投稿者: koji

  • 援助関係を形成する七つの原則

    まえがき

    『これらの原則はいずれも援助に関する基本的な事実にもとづいた原則であり、ケースワーカーの援助行動に何らかの影響や指針を与え、ワーカーの行動を導くものである。』

    リスト

    あとがき

    まえがきを含めて、フェリックス・P. バイステック『ケースワークの原則[新訳改訂版]:援助関係を形成する技法』 (誠信書房、2006年)より。

    ずいぶん前に「相談に乗るときの心がけ」として意訳を乗せた「バイステックの7原則」です。

    各原則はクライエントのニードに対応しています。すなわち

    1. 一人の個人として迎えられたい
    2. 感情を表現し解放したい
    3. 共感的な反応を得たい
    4. 価値ある人間として受けとめられたい
    5. 一方的に非難されたくない
    6. 問題解決を自分で選択し、決定したい
    7. 自分の秘密をきちんと守りたい

    この本からの他のリスト

    参考文献

  • 記憶の原理

    まえがき

    『本書における「原理」は、検証することのできる規則性を定性的(質的)に示したもので、現象を説明するにあたって媒介的な役割を果たすことができるものであり、そして、記憶を一つの機能(はたらき)として捉えようとする立場にならったものである。』

    リスト

    あとがき

    まえがきを含めて、スープレナント,A.M.、ニース,I.『記憶の原理』 (勁草書房、2012年)より。

    記憶の研究では◯◯効果と名付けられたものはとても多いが、原理と名付けられたものはとても少ないそうです。

    「原理」という言葉に、仕組み・メカニズム的な何かを期待して読んでみたのですが、もう少し結果寄りというか「共通特性」のような印象でした。

    • タイトル記憶の原理
    • 著者: スープレナント,A.M.(著)、ニース,I.(著)、久登, 今井(翻訳)
    • 出版社: 勁草書房
    • 出版日: 2012-12-26

    • 創造性の5要素

      まえがき

      『(フェルマーの最終定理を証明したプリンストンの数学者)ワイルズの創造的瞬間は、ロバート・スターンバーグとトッド・ルバートが創造性――価値ある新たなアイディアの創造――の五要素として明らかにしたものを示している。』

      リスト

      あとがき

      まえがきを含めて、デヴィッド・G. マイヤーズ『直観を科学する―その見えざるメカニズム』 (麗澤大学出版会、2012年)より。リストは本文を抜き書きして作成しました。

      まえがきが指している論文(の一つ)では6つの要素を挙げていました。参考文献(1)に載せておきます。

        参考文献

        (1) Sternberg, Robert J., and Todd I. Lubart. “Buy low and sell high: An investment approach to creativity.” Current Directions in Psychological Science 1.1 (1992): 1-5.

      • 悲劇の6つの構成要素

        まえがき

        『以上より必然的に(6)、すべての悲劇は六つの構成要素を持つことになり、それらによって悲劇作品の質が決まる。すなわち、』

        リスト

        あとがき

        まえがきを含めて、アリストテレス『詩学』 (光文社、2019年)より。

        詩作とは何か。詩作とは総じて模倣である。そして模倣の仕方には素材・対象・方式において差異がある。こんな風に始まります。

        これらの構成要素のうち、模倣の素材に関するものは二つ(語法、歌曲)、模倣の方式に関するものが一つ(視覚効果)、模倣の対象に関するものが三つ(ストーリー、性格、思考)あり、これ以外にはない。

        この本からの他のリスト

      • 実感的わかる文章三原則

        まえがき

        『わかりやすい文章にする原則は、きわめてはっきりしている。』

        リスト

        あとがき

        まえがきを含めて、小笠原 喜康『論文の書き方―わかりやすい文章のために』 (ダイヤモンド社、2007年)より。

        タイトルは「実感的わかる文章にする三原則」のほうがリストの内容を正確に表します。ただ、著者がタイトルのように命名しているのでそれを採用しました。

        同じコトバを一つの文章で二度使うな。そう述べておきながら、次の文章でしれっと「何度も何度も」「繰り返し繰り返し」と使う。なんとも人を食った感じです。

        そのほか「はしょる、ごまかす、切り上げる」が論文三段論法だ、などユニークな主張が多い本でした。でも多くのメッセージは経験に照らして実感に合っているとも思います。

        • 尊厳を尊重するための10の要素

          まえがき

          『リーダーシップを発揮しようと思っているすべての人は、尊厳(ディグニティ)を尊重する方法を知識として持っておくべきでしょう。(略)尊厳ある存在として人を扱うとはどういうことでしょうか。』

