投稿者: koji

  • イノベーションの芽をつぶす一言

    まえがき

    『あなたが発する言葉は、あなたの想像以上に影響力のあるものです。アイデアを出し合うフェーズでは、慎んでみませんか?その発言。』

    リスト

    あとがき

    まえがきを含めて、経済産業省およびリクルート『イノベーションの旅』より。「フロンティア人材(METI/経済産業省)」からPDFファイルをダウンロードできます。各項目には一文解説が付いています。ご興味を持たれた方はリンクをたどってみてください。

    言われそうだし、言ってしまいそうな一言。「イノベーションを起こせ!」以外は、リアルで聞いたことあるかも。まあ、アイデアを出し合うフェーズを過ぎていたかもしれないけれど。

    同じ文書からの引用である、「イノベーションを生む魔法の一言」とあわせてどうぞ。

  • アロウの不可能性定理

    まえがき

    『アロウは(略)個人が二つの条件を満たし、社会が四つの条件を満たす「完全民主主義」モデルには、論理的に矛盾が生じることを証明したわけです。』同時に成立しない四条件とは。

    リスト

    あとがき

    まえがきの『』部分を含めて『理性の限界――不可能性・不確定性・不完全性』より。リスト項目は本文からの抜粋・引用です。
    まえがきにある、個人が満たすべき2条件についても引用します。

    • 【選好の連結律】いかなる選択肢に対しても、個人はそれを比較し選好順序をつけることができる
    • 【選好の推移律】もし個人がXをYよりも好み(X>Y)、YをZよりも好む(Y>Z)ならば、XをZよりも好まなければならない(X>Z)

    で、アロウが証明したのは、この2条件とリストの4条件を満足させるような「完全民主主義」モデルが成立しないことだそうです(2人以上の個人が3つ以上の有限個の選択肢に選好順序を持つ場合)。

    ひとつひとつの条件を読んでいくと、民主主義の条件としては妥当だろうと思えます。これらが同時に成立しないことが「証明されている」というのは、なんだか直感に反する感じがします。しかしこの定理は『非常に難解とされていて、自力で証明できる経済学者も多くはない』とのこと。高い壁があるようです。

    Wikipedia(日本語版)にも、ボリューム的には本書より詳しい解説があります。しかし本書の言葉づかいのほうが平易なので、本からの引用を選びました。

    • 日本の企業人が40代を振り返って後悔していること50

      まえがき

      『定年退職した人のほとんどの後悔が、四〇代にあるというのも顕著でした。』

      リスト

      あとがき

      まえがきを含めて『40代を後悔しない50のリスト 1万人の失敗談からわかった人生の法則』より。リスト項目は出版社(ダイヤモンド社)の書籍紹介ページからの引用です。ただし、なぜか7番が欠落していたので、それは書籍の目次から引用しました。

      もちろん本書では、後悔をリストアップするだけではなく、それぞれについての処方箋がセットになっています。その一行要約も書籍紹介ページからチェックできます。

      著者は『私はその一万人以上の方から、「後悔しない生き方」の具体的な方法を学びました。』と述べています。具体的には営業の仕事を通じてお会いした方々に話を聞きまくったそうです。

      本文の序章から、ヒアリングの対象は「日本人」で、かつ「企業人」であることがうかがえます(その情報はタイトルに盛り込みました)。時代的に、また経営者・経営幹部が多かったことが強調されてもいるので、大部分は「男性」と考えてよいでしょう。

      世代的にはどんな人たちか。1962年生まれの著者が28歳のとき(1990年)からヒアリングを開始したとすると、その年に60歳(当時の大手企業の退職年齢)だった人は1930年生まれです。このあたりが最高齢の層。最も若い人は、本書が書かれた2010年(出版が2011年1月なので)に50歳の人ですから、1960年生まれ。ざっくり言って昭和ひと桁~昭和35年生まれ、あるいは「団塊の世代プラスマイナス15歳くらい」でしょうか。

