まえがき
『スポーツ感情-反応分析(SERP)は、アスリートの成績の妨げとなるような心理学的な“問題”を認識すべく Thomas Tutkoによって考案された。』
リスト
- 【欲求(Desire) ― 目標設定の能力】 低いスコアは動機の欠如を示唆する。高すぎる場合には非現実的な目標を追い求める傾向があるかもしれない。
- 【独断性(Assertiveness) ― 成功への決意】 低いスコアはおじけづきやすさを示唆する。高すぎる場合には、オーバートレーニングになったり本番で攻撃的になりすぎて失敗するかもしれない。
- 【感受性(Sensitivity) ― 成功から得る喜びの量】 低いスコアはレジリエンス(回復力)の高さを示唆する。高い場合、成功の欠如によって簡単に落胆してしまうかもしれない。
- 【緊張抑制(Tension Control) ― 不安に対処する能力】 低いスコアだと、本番でよいパフォーマンスができない。高すぎることによる問題はほとんど生じない。
- 【自信(Confidence) ― 自分の能力に対する信念】 低すぎても高すぎても、よいパフォーマンスにはつながらない。
- 【個人的責任(Personal Accountability) ― 失敗や誤りに対処する能力】 低いスコアは、失敗を他者のせいにする傾向を示唆する。高すぎると、自分を責めすぎるかもしれない。
- 【自己訓練(Self-discipline) ― しんぼう強くやり通す能力】 低いスコアはあきらめやすさを示唆する。高いスコアは、それが頑固にならない場合には望ましい。
あとがき
まえがきは『ランニングの基礎と実践―トレーニングとパフォーマンスの科学』より。リストについては、この本と”Sport Emotional Reaction Profile“(Answers.com)を参考に編集しました。欲求、独断性などの訳語は本に従いましたが、その他については訳語についても内容についても引用者の意訳が入っています(ので、学術的に妥当でない言葉づかいが含まれているかもしれません)。
1970年代の研究のようです。ネットで検索しても日本語の情報がヒットしなかったので、広く認められたフレームワークとは言いがたいです。ただアスリートのみならず、練習を積んで「本番」でパフォーマンスを披露するタイプの仕事をしている人にとって、自分の成績を左右する精神的な要素は何か?を考える枠組み(のヒント)を提供するのでは。
ちなみにこの本には、7つの心理学的特質を測定するための42の質問と回答フォームが載っています。
- タイトル: ランニングの基礎と実践―トレーニングとパフォーマンスの科学
- 著者: Newsholome,Eric(著)、Duester,Glenda(著)、Leech,Tony(著)、秀樹, 大野(翻訳)、充宣, 大平(翻訳)
- 出版社: 文光堂
- 出版日: 1996-03-01
(参考-SERPについては”Sports Psyching”からの引用であることが示唆されています)
- タイトル: Sports Psyching
- 著者: Tutko, Thomas(著)
- 出版社: Tarcher
- 出版日: 1980-04-01