投稿者: koji

  • 情報倫理の4原則(セヴァーソン)

    まえがき

    『情報倫理で取り扱う領域(略)に関してリチャード・セヴァーソン (Richard Severson) は1997年に次の4つの原則を提示しています。』

    リスト

    あとがき

    まえがきを含めて、髙橋 慈子、原田 隆史、佐藤 翔、岡部 晋典『【改訂3版】情報倫理 ネット時代のソーシャル・リテラシー』 (技術評論社、2023年)より。リストは本文のリストからの引用です。ただし最初の2項目に元の英語が充てられていなかったので、原著[1]から引用しました。

    原著ではこの原則 (The Principles of Information Ethics) を倫理的な判断に適用するステップも示されていました。

    The Four-Step Method of Principled Ethics

    1. Get the facts straight.
    2. Identify the moral dilemma (inspect the facts in light of your moral feelings).
    3. Evaluate the moral dilemma using the principles of information ethics to decide which side has the most ethical support.
    4. Test your solution: will it stand up to public scrutiny?

      参考文献

      [1] Severson, Richard J. The principles of information ethics. ME Sharpe, 1997.

    • 進化における主要な移行

      まえがき

      『自己複製分子と、樹木や魚やプードルのような自己複製生物との隔たり(略)に橋をかけてきた一連の基本的な再編プロセスを、進化生物学者のジョン・メイナード・スミスとエオルシュ・サトマーリは、進化における主要な移行と呼んだ。』

      リスト

      あとがき

      まえがきを含めて、モーテン・H・クリスチャンセン、ニック・チェイター『言語はこうして生まれる: 「即興する脳」とジェスチャーゲーム』 (新潮社、2022年)より。まえがきは一部編集して引用しています。リストは本文をリスト化しました。一部語尾を整えた部分があります。

      これは参考文献[1]の『生命進化8つの謎』 からの引用とのこと。興味を惹かれましたが、8つの謎とは何だったのかよくわからないというレビューもあったので、この本からの引用のほうがわかりやすいかもしれません。

        参考文献

        [1] ジョン・メイナード・スミス、エオルシュ・サトマーリ『生命進化8つの謎』 (朝日新聞社、2001年)

        • タイトル生命進化8つの謎
        • 著者: スミス,ジョン・メイナード(著)、サトマーリ,エオルシュ(著)、Smith,John Maynard(原名)、Szathm´ary,E¨ors(原名)、敬, 長野(翻訳)
        • 出版社: 朝日新聞社
        • 出版日: 2001-11-01
        • 克伐怨欲 – 四種類の悪い「情」

          まえがき

          [『近思録』「克治」には四種類の悪い「情」をあげて、「情」をおさえることの難しさを示している。]

          リスト

          あとがき

          まえがきを含めて、張 競『「情」の文化史 中国人のメンタリティー』 (KADOKAWA/角川学芸出版、2008年)より。リストは本文を分解して引用しました。

          『聖人をのぞいて、人間なら誰でもこの四つの「情」をもっている。それだけでなく、この四つの「情」をおさえて外に出さないようにするのも難しいという。』と書かれていました。

          調べてみると、克伐怨欲(こくばつえんよく)は論語の『克伐怨欲不行焉、可以為仁矣(克、伐、怨、欲、行はれざる、以て仁と為すべきか)』(憲問)からの引用でした。弟子にそう問われた孔子は、『可以為難矣。仁則吾不知也。(以て難しと為すべし。仁は則ち吾知らざるなり)』と答えています。

          • SFBT(解決志向ブリーフセラピー)の基本的な信念

            まえがき

            『SFBT は(略)クライアントの強みおよび成功体験に注目するという、能力に基づいたモデルである。クライアントの関心や状況、クライアントが変えたいと思っているものについて理解することによりうまくいっているものに焦点をあてる。』

            リスト

            あとがき

            まえがきを含めて、シンシア・フランクリン/テリー・S・トラッパー/ウォレス・J・ジンジャーリッチ/エリック・E・マクコラム『解決志向ブリーフセラピーハンドブック―エビデンスに基づく研究と実践』 (金剛出版、2013年)より。

