生に活力を!愛を!学びを!」というモットーを掲げています。Amazonのユーザーレビューを眺めていて、これが原著では “Live, Love, Learn!” と頭字語化できる形式であることを知りました。この微妙な通俗感を訳してほしかったなあ。例えば「いして、きて、んと学ぼう!」……えー、惜しい感じですが、きっと工夫すればけっこうよいものがこさえられるのでは。

          • タイトルハピネスTM
          • 著者: ウィル ファーガソン(著)、村井 智之(翻訳)
          • 出版社: アーティストハウスパブリッシャーズ
          • 出版日: 2002-11-01
          • ゼロの働き

            まえがき

            『ゼロは、個数を表すものではなく、物がないことを表しています。そこで、ゼロはむしろ、記号もしくは演算子のようなものとして考えることができます。(略)数学者にとって、ゼロには3つの働きがあります。』

            リスト

            あとがき

            まえがきを含めて、ルイ・グロース 『図形と数が表す宇宙の秩序』 (現代書林、2020年)より。まえがきもリストも本文を少し編集のうえ引用しています。

            このリストが文中にわりとポツンと置かれていました。これらの働きから何かの解釈が導かれていたわけではない(ように読めた)のですが、ゼロの特異さを説明していたのだと思います。

            • タイトル図形と数が表す宇宙の秩序
            • 著者: グロース,ルイ(著)、バラ十字会日本本部AMORC翻訳委員会(翻訳)
            • 出版社: 現代書林
            • 出版日: 2020-12-03
            • 人間の営みにまつわる体系的な予測不可能性の源

              まえがき

              『私は、人間の営みには〈体系的な予測不可能性〉 (systematic unpredictability) の四つの源があると論証したい。』

              リスト

              あとがき

              まえがきを含めて、アラスデア・マッキンタイア『美徳なき時代【新装版】』 (みすず書房、2021年)より。リストの見出し部分は「訳注」からの引用、解説部分は第4項目を除いて独自に作成しました。長い論証を圧縮したので不十分ではありますが、見出しだけでは思い出せなさそうなので。

              「(経営判断において)正解はない」といった表現をよく使います。しかしその不確実さの源をじっくり考えたことがなかったと、本書のこの部分を読んで痛感しました。

              • タイトル美徳なき時代【新装版】
              • 著者: アラスデア・マッキンタイア(著)、篠﨑榮(翻訳)
              • 出版社: みすず書房
              • 出版日: 2021-11-04

              この本からの他のリスト

            • スラッジが正当化できる場面

              まえがき

              『スラッジが重要な目的を果たしているケースも多い。ときには不可久なこともある。』

              リスト

              あとがき

              まえがきを含めて、キャス・R・サンスティーン『スラッジ: 不合理をもたらすぬかるみ』 (早川書房、2023年)より。リストも本文からの引用です。

              ナッジ (Wikipedia) の派生概念であるスラッジ (sludge) が指すものについて、本書の表を一部省略のうえ引用します。

              摩擦 小摩擦 大
              良性(1) 行動を容易にする有用なナッジ(2) 熟慮を促進するナッジまたはスラッジ
              悪性(3) 行動を容易にする有害なナッジ(4) スラッジ
              表: ナッジとスラッジの違い

              スラッジという言葉が主に含意しているのは、(4) のカテゴリ。摩擦を増やすことで何かをしようとする人の妨げとなるもの(『例:膨大な書類作成、運転免許やビザ発行までの長い待ち時間』)です。

              一方で摩擦を増やす、つまり行動までのハードルを上げることは、人に熟慮や再考を促す効果があります。それが (2) のカテゴリで、本エントリで引用しているリストは (2) の事例集と言ってよいと思います。

              では (2) においてナッジとスラッジの違いは何か。著者は『軽率な行動を防ぐための仕掛けは、(有効な)ナッジともスラッジともとれる』と述べているので、あまり違いはないようです。

              いっそ (4) のみをスラッジと呼んだ方がすっきりするように思いますが、ナッジ(そっとつつく)という言葉は

                参考文献