          リスト

          あとがき

          まえがきを含めて、ドナ・ヒックス『〈尊厳〉のリーダーシップ: 人や組織の内なる力を引き出すディグニティ・モデル』 (晶文社、2021年)より。リストは本文を一部編集のうえ引用しています。本文はもう少し長くなっています。

          項目名に名詞と動詞が入り混じっているのがどうも気になったので本人の定義を確認しました。原著には当たれなかったのですが著者の TEDx Talks があったので、そこ(の11:00あたり)で紹介されていた言葉を各項目の最後に添えておきます。Benefit of the Doubt、なんて言い回しがあるんですね。

            参考文献

            Declare Dignity: Donna Hicks at TEDxStormont
          • WordPress: ページが表示されるまでに発火する主要なフック

            あるページが表示されるまでに呼ばれる関数と発火するフックのうち主要なものを順に並べてみました。フロントページを例にしていますが、フロントページ固有の部分は get_front_page_template() のみ。他はどのページでも同じです。

            /index.php
            +-/wp-blog-header.php
            +-/wp-load.php
            | +-/wp-config.php
            | +-/wp-settings.php
            | +-/wp-includes/script-loader.php
            | +-'plugin_loaded'
            | +-'plugins_loaded'
            | +-'init'
            +-wp()
            | +-WP::main() // /wp-includes/class-wp.php
            | +-WP::parse_request()
            | | +-'do_parse_request'
            | | +-(rewrite_rules 読み込み)
            | | +-'query_vars'
            | | +-'request'
            | | +-'parse_request'
            | +-WP::send_headers() // header() 発行
            | +-WP::query_posts()
            | | +-WP_Query::query()
            | | +-WP_Query::get_posts()
            | | +-'pre_get_posts'
            | +-'wp'
            +-/wp-includes/template-loader.php
            +-get_front_page_template() // /wp-includes/template-loader.php
            +-get_query_template() // /wp-includes/template.php
            +-'{$type}_template_hierachy'
            +-locate_template()
            +-locate_block_template() // /wp-includes/block-template.php
            | +-/wp-includes/template-canvas.php
            | +-get_the_block_template_html()
            | | +-do_blocks()
            | | | +-parse_blocks()
            | | | +-render_block()
            | | | +-'pre_render_block'
            | | | +-'render_block_data'
            | | | +-'render_block_context'
            | | | +-WP_Block::render()
            | | | +-'render_block'
            | | | +-'render_block_{$this->name}'
            | | +-do_shortcode()
            | +-(<html><head> 書き出し)
            | +-wp_head()
            | | +-'wp_head'
            | +-(<body> 書き出し)
            | +-wp_body_open()
            | | +-'wp_body_open'
            | +-(get_the_block_template_html() の戻り値書き出し)
            | +-wp_footer()
            | +-'wp_footer'
            +-'{$type}_template'
            • 初期設定
              • init‘: プラグインの読み込みなど主要な設定が終了後に発火する。サイトの設定に関わる以下のような関数はこのフックを使う。
                • add_rewrite_rule(), add_rewrite_tag(), add_post_type_support()
              • query_vars‘: URLパラメーターを追加する。
              • request‘: クエリー変数がパースされた後に発火する。
              • parse_request‘: タイミングは ‘request’ フックと同じ。こちらはアクションフックであり、WPオブジェクトが参照渡しされる。
              • pre_get_posts‘: クエリー発行直前。クエリーはあるページを書き出すために何回も呼ばれるが、一番最初の ‘pre_get_posts’(メインクエリー) は ‘wp’ よりも先に発火する。
            • メインクエリー発行
              • wp‘: メインクエリーの結果取得後。一度しか発火しない。このフック以降では is_front_page() のような条件分岐タグが使える。
            • テンプレート呼び出し
            • 表示データ生成
              • pre_render_block‘: render_block() が仕事を始める前に発火する。ダイナミックブロックをキャッシュしたデータがある場合にはこのフックのコールバックでキャッシュデータを返す。
              • render_block‘: ブロックに表示するHTMLが生成された後に発火する。
              • render_block_{$this->name}‘: 同上。 ‘render_block_core/paragraph’ のようにブロック種別ごとにコールバックを設定できる。
            • HTML書き出し
              • wp_head‘: テンプレートファイルの wp_head() が置かれた位置で発火する。このフックが発火する時点ではすでに、コンテンツは get_the_block_template_html() によって生成されていることに注意。/wp-includes/default-filters.php にはこのフックに大量のフックが登録されており、’wp_enqueue_scripts’ もその一つ。
          • 商人の心の在り方