            一般的な仕事における問題解決にも役立つ、というか見落しがちな点があるなと感じたので採集したくなりました。

            一点目は「小さな変化が大きな変化に繋がると考える」こと。一般的な問題解決では、改善感度の高い問題点を特定し、本質的な原因を突き止め、もっとも効果的な打ち手を絞り込んで……と考えます。効率がよい考えなのですが、こういった考えだけにこだわってしまうと、「うまくいきそうなことを試しにやってみる」ことをしなくなってしまいそうに思います。

            二点目は「解決策は、必ずしも問題と直接関係するわけではない」こと。これは一点目の言い換えのようなもので、ある変化が間接的に問題の解決につながることもあります。大型案件の受注が、よくなかった社内の雰囲気を一変させた、みたいなことです。理想的には、社内の雰囲気が悪い原因を探る過程で業績との連関が発見できるはずですが、直接的な因果関係が薄いと見過ごしてしまいがち。

            この本からの他のリスト

          • SIMPLE – 管理職のための解決志向アプローチ

            まえがき

            『ジャクソンとマッカーゴは、そのうち、管理職を対象にした6つの「解決のための道具」(「SIMPLE」な原則)を提案している。』

            リスト

            あとがき

            まえがきを含めて、マーク・マッカーゴ「マネジメントにおける解決志向アプローチ」より。シンシア・フランクリン/テリー・S・トラッパー/ウォレス・J・ジンジャーリッチ/エリック・E・マクコラム『解決志向ブリーフセラピーハンドブック―エビデンスに基づく研究と実践』 (金剛出版、2013年)所収。参考文献[1]からの引用です。リストはカッコ内の原著引用からの意訳です。英語部分はママ引用ですが、明らかな誤字のみ修正しています。訳書では次のようになっていました。

            • 解決であり問題ではない (Solution – not problems)
            • 対人間の問題として――個人内の問題としてではなく (In between – not individual)
            • そこにあるものを利用して――そこにないものではなく(Make use of what’s there – not what isn’t)
            • 可能性を重視して――過去、現在、未来の (Possibilities – from the past, present, and feture)
            • 言葉遣い――わかりやすく (Language – simply said)
            • 一つとして同じ事例はない――フィットする理論を (Every case is different – beware ill-fitting theory)

            そのほか2つほどビジネスに解決志向アプローチを生かすためのリストが紹介されていました。ついでに下に紹介しておきます。

            ハジャーも同様に、PLUS モデルを提案している[2]

            • 始まり ―― なにが問題で (Platform – what is the issue)
            • 望ましい未来から検討してみて ―― なにが望まれているのか (Look from the preferred future – what is wanted)
            • 成功やリソースを活用して ―― すでにうまくいっているものを利用して (Utilize successes and resources – use what is already working)
            • スケールをつける ―― 次に進むステップ (Stepping the scales – next steps forward)

            カウフマンとディエロフもまた、

            1. 社会的に
            2. 文脈を作って
            3. ゴールを設定して
            4. リソースを明らかにして
            5. 賞賛をあたえて
            6. スケーリングを使って差異をつくりだして
            7. 未来に目を向ける

            という解決のための7段階を提案している[3]

            この本からの他のリスト

            参考文献

            [1] Jackson, Paul Z.、McKergow, Mark『The Solutions Focus: The Simple Way to Positive Change』 (Nicholas Brealey Pub、2002年)

              [2] 未出版の博士論文からの引用でした。入手が困難そうなのでここでは省略します

              [3] Cauffman, Louis『The Solution Tango: Seven Simple Steps to Solutions in Management』 (Marshall Cavendish Books Ltd、2007年)

              • プロジェクト管理の原則(フランク・ゲーリー)

                まえがき

                『これほど多くの人が実現できずにいることを、ゲーリーはいかにして実現しているのだろうか──。(略)筆者らはそれらを煎じ詰めて、読者のプロジェクト管理に役立つであろう4つの教訓を引き出した。』

                リスト

                あとがき

                まえがきを含めて、ベント・フリウビヤ、ダン・ガードナー 「建築家フランク・ゲーリーのプロジェクトマネジメント」(所収:『DIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー 2023年 7月号』、ダイヤモンド社)より。リストは本文の見出しの引用です。後半の開設部分は本文からの意訳あるいは部分的な引用です。

