投稿者: koji

  • 影響力の鍵となる7つの要素

    まえがき

    『私たちの思考プロセスにはいくつかの核となる要素があるが、相手の気持ちを変えられるのは、それらの要素と一致したときであるというのが、本書の主張である。』

    リスト

    あとがき

    まえがきを含めて、ターリ・シャーロット『事実はなぜ人の意見を変えられないのか-説得力と影響力の科学』 (白揚社、2019年)より。タイトルは訳者あとがきの表現を借りました。リストは本文からの要約・引用です。

    まえがきにある「核となる要素」は7つで、基本的には1要素につき1章ずつ割り当てられています。ただし他人は2章にわたって書かれているので、リストもそれを反映して8項目になりました。

    こういった教養書の場合、特に洋書では、7要素の簡潔な定義や章ごとの要約があり、それを手掛かりにリスト化しています。しかし本書にはそういった手がかりが少なく、リスト化に時間がかかりました。

    • 職場を腐らせる人を変えるのが難しい4つの理由

      まえがき

      『まず肝に銘じておかなければならないのは、職場を腐らせる人を変えるのは至難の業ということである。ほとんど不可能に近いといっても過言ではない。』

      リスト

      あとがき

      まえがきを含めて、片田 珠美『職場を腐らせる人たち』 (講談社、2024年)より。リストは本文中の箇条書きを一部刈り込んで引用しました。

      自己保身、喪失不安、感情的反応、自己正当化。誰にもある性質です。気を付けたい。

      • トピックセンテンスの要件

        まえがき

        『トピックセンテンスとは、パラグラフの最初に昔かれる、パラグラフのなかでもっとも重要な文のことです。そのパラグラフのトピックが何かを提示します。』

        リスト

        あとがき

        まえがきを含めて、高橋 良子、野田 直紀、E. H. Jego、日台 智明『理系のパラグラフライティング〜レポートから英語論文まで論理的な文章作成の必須技術』 (羊土社、2024年)より。リストは本文に散りばめられていた情報を集めて作成しました。項目の順序や項目の内容はわたしの理解に基づいてまとめていますので、著者のメッセージと整合しない部分があるかもしれません。

        パラグラフの冒頭にはトピックセンテンスとして要約を置くという理解しかなかったので、勉強になりました。いくつか例文を作っておこうと思います。

        • A事業の市場(トピック)は厳しさを増している(コントローリングアイディア)。 ← OK
        • A事業の市場について述べる。 ← コントローリングアイディアがない
        • 厳しさを増している。 ← トピックがない
        • A事業の市場は厳しさを増しており、それはB事業にも言える。 ← パラグラフの中にB事業への言及がないかぎり、不要な情報が含まれている
        • A事業の市場は成長度が1%である。 ← サポートの内容によるが、おそらく抽象性に欠けている
        • A事業の市場を検討した。 ← サポートの内容によるが、おそらく明確性に欠けている。1パラグラフぶんのサポートでこのセンテンスを支えるのは困難なほど抽象度が高い表現なので
        • 先に述べた理由で、市場の将来は厳しい。 ← 独立性に欠けている

        この本からの他のリスト

      • IMRAD – アカデミックライティングの形式

        まえがき

        『IMRAD形式は、アカデミックライティングの型の1つで、主に実証研究にもとづく自然科学や医学の論文、実験レポートにどのような内容が含まれ、それらの内容がどのような順番で並べられるべきかを定めている文章の型です。』

        リスト

        あとがき

        まえがきを含めて、高橋 良子、野田 直紀、E. H. Jego、日台 智明『理系のパラグラフライティング〜レポートから英語論文まで論理的な文章作成の必須技術』 (羊土社、2024年)より。リストは本文を編集して作成しました。

        学術論文の構成(IMRAD) という同一内容のエントリがすでにありますが、内容が充実している書籍があったので改めて収集しました。

        この本からの他のリスト

      • 4ポジション対話の4役割

        まえがき

        『それぞれポジションと役割を意識したうえで話をすると、改めて自分の普段の立ち位置を確認するとともに、別の立ち位置から見てみるという経験ができます。』

        リスト

        あとがき

        まえがきを含めて、ワークショップ探検部、松場 俊夫、広江 朋紀、児浦 良裕、佐野 和之、白土 詠胡『そのまま使える アイスブレイクのアイデア帳 会社でも学校でも確実に“場”が暖まる33選』 (翔泳社、2023年)より。リストは本文の図からの引用です(一部編集)。

        グループ内で役を決めて5分間ほど話し合い、次に役を替えて別テーマで話し合い、感じたことを共有するというアイスブレイクのアイディアでした。

        「六つの帽子」思考法 を思い起こさせます。こちらの方がシンプルで、その場で思い出しやすそう。

        和書で Opposer のようなこなれた英語が使われている場合、しばしば外国の原典からの無断引用だったりします。検索してみると David Kantor による1975年[1]および2012年[2]の書籍がヒットしました。Observer でなく Bystander という単語が使われていますが、概念的にはこれが原典のようです。

          参考文献

          [1] Kantor, David, and William Lehr. Inside the Family. Jossey-Bass, 1975.

          [2] Kantor, David. Reading the room: Group dynamics for coaches and leaders. John Wiley & Sons, 2012.

