投稿者: koji

  • 複雑なパラドックスを分析するSMALLモデル

    まえがき

    『(ポラリティ・パートナーシップスのバリー・ジョンソンは、ポラリティ(対立極)を分析するためのモデルを開発し、動詞の頭文字をとってSMALLモデルと名づけている。』

    リスト

    あとがき

    まえがきを含めて、ウェンディ・スミス、マリアンヌ・ルイス『両立思考 「二者択一」の思考を手放し、多様な価値を実現するパラドキシカルリーダーシップ』 (日本能率協会マネジメントセンター、2023年)より。

    ここでのポラリティは、人間関係における対立・分極といった意味合い。本書では「ポラリティ」と「パラドックス」を交換可能な形で用いるとして、SMALLモデルをパラドックス分析のステップとして援用しています。

    SMALLモデルについては Polarity Partnerships のWebサイトにわかりやすく書かれていました。

    この本からの他のリスト

  • 組織が直面する4つのパラドックス

    まえがき

    『個と集合、協力と競争、自己と他者の問題に取り組むグループやチームには、パラドックスがつきものである。(略)私たちの研究では、4種類のパラドックスを特定した。』

    リスト

    あとがき

    まえがきを含めて、ウェンディ・スミス、マリアンヌ・ルイス『両立思考 「二者択一」の思考を手放し、多様な価値を実現するパラドキシカルリーダーシップ』 (日本能率協会マネジメントセンター、2023年)より。図表の文言をリスト化しました。

    なかなか見ない視点のリストなので収集。Why/When/How/Who という切り口で網羅性を担保しているところがわかりやすいです。

    この本からの他のリスト

  • 困難に対処する3つの心(弁証法的行動療法)

    まえがき

    『弁証法的行動療法では、困難な状況への対処にあたり、自分がどんな「心」をはたらかせているかを探っていく。』

    リスト

    あとがき

    まえがきを含めて、エレーヌ・フォックス『SWITCHCRAFT(スイッチクラフト) 切り替える力: すばやく変化に気づき、最適に対応するための人生戦略』 (NHK出版、2023年)より。本文をリスト化しています。弁証法的行動療法のエクササイズについては参考文献[1]を参照せよとの添え書きがありました。

    リスト化した部分の次の文章を引用します。

    カギを握るのは「自分の価値観を大切にするのなら、いま、なにをする必要があるだろう?」という、〈賢い心〉による問いかけだ。「この状況における、自分の真実はなんだろう?」「自分はいま、どの“心”でものを考えているんだろう?」と問いかければ、ある程度、状況をコントロールできるようになる。次に「〈賢い心〉なら、自分はなにをするだろう?」と問いかける。〈賢い心〉であれば、効率よく物事を進めるために「切り替える力」を発揮させるだろう。

    「弁証法的行動療法」(DBT) とタグ付けしたリストを2つほど収集しています。それらのリストの参考文献の著者らは、当リストの参考文献[1]と同じ。しかしこれほど平易に書かれた箇所はなかったと思います。ワークブックということで工夫が凝らされているのでしょうか。

    感情的な心と理性的な心ともう一つ、と言われて、「賢い心」はなかなか浮かんでこないと思い収集。私的整理でいうと検事・弁護士・裁判官のフレームです。

      参考文献

      [1] McKay, Matthew, Jeffrey C. Wood, and Jeffrey Brantley. The dialectical behavior therapy skills workbook: Practical DBT exercises for learning mindfulness, interpersonal effectiveness, emotion regulation, and distress tolerance. New Harbinger Publications, 2019.

      • 公共性の3つの意味

        まえがき

        『政治学者の齋藤純一は、「公共性」には(略)という三つの意味があると述べています。』

        リスト

        あとがき

        まえがきを含めて、津田 正太郎『ネットはなぜいつも揉めているのか』 (筑摩書房、2024年)より。本文を編集してリスト化しました。参考文献[1]からの引用とのこと。

        「ネットは公共の場だ」というとき、そこに込めている意味が人あるいは状況によって違い得ます。その定義として鮮やかだったので思わず収集。

        著者は『齋藤はこの (1)、(2)、(3) がそれぞれ対立する関係にあると指摘していますが、ここで特に問題となるのは (2) と (3) のあいだの矛盾です。』と述べています。

          参考文献

          [1] 齋藤 純一『公共性』 (岩波書店、2000年)

          • タイトル公共性
          • 著者: 齋藤 純一(著)
          • 出版社: 岩波書店
          • 出版日: 2000-05-19
          • 税制を変える3つの推進力

            まえがき

            『何が税制を変えていくドライビングフォース(推進力)になるのでしょうか。京都大学で財政学講座教授を務めていた島恭彦氏 (1910-95) は、このドライビングフォースを次の三点にまとめています。』

            リスト

            あとがき

            まえがきを含めて、諸富 徹『税という社会の仕組み』 (筑摩書房、2024年)より。本文からリスト項目になりそうな言葉を抜き書きしました。一部言葉を足しています。

            税制がどうあるべきかという論点は多種多様にあるような気もしますが、このように3つに絞り込まれるとわかりやすいですね。リストの力を感じます。

            • アメリカ海軍兵学校で許されている5つの回答

              まえがき

              『アメリカ海軍兵学校でも「わかりません」という返事を使ってはいけない。入学一年目の士官候補生が質問への回答に使ってよいのは、(略)の五つだけだと指導される。』

              リスト

              あとがき

              まえがきを含めて、エイミー・E・ハーマン 『問題解決のための名画読解』 (早川書房、2023年)より。リストは本文を分解して作成しました。

              ハーマン氏は『FBI、NATO、ロンドン警視庁など世界各地の指導者向けに、美術作品によって観察力・分析力を高めるためのセミナー「知覚の技法」 (The Art of Perception) を行っている』とのこと。そんな仕事がどのように成立するのか、本書を読めば納得できます。

