まえがき
『学ぶときにおかしがちな誤りが四つある。』
リスト
或 は即 ち多きに失い(やたら手を広げると、まとまりがつかなくなる)、- 或は即ち
寡 きに失い(最初から狭く範囲を限定してかかると、バランスの取れた見方ができなくなる)、 - 或は即ち
易 きに失い(目先の効果に目を奪われてばかりいると、いつまでたってもほんとうの力が身につかない)、 - 或は即ち
止 るに失う(一つのことに興味が向かって、そこにたちどまってしまうと、それ以上の前進が期待できなくなる)
あとがき
まえがきを含めて、守屋 洋、守屋 淳『中国古典の名言録』(東洋経済新報社、2001年)から編集のうえ引用。リストは『礼記』学記篇からの引用です。本書ではリストの前に「人の学ぶや、」という句が付いて一つの文をなします。さらにその文の前に「学者有四失」(学ぶ者に四失有り)という句があるので、そこからタイトルを作りました。
解説がなければ解読が難しいリスト。良い内容ながら言及しているページは少ないですね。検索してみると「学の四失 – 多・寡・易・止」(講老箚記)というブログに出会いましたが、訳が大きく異なっていて驚きました。原文がかなり凝縮されているぶん、解釈の面白さもあるかもしれません。