        • 脳の3フィルターモデル

          まえがき

          『脳についての研究が進むにつれ、脳を単なるフィルターや演算装置として捉えるのでは不十分であることが明らかとなってきています。』

          リスト

          あとがき

          まえがきを含めて、毛内 拡『「頭がいい」とはどういうことか ――脳科学から考える』 (筑摩書房、2024年)より。本文を編集してリストを作成しました。

          脳内モデルという概念は『デカルトの誤り』(1994)における “as-if body loop” を思い出させます。あの仮説が脳内モデルとして定説になったのでしょうか。

          第一のフィルターのみ感覚フィルターと命名されています。せっかくならわかりやすい名前をつけてほしかったところです。

            • 論理的思考問題で高められる5つの能力

              まえがき

              『いまの時代は日々、新たな問題が現れ、過去に学んだことや身につけた知識はすぐに役立たなくなります。そんな時代に必要なのは、直面したことのない複雑な問題に対して、直感や常識に流されず、状況を冷静に分析して、論理的に正しい判断を導ける「ちゃんと考える力」です。』

              リスト

              あとがき

              まえがきを含めて、野村 裕之『頭のいい人だけが解ける論理的思考問題』 (ダイヤモンド社、2024年)より。リストは本文からの部分的引用です。

              著者は出版元のサイトでいろいろと記事を書かれています[1]

                参考文献

                [1] 野村裕之 | 著者ページ | ダイヤモンド・オンライン

              • デジタル技術が人間を補完できるやり方

                まえがき

                『もっと根本的に、(略)テクノロジーの進路を修正する具体的政策を立案し、支援することが必要だ。(略)デジタル技術は以下のようなやり方で人間を補完できる。』

                リスト

                あとがき

                まえがきを含めて、ダロン・アセモグル、サイモン・ジョンソン『技術革新と不平等の1000年史 下』 (早川書房、2023年)より。リストは本文からの引用です。

                著者らは、まえがきに引いたように、テクノロジーの進路を修正する必要があると論じています。

                テクノロジーは、オートメーション、監視、データ収集、広告へ向かいすぎている。共有された繁栄を取り戻すにはテクノロジーを方向転換させる必要があり、そのために、一世紀以上前の進歩主義者たちにとって有効だった手法の応用版を活用したい。

                まずは語り方と規範から変えねば、という文脈でこのリストが登場します。個々の内容についてはもちろん本書で詳述されています。著者のビジョンが窺える部分を、少し長いですが引用します:

                テクノロジーの方向転換が、自動化の阻止やデータ収集の禁止を伴う必要はない。人間の能力を補完し補助するようなテクノロジーの開発を促せばいい。
                社会と政府は、この目的を達成するために協調しなければならない。過去に成功した主要な改革と同様に、市民社会からの圧力が鍵になる。政府の規制と助成も不可久で、エネルギー問題がその代表例だ。とはいえ、政府はイノヴェーションの中枢にはなり得ないし、官僚がアルゴリズムを設計したり新製品を考案したりするわけではない。必要なのは適切な制度的枠組みと誘因で、それらを政府の政策により整え、建設的な語り方によって奨励して、民間部門が過度なオートメーションと監視から手を引いて労働者によりやさしいテクノロジーへ向かうよう誘導することだ。

                (太字は引用者による)

                • タイトル技術革新と不平等の1000年史 下
                • 著者: ダロン・アセモグル(著)、サイモン・ジョンソン(著)、鬼澤 忍(翻訳)、塩原 通緒(翻訳)
                • 出版社: 早川書房
                • 出版日: 2023-12-20
                • 言語が記憶に影響を与える3つの方法

                  まえがき

                  『人間は、言語と記憶を同時に獲得していく。この2つは互いにからまり合い、支え合っている。(略)言語は少なくとも3つの方法で、その言語を話す人の記憶に影響を与える。』

                  リスト

                  あとがき

                  まえがきを含めて、ビオリカ・マリアン『言語の力 「思考・価値観・感情」なぜ新しい言語を持つと世界が変わるのか?』 (KADOKAWA、2023年)より。リストは本文からの抜き書き(一部編集)です。

                  主にマルチリンガル(複数言語を話す人)の記憶特性について論じていた部分ですが、長くなるのでモノリンガルとマルチリンガルの違いについての記述は割愛しました。

                  ちなみに、いとこを「母方か父方か」「男か女か」「年上か年下か」で分類すると、2x2x2=8通りになります。中国語ではそれぞれに違うラベル(呼び方)があるとのこと。

                  • 成人の社会的・感情的発達段階(キーガン)

                    まえがき

                    『社会的・感情的発達は「段階」という考え方を用いて測定され、それらの段階は階段のはしごのようなものです。すなわち、発達段階2を経ることをせずに発達段階3には到達できないのです。』

                    リスト

                    あとがき

                    まえがきを含めて、オットー・ラスキー『「人の器」を測るとはどういうことか 成人発達理論における実践的測定手法』 (日本能率協会マネジメントセンター、2024年)より。参考文献[1]からの引用とのこと。

                    キーガン (1982) の功績に従い、本書では発達段階を2から5の整数値とし(整数値間の移行段階も扱うものの)、発達段階0および1は幼児から青年期初期の人間に当てはまるため、それらは考慮していません。

                    リストは本文中の表から一部の側面を取り出して作成しました。表で網羅されていた側面は、他者の捉え方/自己認識/価値観/欲求/支配欲求/コミュニケーション/組織における地位・役割 と多岐にわたります。

                      参考文献

                      [1] Kegan, Robert. The evolving self: Problem and process in human development. Harvard University Press, 1982.