投稿者: koji

  • SLANT(KIPPアカデミーで求められる教室内でのふるまい)

    まえがき

    KIPP(Knowledge Is Power Program)というアメリカのチャータースクールが生徒に求めている、教室内でのふるまいとは。

    リスト

    あとがき

    SLANT in KIPP Schools“(YouTube)の、開始後45秒あたりからの引用です。

    授業に参加するときに生徒に取ってほしい行動が、姿勢・耳・口・頭・目のレベルで端的かつ具体的にリストアップされていて、なかなかよくできているなあと感じたので収集しました。ただ、slantとは斜めという意味ですよね。リストの目的と合っていないような気もしますが、他に意味があるのかな。

    このリスト(に近いもの)を知ったのは『天才! 成功する人々の法則』という本です。ごく大まかに言えば「学習時間を長くすれば成績が良くなる」という著者の主張を裏付ける事例として、KIPPという『実験的な公立学校』が紹介されていました。

    この本では、Sが一つ多い”SSLANT”が紹介されています。参考までにこちらも引用しておきます(訳書では”Nod when spoken to”となっていますが、原書”Outliers”に従ってbeingを追加しています)。

    Smile(笑顔を忘れない)
    Sit up(きちんとした姿勢を保つ)
    Listen(耳を傾ける)
    Ask questions(質問する)
    Nod when being spoken to(話しかけられたら会釈する)
    Track with your eyes(相手を目で追う)

    Sit up = きちんとした姿勢を保つ は意味を酌んだ訳に思えたのでそのまま使わせていただいています。一方Nod=会釈では、クラスルームの振る舞いとしては妙なので、これは普通に「うなずく」としました。

    (参考)

    • タイトル天才! 成功する人々の法則
    • 著者: マルコム・グラッドウェル(著)、勝間 和代(翻訳)
    • 出版社: 講談社
    • 出版日: 2009-05-13
    • 年をとっても知的能力が保持される要因

      まえがき

      『「年をとっても知的能力を保持する効果がある要因は何か」という問題は、おそらく他の多くの問題よりも、われわれの興味をひく問題だろう。(略)シャイエは、知的能力を保持するために次の要因が役に立つとしている。』

      リスト

      あとがき

      まえがきを含めて『知能 (〈1冊でわかる〉シリーズ)』より。本書の著者はイアン・ディアリという人ですが、この部分はまえがきにあるとおりシャイエ(K. W. Schaie)という人の研究の引用です。参考文献をチェックしたところ、次の文献にこの7項目が解説付きで載っていました。過去の研究の積み重ねから導かれたリストであることが分かります。
      The course of adult intellectual development.” Schaie, K. Warner, American Psychologist, Vol 49(4), Apr 1994, 304-313.

      4や7、とりわけ7にはドキッとさせられるものがありますね。7は、上記の文献によれば “Rating one’s self as being satisfied with one’s life’s accomplishment in midlife or early old age.” です。『中年期・初老期に人生で成し遂げたことについて、満足していると自己評価していること』という感じかな。その自己満足感が、後々の知的能力に影響を及ぼすとは。

      • タイトル知能 (〈1冊でわかる〉シリーズ)
      • 著者: イアン ディアリ(著)、松原 達哉(解説)、Ian J. Deary(原著)、繁桝 算男(翻訳)
      • 出版社: 岩波書店
      • 出版日: 2004-12-10
      • 「困った人」の5類型と対応のポイント

        まえがき

        『本書では社内の困った人々について、私がさまざまなサラリーマンと接してきた中でのエピソードを織り交ぜながら、その実態と対策を解説していきます。』

        リスト

        あとがき

        まえがきを含めて『「困った人」の説得術』より。リスト項目は目次を編集して作成しました。「いったん逃がせ」などは、本書を読んだ人が内容を思い出すキーワードという感じで、このリストだけでは少々分かりづらいかもしれません。

        まえがきの「社内」「サラリーマン」という言葉が示すように、一般的な「困った人」というよりは、日本企業の中での困った人(著者は社内クレーマーと呼んでいます)が研究(?)対象です。本書では、タイプ別の対策に加えて、自分が「困った人」にならないために考えるべきこと・行動すべきことが書かれていました。

        リストとはまったく関係ない感想ですが、「評論家」と「職人」が思考停止/現実逃避/近視眼という否定的な言葉と並んで使われているのをみて、ふと同情してしまいました。どちらも職業を表す名詞ですが、すっかり特定の行動様式の代名詞になってしまっています。

        • タイトル「困った人」の説得術
        • 著者: 出口 知史(著)、伊東 明(著)
        • 出版社: 日本経済新聞出版
        • 出版日: 2011-08-09
        • プロフェッショナリズムの4要素

          まえがき

          『どの専門職にもプロフェッショナリズムというものがある。その職務の理念と義務をまとめた、行動の規範だ。』

          リスト

          あとがき

          まえがきを含めて『アナタはなぜチェックリストを使わないのか?【ミスを最大限に減らしベストの決断力を持つ!】 』より。文章を編集のうえリスト化しています。

          本文では、最初の三項目を挙げたうえで『航空業界の人々は、そこに四つ目を加えた。規律だ。』という形で四項目めを導入しています。第4項目の「手順」がすなわちこの書籍のテーマである「チェックリスト」です。

          • アメリカにおける起業の現実(抜粋版)