              著者は「ステップ1 レンズを磨く」という章で、絵画を見た印象を語るときにその理由を「わかりません」という言葉で逃げないよう訴えています。そして栄養・健康指導に携わるレベッカ・クレメンツの言葉を引用しています。

              「『わかりません』と言うときに何が起こるかご存じですか? 脳が知ろうとすることを止めるのです。脳の回路は気づき、適応し、行動し、繰り返すようにできています。何かに気づくよう指示されたのに、それに応じようとしないと、ひょっとするとすばらしい人生の転機となるかもしれない瞬間を逃してしまいます」

              そしてまえがき、リスト化した部分へとつながります。この部分は参考文献[1]からの引用でした。

              著者はこの5つを次のように評価しています。

              海軍の基本となる五つの返事は、肯定と否定、責任の受諾、指示の受容、答えを探し出す約束という、すべての基本をしっかり網羅している。

              • タイトル問題解決のための名画読解
              • 著者: エイミー・E・ハーマン(著)、Amy E. Herman(著)、野村 真依子(翻訳)
              • 出版社: 早川書房
              • 出版日: 2023-11-07

                参考文献

                [1] Carole Cadwalladr, “JR: ‘I realised I was giving people a voice’“, The Guardian, October 11, 2015.

              • 戦略立案スキルを形成する3要素

                まえがき

                『三つのスキルはどれが欠けてもならず、三つがそろって初めて課題の核心 (crux)、つまり最重要ポイントに全力集中できるようになる。』

                リスト

                あとがき

                まえがきを含めて、リチャード・P・ルメルト『戦略の要諦』 (日経BP 日本経済新聞出版、2023年)より。

                端的で隙のない定義。せっかくなのでまえがきの次の文章も引いておきます。

                最重要ポイントはてしいだけでなく成否を分ける勝負どころであって、かつ、集中的に取り組めば克服可能な難所を意味する。

                • タイトル戦略の要諦
                • 著者: リチャード・P・ルメルト(著)、村井章子(翻訳)
                • 出版社: 日経BP 日本経済新聞出版
                • 出版日: 2023-11-25
                • 真の盗賊のモラル

                  まえがき

                  『……の三カ条が金科玉条というもので、これから 外れた、どこにでもころがっているような泥棒を真の盗賊たちは「あさましい」と見るのである。』

                  リスト

                  あとがき

                  まえがきを含めて、池波 正太郎「浅草・御厩河岸」より。『鬼平犯科帳 (1)』 (文藝春秋、1974年)所収。

                  盗賊のモラルなのですが、どこか五戒(不偸盗戒、不殺生戒、不邪淫戒)につながるような。

                  • タイトル鬼平犯科帳 (1)
                  • 著者: 池波 正太郎(著)
                  • 出版社: 文藝春秋
                  • 出版日: 1974-12-25
                  • 徳がヒトの開花に不可欠である理由

                    まえがき

                    『諸徳はどのようなしかたでこれら三重の機能を果たすのかを理解するためには、私たちはまずもって、諸徳の行使が要求するような秩序づけられた社会関係と、諸徳に関する従来の説明においては必ずしも正当な評価を受けてこなかったいくつかの徳の重要性の双方をより十全なしかたで特徴づける必要がある。』

                    リスト

                    あとがき

                    まえがきを含めて、アラスデア・マッキンタイア『依存的な理性的動物: ヒトにはなぜ徳が必要か』 (法政大学出版局、2018年)より。リストは本文を編集して作成しました。

                    徳倫理の復権というか必要性を論じる本書。徳、ヒトの開花、実践的推論能力などの言葉の本書における意味合いの解説なしには理解が難しいリストですが、そういった定義をまとめていくとかなり長くなってしまうので、残念ながら割愛します。

                      参考文献

                    • 物語におけるキャラクターの3軸

                      まえがき

                      『登場人物のキャラクターを(略)考える際のコツは、ズバリ考えすぎないことです。(略)キャラクターを考える軸は、3つです。』

                      リスト

                      あとがき

                      まえがきを含めて、新井 一樹『プロ作家・脚本家たちが使っている シナリオ・センター式 物語のつくり方』 (日本実業出版社、2023年)より。リストは本文からの編集・引用です。

                      この3軸でキャラクターを表現した例がいくつか載っていました。それが秀逸で「なるほど!」と思えたので収集。一つだけ引用すると:

                      『ローマの休日』アン王女なら、「好奇心が旺盛すぎる性格だから、憧れ性は、新しいことに挑戦できること。なら共通性は、後先を考えずに行動しがち」なキャラクター。

                      わかりやすいですよね。まずは性格を「○○すぎる」という表現でわかりやすく特徴づける。そして憧れ性と共通性を考える。これらは心理学の言葉でいう同一化(Wikipedia) の力が観客・読者にどう働き得るかを考えてみるということでしょう。

                      本書全体に、「物語づくりの発想(大・中・小)」「物語設定の3要素(テーマ・モチーフ・素材)」「物語素材の3要素(天・地・人)」「物語構成の起・承・転結」など、大きな構造から小さなコツまで端的にまとめられていて、読みやすく納得しやすい内容でした。