      団塊の世代が突出して数が多いこと、その世代はもとより企業人が多いであろうことを踏まえ、上記を思い切って要約すると、このリストは「団塊世代の男性が40代を振り返って後悔していること50」という感じなのかな。

      ……にしても(上記の仮定が合っているとすると)20年で1万人から学んだってすごい。1万[人]を20[年]×200[年/日](←仕事を通じてということなので)で割ると、2.5[人/日]!しかもオーバー50歳限定ですからね。話半分(失礼)にしてもすごい。

      • アディクションの3段階

        まえがき

        『アディクションは進むにつれ、その人の生きざまとなってゆきます。時間とともに、アディクションの状態は変化を続け、それとともにアディクションに苦しむ人を変えてゆきます。』

        リスト

        あとがき

        まえがきを含めて『「やめられない心」依存症の正体』より。『ジキル博士とハイド氏』みたいに、「ノーマル人格」とは別のところで「アディクション人格」が育ち、支配的になり、やがては自分自身をも滅ぼす、というのが一般的な流れだそうです。

        この本からの他のリスト

      • アディクションを生む高揚感(high)の種類

        まえがき

        『アディクションが進むと、この“気分の変化”が導く高揚感に強く魅惑されるようになります。』

        リスト

        あとがき

        まえがきを含めて『「やめられない心」依存症の正体』より。カッコ内の英語は原書(“The Addictive Personality: Understanding the Addictive Process and Compulsive Behavior”)から補足しました。リストタイトルの「アディクション」とは本のタイトルの「依存症」のこと。その対象を「はじめに」から拾うと;アルコール、薬物、過食、ギャンブル、性的な行動、盗み(万引きやスリなど)、仕事(いわゆるワーカホリック)、浪費などなど、多岐にわたっています。

        訳書では『ある専門家は、アディクションを生む高揚感の種類として、「覚醒感」「飽満感」「夢想」の三つをあげています』(一部略)という記述でした。原語が知りたかったのですが、「ある専門家」では探しようがないなあと思いつつ念のため原書をチェックしてみたら、本文中に出典がありました。”Craving for Ecstasy: The Consciousness and Chemistry of Escape”という本で、この3つが挙げられているとのこと。

        前者2つが主要な高揚感。夢想は『それのみにアディクションを生じるケースは少ないですが、その反面、すべての種類のアディクションに内包されています』とのこと。

        こういう「ハイ」な状態に強く惹かれるようになったら、要注意。

        この本からの他のリスト



          • 2 = 1の証明

            まえがき

            『不当で真理をふくまないステップが1つ忍び込んだのだ。どこだろうか?』

            リスト

            あとがき

            まえがきを含めて『なぜ数学は人を幸せな気持ちにさせるのか』より。書式を一部編集のうえ引用しています。数年おきに見かける気がするのですが、そのたびに「あれ、どこがおかしいんだっけ」と新鮮な気持ちで探してしまいます。

            ちなみに『不当で真理をふくまないステップ』は、4から5へのステップ。1で x = y と定義されているので、(x-y) つまりゼロで除すことはできません。それでも見かけ上は破綻せず、どんどん計算を進めていってしまえるのが不思議といえば不思議。

            このようなストーリー性があって面白くて短いリストも集めていきたいなあ。

            • ホーディング(強迫性貯蔵症)の心理

              まえがき

              『ホーディングをあらゆる不安障害や気分障害から区別するのは、モノを溜めこむことによる喜びと痛みが入り混じった感情である。』

              リスト

              あとがき

              まえがきを含めて『ホーダー 捨てられない・片づけられない病』より。本文の文章を編集してリスト化しました。まえがきとリスト第2項目のカッコの部分はp22から、それ以外の文は24pからの引用です。タイトルの強迫性貯蔵症という言葉は「訳者あとがき」から採りました。ホーディングは強迫性障害(OCD)の1つとして認められており、3億人の米国人のうち600万人以上がホーディングと診断されているとのこと。

