投稿者: koji

  • SIMPLE – 管理職のための解決志向アプローチ

    まえがき

    『ジャクソンとマッカーゴは、そのうち、管理職を対象にした6つの「解決のための道具」(「SIMPLE」な原則)を提案している。』

    リスト

    あとがき

    まえがきを含めて、マーク・マッカーゴ「マネジメントにおける解決志向アプローチ」より。シンシア・フランクリン/テリー・S・トラッパー/ウォレス・J・ジンジャーリッチ/エリック・E・マクコラム『解決志向ブリーフセラピーハンドブック―エビデンスに基づく研究と実践』 (金剛出版、2013年)所収。参考文献[1]からの引用です。リストはカッコ内の原著引用からの意訳です。英語部分はママ引用ですが、明らかな誤字のみ修正しています。訳書では次のようになっていました。

    • 解決であり問題ではない (Solution – not problems)
    • 対人間の問題として――個人内の問題としてではなく (In between – not individual)
    • そこにあるものを利用して――そこにないものではなく(Make use of what’s there – not what isn’t)
    • 可能性を重視して――過去、現在、未来の (Possibilities – from the past, present, and feture)
    • 言葉遣い――わかりやすく (Language – simply said)
    • 一つとして同じ事例はない――フィットする理論を (Every case is different – beware ill-fitting theory)

    そのほか2つほどビジネスに解決志向アプローチを生かすためのリストが紹介されていました。ついでに下に紹介しておきます。

    ハジャーも同様に、PLUS モデルを提案している[2]

    • 始まり ―― なにが問題で (Platform – what is the issue)
    • 望ましい未来から検討してみて ―― なにが望まれているのか (Look from the preferred future – what is wanted)
    • 成功やリソースを活用して ―― すでにうまくいっているものを利用して (Utilize successes and resources – use what is already working)
    • スケールをつける ―― 次に進むステップ (Stepping the scales – next steps forward)

    カウフマンとディエロフもまた、

    1. 社会的に
    2. 文脈を作って
    3. ゴールを設定して
    4. リソースを明らかにして
    5. 賞賛をあたえて
    6. スケーリングを使って差異をつくりだして
    7. 未来に目を向ける

    という解決のための7段階を提案している[3]

    この本からの他のリスト

    参考文献

    [1] Jackson, Paul Z.、McKergow, Mark『The Solutions Focus: The Simple Way to Positive Change』 (Nicholas Brealey Pub、2002年)

      [2] 未出版の博士論文からの引用でした。入手が困難そうなのでここでは省略します

      [3] Cauffman, Louis『The Solution Tango: Seven Simple Steps to Solutions in Management』 (Marshall Cavendish Books Ltd、2007年)

      • プロジェクト管理の原則(フランク・ゲーリー)

        まえがき

        『これほど多くの人が実現できずにいることを、ゲーリーはいかにして実現しているのだろうか──。(略)筆者らはそれらを煎じ詰めて、読者のプロジェクト管理に役立つであろう4つの教訓を引き出した。』

        リスト

        あとがき

        まえがきを含めて、ベント・フリウビヤ、ダン・ガードナー 「建築家フランク・ゲーリーのプロジェクトマネジメント」(所収:『DIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー 2023年 7月号』、ダイヤモンド社)より。リストは本文の見出しの引用です。後半の開設部分は本文からの意訳あるいは部分的な引用です。

        フランク・ゲーリーはビルバオ・グッゲンハイム美術館などを手掛けた建築家。こんなふうに仕事を進めたい、と思える内容でした。

        • 一人語りの特性

          まえがき

          『一人語りであっても、話し手は聴き手が必要な協力をしてくれないと、まともに話ができない。』

          リスト

          あとがき

          まえがきを含めて、ニック・エンフィールド『会話の科学 あなたはなぜ「え?」と言ってしまうのか』 (文藝春秋、2023年)より。リストは本文を編集のうえ引用しました。

          興味深いリストはいくつかありましたが、「会話の科学」らしいものを選びました。

          一人語り、つまり片方が一方的に話し続けるような会話であっても、話し手と聴き手がお互いに影響を与え合うという点では通常の会話とまったく同じだとのこと。

          2、3の特性は、一人語りが聴き手に高い負担をかけることを示唆しています。もちろん聴き手は話がいつ終わるのかを知りませんが、話し手も自分の語りがいつ終わるのかがわからないこともあると思います。話しながら連想が膨らんだりすることがあるので。