                フランク・ゲーリーはビルバオ・グッゲンハイム美術館などを手掛けた建築家。こんなふうに仕事を進めたい、と思える内容でした。

                • 一人語りの特性

                  まえがき

                  『一人語りであっても、話し手は聴き手が必要な協力をしてくれないと、まともに話ができない。』

                  リスト

                  あとがき

                  まえがきを含めて、ニック・エンフィールド『会話の科学 あなたはなぜ「え?」と言ってしまうのか』 (文藝春秋、2023年)より。リストは本文を編集のうえ引用しました。

                  興味深いリストはいくつかありましたが、「会話の科学」らしいものを選びました。

                  一人語り、つまり片方が一方的に話し続けるような会話であっても、話し手と聴き手がお互いに影響を与え合うという点では通常の会話とまったく同じだとのこと。

                  2、3の特性は、一人語りが聴き手に高い負担をかけることを示唆しています。もちろん聴き手は話がいつ終わるのかを知りませんが、話し手も自分の語りがいつ終わるのかがわからないこともあると思います。話しながら連想が膨らんだりすることがあるので。

                  それでも話を聴き通し、終わったと認識したら理解の信号を発しなくてはならない。この部分、本書では『できれば、聴き手は話し手の抱いた感情が正当であると認め、それを話し手に何らかのかたちで伝えられるのが望ましい。』とも書かれています。たしかにその信号が欠けると、話し手は不安になって同じ話を繰り返したりあれこれと補足をしなければと思うかもしれません。

                  • 「意義化」する経済7つの変化

                    まえがき

                    『「パーパス」(略)の理解の鍵となる考え方を我々は「意義化」と名付けた。』

                    リスト

                    あとがき

                    まえがきを含めて、岩嵜博論、佐々木康裕『パーパス 「意義化」する経済とその先』 (NewsPicksパブリッシング、2021年)より。リストの後半の開設は本文からの要約(意訳)です。

                    最初の3つが「企業活動の目的の変化」、次の2つが「消費者・従業員の変化」、最後の2つが「パーパスをめぐるコンテクストの変化」と分類されています。

                    • 問題の自己解決を促す7つの質問

                      まえがき

                      『アドバイスをせず、相手が自分で解決できるように、7つの質問をしてみよう。』

                      リスト

                      あとがき

                      まえがきを含めて、まえがきを含めて、ウォーレン・バーガー『質問力を鍛える本』 (ニュートンプレス、2022年)より。リストは本文からの引用です。

                      • タイトル質問力を鍛える本
                      • 著者: ウォーレン バーガー(著)、八木 龍平(監修)、田村 豪(翻訳)
                      • 出版社: ニュートンプレス
                      • 出版日: 2022-03-31

                      この本からの他のリスト

                    • 最初期の人類の知能(ミズン)

                      まえがき

                      『ネアンデルタール人や初期のホモ・サピエンスの脳では、より原始的な一般知能に加えて、(略)三つがそれぞれ独立に発達していた。』

                      リスト

                      あとがき

                      まえがきを含めて、齋藤 亜矢『ヒトはなぜ絵を描くのか――芸術認知科学への招待』 (岩波書店、2014年)より。まえがきの(略)の部分にリストの部分が当てはまります。

                      大まかに、心と頭と手というくくりでしょうか。しかし文言だけを見ると、狩猟・採集にも技術的知能は大いに必要でしょうし、物づくりにも博物学的知能は必要に思えます。独立して発達し得るものなのか……。

                      そもそも引用したのは次の文章に続く部分でした:

                      イギリスの考古学者スティーヴン・ミズンは、壁画をはじめとする後期旧石器時代におこった文化の爆発の原動力を、知能が認知的流動性を得たことによるものだと指摘した。

                      認知的流動性を得たというのは、四つめ五つめと独立した知能を獲得していったわけではなく、ある知能を別のことに応用できるようになった、ということ。そして、この認知的流動性を生み出したのが言葉だという説です。

                      スティーヴン・ミズン『心の先史時代』 (青土社、1998年)に詳述されているようなので読んでみようかな。

                        参考文献

                        • タイトル心の先史時代
                        • 著者: スティーヴン ミズン(著)、Mithen,Steven(原名)、俊輔, 松浦(翻訳)、美佐緒, 牧野(翻訳)
                        • 出版社: 青土社
                        • 出版日: 1998-08-01