              この3つの心理がホーダーにモノを捨てさせない理由のすべてではありません。引用部分にも、この3つの次に「など」と書かれています。しかし本文を通して読むと、ホーダーがモノを手にした時に感じる心理の要約としてよさそうでしたので、ここに収集しておこうと思います。

              ホーディングとまではいかなくても、愛着や収集というのは普遍的な心理です。上の3ヵ条を、リストを溜め込んでいくリストフリークの心理に翻訳してみると、こんな感じでしょうか:

              • リスト化しておかないと、せっかくの(読書などの)体験が無駄になるのではないかという不安
              • つまらないリストでも、収集しておけばいつか役に立つのではないかという期待
              • リストがあることによって感じるくつろぎと安全

              あるある。第3項目は微妙ですが(笑)。本書も、箇条書きになったリストはなかったにもかかわらず、リスト化できそうな部分を本文から無理矢理見つけてきてしまいました。

              • タイトルホーダー 捨てられない・片づけられない病
              • 著者: ランディ・O・フロスト(著)、ゲイル・スティケティー(著)、ナショナル ジオグラフィック(編集)、春日井晶子(翻訳)
              • 出版社: 日経ナショナルジオグラフィック社
              • 出版日: 2012-01-26
              • 緊急医療のABCDE

                まえがき

                緊急医療にあたる医師が現場で唱えるリスト。

                リスト

                あとがき

                『医者は現場でどう考えるか』より。緊急時に使われるリストは、やはり覚えやすくないといけませんね。ネットを検索してみると、ABCは分野に関わらずほぼ同じで、いわば王道のようです。DEは分野によって異なるようです。

                • タイトル医者は現場でどう考えるか
                • 著者: ジェローム グループマン(著)、Groopman,Jerome(原著)、惠子, 美沢(翻訳)
                • 出版社: 石風社
                • 出版日: 2011-10-01
                • EQ4つの感情能力

                  まえがき

                  EQの高い人が行動を選ぶ直前に発揮している能力とは。

                  リスト

                  あとがき

                  これは、「EQ(感情知能)の4ブランチ」の平易なバージョンです。オリジナルはどうしても覚えづらいので、丸覚えできる言葉づかいと長さになるように切り詰めました。

                  というわけで直接の引用元はありませんが、この概念については『EQマネージャー』などで詳しく紹介されています。

                  ここでいう「気持ち」は、情動(emotions)を含む、広い意味での感情の動きや状態についての主観と思っていただければ。

                  • タイトルEQマネージャー
                  • 著者: デイビッド・R・カルーソ(著)、デイビッド・R・カルーソ(著)、ピーター・サロベイ(著)、ピーター・サロベイ(著)、渡辺 徹(著)
                  • 出版社: 東洋経済新報社
                  • 出版日: 2004-12-17

                  この本からの他のリスト

                • 支援を評価する5つの基準

                  まえがき

                  他者を支援したいと思うとき、そして支援の最中に、問いかけたい5つの問い。

                  リスト

                  あとがき

                  事業評価ガイドライン』(JICA)の中にあった「DAC5 項目による評価の視点」を下敷きに作成しました。「DAC5 項目による評価の視点」とは『1991年に経済協力開発機構開発援助委員会(OECD-DAC)で提唱された開発援助の評価基準』だそうで、オリジナルをOECDのサイトで読む(PDF)ことができます。

                  よいリストに思えたので、支援するために他者に関わる際の一般的なチェックリストとして使えるように改変を試みました。教師・インストラクター・講師、コンサルタント、コーチ、ファシリテーターなどなど、およそ支援を目的として一定期間他者に関わる人には便利に使えるリストではないでしょうか。計画段階はもちろん、実施段階でもつねに問い続けたいですね。

                  ちなみにオリジナルの5基準は妥当性(relevance)、有効性(effectiveness)、効率性(efficiency)、インパクト(impact)、持続性(sustainability)です。