            まえがき

            『思慮深さが誠実さの基礎である。』

            リスト

            あとがき

            まえがきを含めて、ベネデット・コトルリ『世界初のビジネス書―15世紀イタリア商人ベネデット・コトルリ15の黄金則』 (すばる舎、2021年)より。

            15の黄金則については出版社のページを参照。リストはその第12則「あなたの性格。」の要約です。本文を編集してリスト化しました。

            巻末に「急ぎ足の人のための20の警句」があったので、このリストにふさわしいものを選んでまえがきとしました。

            項目の数が4であるところから枢要徳(知恵、勇気、節制、正義)を連想しましたが、比べてみるとこちらのほうがさらに抑制的な印象。本書は『複式簿記について世界で最初に記述した画期的な書物として、会計史の世界で注目を浴びることになった』(「訳者序文」より)そうですが、飲食を自制せよといった心得的なことまで書かれていてびっくり。

            • 野球の監督の5タイプ(野村克也)

              まえがき

              『つまり、日本プロ野球史 80 年余は、私の人生そのものなのである。(略)当然、味方チーム、相手チームの監督をつぶさに観察してきた。そこで今回、印象深い監督10人を厳選した。(略)今回、「監督のタイプ」として、失礼ながら5つのタイプに分類させてもらった。』

              リスト

              あとがき

              まえがきを含めて、野村克也『私が選ぶ名監督10人 采配に学ぶリーダーの心得』 (光文社、2018年)より。リストは本文を少々編集のうえ引用しています。

              引用元では各タイプに属する監督の実名があり、野村氏は自分を「納得」タイプに分類しています。一人の監督が複数のタイプに属することもあります。唯一全タイプに入っていたのが巨人でV9を達成した川上哲治氏でした。

              リストフリーク観点からいうと、端的な三か条が多く、持論がきっちり頭に入っている方だという印象を受けました。引用をいくつか追加します。

              『つまり、監督の仕事とは「見つける」「生かす」「育てる」だ。』

              『監督自身の言葉で「ほめる」「教える」「鍛える」を選手に対して繰り返さなくてはならない。』

              『私は、自分が監督になったとき、野球技術が下の順番から「無視」「賞賛」「非難」で選手に接することにした。』

              〈「監督には3つの敵がいる。それは『選手』『オーナー』『ファン』だ」(これは三原氏の言葉の引用〉

              『自分の意思を伝達するための「道具」「手段」「武器」は「言葉」である。』

              • 注意の理論的モデル

                まえがき

                『注意に関する最も有力な理論的モデルは、注意が(略)3つのネットワークからなるというものである。』

                リスト

                あとがき

                まえがきを含めて、T.P.アロウェイ、R.G.アロウェイ『ワーキングメモリと日常: 人生を切り拓く新しい知性』 (北大路書房、2015年)より。参考文献1~3が挙げられていました。

                この文章は「ワーキングメモリと瞑想」(第13章)から。注意 (attention) を構成する要素に興味があったのでほくほくと収集。

                これら3つのネットワークは、行動レベルでも神経レベルでも互いに分離独立している。

                注意が複雑な活動であることが窺えます。

                これら3つに加えて、注意の切り替え(attention switching: 注意の対象を柔軟に切り替える)というネットワークの存在も指摘されている。

                コントローラーというか脳の中のこびと的な存在を持ち込むと面倒が起きそうな気がしなくもないですが。

                • タイトルワーキングメモリと日常: 人生を切り拓く新しい知性
                • 著者: T.P.アロウェイ(著)、R.G.アロウェイ(著)、湯澤 正通(監修)、湯澤 美紀(監修)、T.P.アロウェイ(編集)、R.G.アロウェイ(編集)、湯澤 正通(翻訳)、湯澤 美紀(翻訳)、松吉 大輔(翻訳)、杉村 伸一郎(翻訳)、浅川 淳司(翻訳)、大塚 一徳(翻訳)、宮谷 真人(翻訳)、橋本 翠(翻訳)、中條 和光(翻訳)、近藤 綾(翻訳)、渡辺 大介(翻訳)、森田 愛子(翻訳)、滝口 圭子(翻訳)、蔵永 瞳(翻訳)、岡崎 善弘(翻訳)
                • 出版社: 北大路書房
                • 出版日: 2015-10-22

                  参考文献

                  (1) McDowd, Joan M. “An overview of attention: behavior and brain.” Journal of Neurologic Physical Therapy 31.3 (2007): 98-103.

                  (2) Posner, Michael I., and Steven E. Petersen. “The attention system of the human brain.” Annual review of neuroscience 13.1 (1990): 25-42.

                  (3) Posner, Michael I., and Mary K. Rothbart. “Research on attention networks as a model for the integration of psychological science.” Annu. Rev. Psychol. 58 (2007): 1-23.