投稿者: koji

  • 問題解決カルテット

    まえがき

    『要するに~という4つは、ほぼすべての問題解決に共通して使える、また使う必要がある、いわば問題解決カルテットとでも呼べるものである。』

    リスト

    あとがき

    まえがきを含めて、中川 邦夫『問題解決の全体観 上巻 ハード思考編』 (コンテンツ・ファクトリー、2008年)より。リストは本文からキーワードを抜き書きして作成しました。

    ハード思考が前二者、ソフト思考が後二者。問題解決の書籍は、どちらかというと本書でいうハード思考寄りのものが多いと思います。あるスキルをこのように広い枠組みで捉えるのはいいアプローチですね。

      参考文献

    • マートンの規範(ノルム)

      まえがき

      『科学を評価する際に、すべての人が公正かつ合理的に行動することを義務づける法律はない。そこで、科学者の行動を同調させる価値観、つまり、共有のエートス(倫理観)が必要になる。社会学者のロバート・マートンはこの不文律を言葉にしようと試みた。』

      リスト

      あとがき

      まえがきを含めて、スチュアート・リッチー『Science Fictions あなたが知らない科学の真実』 (ダイヤモンド社、2024年)より。リストは本文からの引用です(一部編集)。

      科学的方法のルール(科学のエートス)」と同じですが、まえがきが素敵なので別に収集しました。まえがきはこう続きます。

      1942年に彼は科学の4つの価値観を示した。いわゆる「マートンの規範(ノルム)」だ。いずれも洒落た名前はついていないが、科学者の高い志が縮されている。

      1942年に彼が示したのは書籍の中においてであったようです。現在では1973年版[1] が流通している模様。検索すると「マートン・ノルム」という言葉でもひっかかります。

      第4項目は「組織的な」というより「秩序だった」、あるいは「科学的方法のルール」で訳されているように「系統的」という言葉がしっくりくるように思います。

      この本からの他のリスト

      参考文献

      [1] Merton, Robert K., “Sociology of Science: Theoretical and Empirical Investigations”, University of Chicago Press, 1973.

      • データに基づいた主張が備えるべき「知的な透明性」

        まえがき

        『オニールは、信憑性の証拠が必要であるとも指摘している。これは(略)情報を受け取る側の人たちに大量のデータを垂れ流すのではなく、「知的な透明性」を備えることなのだ。つまり、データに基づく主張が以下の通りでなくてはならないということだ。』

        リスト

        あとがき

        まえがきを含めて、デイヴィッド・シュピーゲルハルター『統計学の極意』 (草思社、2024年)より。リストは本文からの引用です。

        まえがきの補足となる部分を引用します。

        著名なカント主義哲学者で、言頼に関する権威であるオノラ・オニールは、こう主張した。人々は信頼されようと努めるべきではない。なぜならばそれは他人が認めるものだから。だが自らの功績が信頼できるということを示そうとは努めるべきだ、と。

        (太字部分は引用元では傍点)

        本書の注には、データの知的開放について知るために[1]が、信憑性に関する小野ら・オニールの見解について[2]が、レファレンスとして挙げられていました。

        • タイトル統計学の極意
        • 著者: デイヴィッド・シュピーゲルハルター(著)、宮本 寿代(翻訳)
        • 出版社: 草思社
        • 出版日: 2024-02-27

        この本からの他のリスト

        参考文献

        [1] Royal Society, Science as an open enterprise (2012)

        [2] Onora O’Neill: What we don’t understand about trust | TED Talk

      • PPDAC – 統計学を組み入れた問題解決サイクル

        まえがき

        『米国統計協会が何より推奨するのは「統計学を問題解決や意思決定を吟味するプロセスとして教える」ことだ。』

        リスト

        あとがき

        まえがきを含めて、デイヴィッド・シュピーゲルハルター『統計学の極意』 (草思社、2024年)より。リストは図表の用語を引用しつつ作成しました。まえがきは、PPDACサイクルを紹介している部分に付けられた注からの引用です。統計学の教育ガイドライン[1] も添えられていました。

        これ以外にまえがき候補として迷った文章を引用します。

        データサイエンスとデータリテラシが必要だということは、すなわちいっそう問題重視型のアプローチが求められているのだ。このアプローチでは、特定の続計学的ツールを適用することを、研究サイクル全体のなかの1つの構成要素にすぎないと見なしている。

        PPDACサイクルそのものについては参考文献[2]に詳しいとのこと。

        • タイトル統計学の極意
        • 著者: デイヴィッド・シュピーゲルハルター(著)、宮本 寿代(翻訳)
        • 出版社: 草思社
        • 出版日: 2024-02-27

        この本からの他のリスト

        参考文献

        [1] Guidelines for Assessment and Instruction in Statistics Education (GAISE) Reports (amstat.org)

        [2] MacKay, R. Jock, and R. Wayne Oldford. “Scientific method, statistical method and the speed of light.” Statistical Science (2000): 254-278.