          それでも話を聴き通し、終わったと認識したら理解の信号を発しなくてはならない。この部分、本書では『できれば、聴き手は話し手の抱いた感情が正当であると認め、それを話し手に何らかのかたちで伝えられるのが望ましい。』とも書かれています。たしかにその信号が欠けると、話し手は不安になって同じ話を繰り返したりあれこれと補足をしなければと思うかもしれません。

          • 「意義化」する経済7つの変化

            まえがき

            『「パーパス」(略)の理解の鍵となる考え方を我々は「意義化」と名付けた。』

            リスト

            あとがき

            まえがきを含めて、岩嵜博論、佐々木康裕『パーパス 「意義化」する経済とその先』 (NewsPicksパブリッシング、2021年)より。リストの後半の開設は本文からの要約(意訳)です。

            最初の3つが「企業活動の目的の変化」、次の2つが「消費者・従業員の変化」、最後の2つが「パーパスをめぐるコンテクストの変化」と分類されています。

            • 問題の自己解決を促す7つの質問

              まえがき

              『アドバイスをせず、相手が自分で解決できるように、7つの質問をしてみよう。』

              リスト

              あとがき

              まえがきを含めて、まえがきを含めて、ウォーレン・バーガー『質問力を鍛える本』 (ニュートンプレス、2022年)より。リストは本文からの引用です。

              • タイトル質問力を鍛える本
              • 著者: ウォーレン バーガー(著)、八木 龍平(監修)、田村 豪(翻訳)
              • 出版社: ニュートンプレス
              • 出版日: 2022-03-31

              この本からの他のリスト

            • 最初期の人類の知能(ミズン)

              まえがき

              『ネアンデルタール人や初期のホモ・サピエンスの脳では、より原始的な一般知能に加えて、(略)三つがそれぞれ独立に発達していた。』

              リスト

              あとがき

              まえがきを含めて、齋藤 亜矢『ヒトはなぜ絵を描くのか――芸術認知科学への招待』 (岩波書店、2014年)より。まえがきの(略)の部分にリストの部分が当てはまります。

              大まかに、心と頭と手というくくりでしょうか。しかし文言だけを見ると、狩猟・採集にも技術的知能は大いに必要でしょうし、物づくりにも博物学的知能は必要に思えます。独立して発達し得るものなのか……。

              そもそも引用したのは次の文章に続く部分でした:

              イギリスの考古学者スティーヴン・ミズンは、壁画をはじめとする後期旧石器時代におこった文化の爆発の原動力を、知能が認知的流動性を得たことによるものだと指摘した。

              認知的流動性を得たというのは、四つめ五つめと独立した知能を獲得していったわけではなく、ある知能を別のことに応用できるようになった、ということ。そして、この認知的流動性を生み出したのが言葉だという説です。

              スティーヴン・ミズン『心の先史時代』 (青土社、1998年)に詳述されているようなので読んでみようかな。

                参考文献

                • タイトル心の先史時代
                • 著者: スティーヴン ミズン(著)、Mithen,Steven(原名)、俊輔, 松浦(翻訳)、美佐緒, 牧野(翻訳)
                • 出版社: 青土社
                • 出版日: 1998-08-01
                • 三宝(老子)

                  まえがき

                  『この「道」を体得することによって、三つの宝を身につけることができる。』

                  リスト

                  あとがき

                  まえがきを含めて、守屋 洋『新釈 老子』 (PHP研究所、1988年)より。リストは本文を編集して作成しています。ちなみに不敢為天下先は「敢えて天下の先たらず」と読み下します。

                  こう続きます。

                  人をいつくしむからこそ、勇気が湧いてくる。
                  物事を控えめにするからこそ、行きづまらない。
                  人々の先頭に立たないからこそ、逆に指導者としてかつがれる。

                  〈「柔弱謙下」と称される『老子』流の処世哲学をまとめたもの〉と解説されています。

                  漢文のリストはびしっと漢字一文字で意を表すことが多いように思いますが、これは第三項目だけが長いですね。そして枠組み感があるような無いような。対人・対物・対集団?