            まえがき

            『著者としては、読者に本書を最後まで読み通してほしいので、最初に起業に関するいくつかの驚くべき事実を前もってお知らせしておくことにしたい。』

            リスト

            あとがき

            まえがきを含めて『〈起業〉という幻想 ─ アメリカン・ドリームの現実』より。本書では67もの「神話」の「現実」が、調査によって確かめられています。著者(スコット・A・シェーン)はその中から10をティーザーとして選び、イントロダクションで紹介しています。それがこのリスト。

            • 経済学を学ぶ理由(マンキュー)

              まえがき

              『米ハーバード大学のグレゴリー・マンキュー教授は経済学を学ぶ理由を3つ挙げています。』

              リスト

              あとがき

              まえがきを含めて、日本経済新聞『経済学、学び始めるなら? ― まず身近な問題扱った本から(ニッキィの大疑問)』(2011/12/26 夕刊)より。
              リンクしようと思って日経新聞のサイト内で検索をすると、記事の見出しは出てきます。しかし記事へのURLは割り当てられておらず、リンクは有料記事であることを知らせるページに飛ぶようになっています。見出しだけ個別の記事にリンクできるようになっていてれば、購買意欲の喚起につながるのになあ、と思ったり。

              リスト項目は、経済解説部の宮田佳幸編集委員がマンキューの言葉として引用しています。同記事の後半では『マンキュー入門経済学』への言及があるので、この本が引用元かな。
              2、3番めはともかく、1番めはずいぶん大ざっぱな表現ですね。物理学にも哲学にも当てはまってしまいそう。

              • タイトルマンキュー入門経済学
              • 著者: N.グレゴリー マンキュー(著)、Mankiw,N.Gregory(原著)、英之, 足立(翻訳)、隆, 柳川(翻訳)、城太, 石川(翻訳)、英治, 小川(翻訳)、敏樹, 地主(翻訳)、宏之, 中馬(翻訳)
              • 出版社: 東洋経済新報社
              • 出版日: 2008-03-01
              • 職場における相互信頼の5要素

                まえがき

                『好業績チームの特徴は、メンバー間の高い相互信頼にある。(略)最近の研究により、信頼という概念の根底にある次の五つの側面が特定化された。』

                リスト

                あとがき

                まえがきは『組織行動のマネジメント―入門から実践へ』より。リスト項目は、この本を参考にしつつも、引用元として挙げられていた”The structure of interpersonal trust in the workplace”(Schindler et al., Psychological Reports, 1993)から訳し直してみました。

                原文がとてもコンパクトですばらしいので、こちらも引用します。

                (a) integrity defined as honesty and truthfulness
                (b) competence defined as the technical and interpersonal knowledge and skills required to do one’s job
                (c) consistency defined as reliability, predictabdity, and good judgement in handling situations
                (d) loyalty defined as benevolent motives, the willingness to protect and save face for a person
                (e) openness defined as mental accessibility and the willingness to share ideas and information freely

                • タイトル組織行動のマネジメント―入門から実践へ
                • 著者: ステファン・P. ロビンス(著)、Stephen P. Robbins(著)、髙木 晴夫(翻訳)、永井 裕久(翻訳)、福沢 英弘(翻訳)、横田 絵理(翻訳)、渡辺 直登(翻訳)
                • 出版社: ダイヤモンド社
                • 出版日: 1997-11-01

                この本からの他のリスト

              • 認知的徒弟制(学習理論)における熟達への6ステップ

                まえがき

                『認知的徒弟制の理論においては、学習者はすなわちある領域における初心者であり、熟達者(親や教師、あるいは大人)から学び、自らもその領域において熟達してゆく存在だととらえられる。』

                リスト

                あとがき

                まえがきを含めて『心理学フロンティア』より。リスト項目は、形を整えた他はほぼママ引用です。この部分の参考文献として”The Cambridge Handbook of the Learning Sciences “が挙げられていました。

                認知的徒弟制(Cognitive apprenticeship、Wikipediaでの解説)とはうまい表現ですね。Wikipediaを読むと、6ステップといっても最初の3つ(これが認知的徒弟制の核)、次の2つ、そして最後の1つの3つのかたまりに分かれている感じです。


                  • クリーン・ランゲージの12の質問

                    まえがき

                    『クリーン・ランゲージはメタファーの深い意味を見極めます。質問には、できるかぎり前提やメタファーを入れないようにします。そうすれば、話し手のメタファーが成長し発展する空間ができます。』

                    リスト

                    あとがき

                    まえがきを含めて『クリーン・ランゲージ入門―〈12の質問〉にもとづく新コーチング技法』より。まえがきはp59から、リストはp104からの引用です。
                    『XおよびYは、話し手の言葉、もしくは、非言語的シグナルを表しています。(p77)』
                    また12の質問は最初の6つが「内容を明らかにする質問」、次の3つが「発生の順序と起点を明らかにする質問」、最後の3つが「意図を明らかにする質問」とカテゴリ分けされています。

                    相手の思考に介入せず、しかし促すための、分かりやすくて強力なアプローチだと思いました。
                    これらの問いだけでは、これらがなぜクリーンなのか、どう使えばよいのか、意味がつかみづらいものもありますが、本書ではていねいに解説されています。

                    • 「認知の3要素」でまとめたSWOT分析の3ステップ

                      まえがき

                      『戦略立案のステップを、人の「もののとらえ方」に重ねて定義できたという発見は、戦略立案において合意形成にいたる一定の道筋を見せてくれたように、わたしには思えました。』

                      リスト

                      あとがき

                      まえがきを含めて「世界と自己と未来」(起-動線)より。引用というか、向こうのコラムに載せるためにこちらに登録したという感じです。

                      「認知の3要素」については、次を参照してください。
                      抑うつ気分が高い人に特徴的な否定的認知の3要素 – *ListFreak