      • 交渉を有利に運ぶ3つの質問

        まえがき

        『何かが足りないような気がするが、それが何かわからないときや、もっと情報がほしいが、具体的な懸念事項が浮かばないときは、次のような質問を頼りにしよう。』

        リスト

        あとがき

        まえがきを含めて、ダニエル・シモンズ、クリストファー・チャブリス『全員“カモ”: 「ズルい人」がはびこるこの世界で、まっとうな思考を身につける方法』 (東洋経済新報社、2024年)より。リストは本文からの引用に一部独自の解説を追加して作成しています。

        2はクリティカル・シンキングの講義で自問自答を勧めている問いでもあります。自分の考えを客観的に評価する優れた質問だと思います。交渉の現場で相手に言われて素直に考えられるかどうかは微妙ですが……

        • 人生を変える3つの質問

          まえがき

          『私はスタンに、次に挙げる3つのシンプルな質問をしました。(略)このとき初めて、スタンは自分にしかないスキルに気づき、人の潜在能力を引き出し、能力を高めて成功に導く力を自分が持っていることを理解したのです。』

          リスト

          あとがき

          まえがきを含めて、ジェイ・エイブラハム『新訳 ハイパワー・マーケティング あなたのビジネスを加速させる「力」の見つけ方』 (KADOKAWA、2017年)より。リストは本文からの引用、タイトルはリストがある項の見出しです。

          「人生を変える~」は大げさなので、「隠れたスキルを見つける~」など文脈に合わせたタイトルへの変更を検討しました。しかしこういった、ある種の威勢のよさが本書の持ち味でもあるので、そのまま引用しています。

          まえがきとリストが含まれる章では、著者(私)が知人(スタン)のキャリアチェンジを支援するエピソードがつづられています。著者はリストの3つの質問についてスタンに考えてもらったのち、もう一つ質問しています。

          「スタン、あなたが今自分が持っていると気づいた価値ある専門知識を、 喉から手が出るほどほしがっているのは誰でしょうか?」

          • 人を突き動かす4つの衝動

            まえがき

            『これらの衝動はそれぞれ独立的に働くことによって、人間の思考や選択をコントロールしている(略)。つまり、この4つの衝動こそが、人間という存在――複雑な動機を持ち、複雑な選択を行う、複雑な存在――をつくり上げているのである。』

            リスト

            あとがき

            まえがきを含めて、ポール・R.ローレンス、ニティン・ノーリア『ハーバード・ビジネススクールの〈人間行動学〉講義―人を突き動かす4つの衝動』 (ダイレクト出版、2013年)より。4つの衝動についての明確な定義がなかったため、本文のあちこちから引用してリスト化しています。

            意欲的な4大衝動説。ただ引用文献リストが付いていないのが残念です。

            ちなみに衝動と訳されている言葉は drive。原題は “Driven” です。4大衝動はそれぞれ次のような言葉でした。

            • The Drive to Acquire
            • The Drive to Bond
            • The Drive to Learn
            • The Drive to Defend

            この本からの他のリスト

          • 影響力の鍵となる7つの要素

            まえがき

            『私たちの思考プロセスにはいくつかの核となる要素があるが、相手の気持ちを変えられるのは、それらの要素と一致したときであるというのが、本書の主張である。』

            リスト

            あとがき

            まえがきを含めて、ターリ・シャーロット『事実はなぜ人の意見を変えられないのか-説得力と影響力の科学』 (白揚社、2019年)より。タイトルは訳者あとがきの表現を借りました。リストは本文からの要約・引用です。

            まえがきにある「核となる要素」は7つで、基本的には1要素につき1章ずつ割り当てられています。ただし他人は2章にわたって書かれているので、リストもそれを反映して8項目になりました。

            こういった教養書の場合、特に洋書では、7要素の簡潔な定義や章ごとの要約があり、それを手掛かりにリスト化しています。しかし本書にはそういった手がかりが少なく、リスト化に時間がかかりました。

            • 職場を腐らせる人を変えるのが難しい4つの理由

              まえがき

              『まず肝に銘じておかなければならないのは、職場を腐らせる人を変えるのは至難の業ということである。ほとんど不可能に近いといっても過言ではない。』

              リスト

              あとがき

              まえがきを含めて、片田 珠美『職場を腐らせる人たち』 (講談社、2024年)より。リストは本文中の箇条書きを一部刈り込んで引用しました。

              自己保身、喪失不安、感情的反応、自己正当化。誰にもある性質です。気を付けたい。

              • トピックセンテンスの要件

                まえがき

                『トピックセンテンスとは、パラグラフの最初に昔かれる、パラグラフのなかでもっとも重要な文のことです。そのパラグラフのトピックが何かを提示します。』

                リスト

                あとがき

                まえがきを含めて、高橋 良子、野田 直紀、E. H. Jego、日台 智明『理系のパラグラフライティング〜レポートから英語論文まで論理的な文章作成の必須技術』 (羊土社、2024年)より。リストは本文に散りばめられていた情報を集めて作成しました。項目の順序や項目の内容はわたしの理解に基づいてまとめていますので、著者のメッセージと整合しない部分があるかもしれません。

                パラグラフの冒頭にはトピックセンテンスとして要約を置くという理解しかなかったので、勉強になりました。いくつか例文を作っておこうと思います。

                • A事業の市場(トピック)は厳しさを増している(コントローリングアイディア)。 ← OK
                • A事業の市場について述べる。 ← コントローリングアイディアがない
                • 厳しさを増している。 ← トピックがない
                • A事業の市場は厳しさを増しており、それはB事業にも言える。 ← パラグラフの中にB事業への言及がないかぎり、不要な情報が含まれている
                • A事業の市場は成長度が1%である。 ← サポートの内容によるが、おそらく抽象性に欠けている
                • A事業の市場を検討した。 ← サポートの内容によるが、おそらく明確性に欠けている。1パラグラフぶんのサポートでこのセンテンスを支えるのは困難なほど抽象度が高い表現なので
                • 先に述べた理由で、市場の将来は厳しい。 ← 独立性に欠けている

                この本からの他のリスト