                  • タイトル新釈 老子
                  • 著者: 老子(著)、守屋 洋(著)
                  • 出版社: PHP研究所
                  • 出版日: 1988-07-01
                  • 質問の5つの敵

                    まえがき

                    『4歳児の間は1日に100回だった質問の習慣が、10代の若者の間では数回またはゼロにまで減少する。(略)明らかに質問を妨げる多くの力や重圧が存在する。』

                    リスト

                    あとがき

                    まえがきを含めて、ウォーレン・バーガー『質問力を鍛える本』 (ニュートンプレス、2022年)より。リストは本文の要約で、実際にはもう少し多角的に論じられています。

                    問いは思考のスタート。意識して対処していきたいものです。

                    実際にどうやってたたかうかを考えると「知識」が難しそうです。なまじ知識や経験の蓄えがあったり、データが豊富にあったりする分野だと、それらを組み合わせるだけでも大変だし面白い。自分に考えさせる問いのリストをつくろうと思います。

                    • タイトル質問力を鍛える本
                    • 著者: ウォーレン バーガー(著)、八木 龍平(監修)、田村 豪(翻訳)
                    • 出版社: ニュートンプレス
                    • 出版日: 2022-03-31

                    この本からの他のリスト

                  • MECSTAT – 解決志向の会話のステップ

                    まえがき

                    『MECSTAT は、ソリューション・フォーカスト・セラピーの技術が明確、簡潔、かつ順番に説明された唯一のモデルです。』

                    リスト

                    あとがき

                    まえがきを含めて、参考文献[1]より。まえがき及びリストは私訳です。

                    セラピーという言葉が入ると専門的なイメージが強く出てしまうので、一般的な会話でも使い得ることが伝わるようなタイトルにしました。またクライアントでなく相談する側、セラピストでなく相談に乗る側といった言葉づかいにしています。最初の4つの質問については具体的な質問の例がいくつか載っていましたので、こちらで意を酌んで一つに絞って付けました。

                    こういった解決志向の会話の進め方はいろいろな呼ばれ方をしています。引用元の論文では「ソリューション・フォーカス・セラピー (SFT)」。後から検索しやすいよう他の呼ばれ方を並べておくと、ソリューション・フォーカスト・ブリーフ・セラピー (Solution Focused Brief Therapy, SFBT)、ソリューション・フォーカスト・アプローチ (Solution Focused Approach, SFA)、解決志向アプローチ、など。

                    この7つはおおまかに会話の流れに沿っています。

                    参考文献

                    [1] Greenberg, Gail, Keren Ganshorn, and Alanna Danilkewich. “Solution-focused therapy. Counseling model for busy family physicians.” Canadian Family Physician 47.11 (2001): 2289-2295.

                  • メンタライジング(認知的共感)の4機能

                    まえがき

                    『イギリスの発達心理学者サイモン・バロン=コーエンは、自閉症者はメンタライジングの能力が欠けているとして、これを「マインド・ブラインドネス」と名づけ(略)4つの機能で説明している。』

                    リスト

                    あとがき

                    まえがきを含めて、橘 玲『スピリチュアルズ 「わたし」の謎』 (幻冬舎、2021年)より。引用元は参考文献[1]

                    あたりまえのようですが、相手をきちんと観察することが認知的共感の第一歩。興味深かった記述を一段落引用します。

                    自閉症の特徴として、相手の視線をモニタできないことがある。喫茶店で話をしているときに、相手が視線をふと入口に向けると、ごく自然に同じ方向を見る。これが「注意の共有」だが、自閉症者はこうした反応がほとんどない。

                    この本からの他のリスト

                    参考文献

                    [1] サイモン バロン=コーエン『自閉症とマインド・ブラインドネス』 (青土社、2002年)

                    • タイトル自閉症とマインド・ブラインドネス
                    • 著者: サイモン バロン=コーエン(著)、Baron‐Cohen,Simon(原名)、敬, 長野(翻訳)、義孝, 今野(翻訳)、正道, 長畑(翻訳)
                    • 出版社: 青土社
                    • 出版日: 2002-06-01