投稿者: koji

  • 事業化判断の社内審査会議を攻略する6点セット

    まえがき

    『社内会議で行われる「重箱の隅をつつく細かい質疑」(略)において重要なのは「明確に回答できること」、そして「そのための準備が万全であること」です。』

    リスト

    あとがき

    まえがきを含めて、麻生要一『新規事業の実践論』 (NewsPicksパブリッシング、2019年)より。リストは本文を編集しつつ引用しました。

    現在の日本の大企業のなかで新規事業を立ち上げるという文脈のなかで、具体的なコツがたくさん載っていました。

    準備の視点は、決裁者が上司に説明できるか。ありそうでないというか、貴重なリストと思えたので収集。

    • タイトル新規事業の実践論
    • 著者: 麻生要一
    • 出版社: NewsPicksパブリッシング
    • 出版日: 2019-12-06

    • コンパッションの実践者が立っている“崖の縁”(エッジ・ステート)

      まえがき

      『エッジ・ステートは、(略)いずれも思いやり、結びつき、美徳、強さを実践するための心の財産です。しかし、これらの資質は切り立った崖〔エッジ〕のようになっていて、私たちは足場を失って、そこから苦しみの泥沼に滑り落ちてしまうこともあります。』

      リスト

      あとがき

      まえがきを含めて、ジョアン・ハリファックス『Compassion (コンパッション): 状況にのみこまれずに、本当に必要な変容を導く、「共にいる」力』 (英治出版、2020年)より。リストは本書と原著 “Standing at the Edge” からの引用です。タイトルはこちらで付けました。

      特定されている5つの資質も一つひとつよい言葉です。しかしその選択以上に印象的なのは、それらが崖の縁にあるという指摘。実践者ならではの洞察だと感じました。

      この本からの他のリスト

      参考文献

    • GRACE – コンパッションの実践

      まえがき

      『GRACEは、コンパッションのABIDEモデルの特質をすべて含んでいます。それらの特質が相互に作用するときにコンパッションが生まれるという理解に基づいているのです。』

      リスト

      あとがき

      まえがきを含めて、ジョアン・ハリファックス『Compassion (コンパッション): 状況にのみこまれずに、本当に必要な変容を導く、「共にいる」力』 (英治出版、2020年)より。リストは本文の見出しを引用して作成しました。

      まえがきの ABIDE については「コンパッションのABIDEモデル」を参照してください。

      リストの形式点はこちらのほうがわかりやすいですね。内容も順序も絞り込まれていてポータブルに感じます。

      この本からの他のリスト

      参考文献

    • コンパッションのABIDEモデル

      まえがき

      『コンパッションの出現の場を整えるには、注意力を鍛え、向社会的資質と私心のない意図を育み、判断力と洞察力を高め、倫理的で思いやり深い関与の状態をつくることが必要です。』

      リスト

      あとがき

      まえがきを含めて、ジョアン・ハリファックス『Compassion (コンパッション): 状況にのみこまれずに、本当に必要な変容を導く、「共にいる」力』 (英治出版、2020年)より。リストは本文を編集して作成しています。

      ABIDE はコンパッションを生み出す「プロセス」だという説明を反映し、いくつかの項目間のつながりを接続語で補っています。

      〔abideは「留まる」という意味もある〕との訳注がありました。

      この本からの他のリスト

      参考文献

      Joan Halifax: ジョアン・ハリファックス:慈悲、そして共感の真の意義について | TED Talk

      In Buddhism, we say, “it takes a strong back and a soft front.”

      (仏教には、「強さと柔軟性を兼ね備えなさい」という教えがあります)

    • マニュアルづくりの4つのポイント

      まえがき

      『部下に仕事を教える、あるいは引き継ぐときにもっとも大事なことは、業務プロセスの標準化を図って、誰がやっても同じ結果が出るしくみをつくることです。』

      リスト

      あとがき

      まえがきを含めて、出口 治明『「教える」ということ: 日本を救う、[尖った人]を増やすには』 (KADOKAWA、2020年)より。

      マニュアルという言葉には画一的・没個性的というニュアンスが染みついています。本書ではマニュアルの本来の目的に立ち戻ってその重要性を強調しています。

      このポイントには含まれていませんでしたが、前段に重要な指摘がありました。

       だからいいマニュアルというのは、

      ・ 仕事の目的が書いてある
      ・ その目的が、経営理念、経営計画とどのように結びついているのかがわかる

      ということです。

      マニュアルは単なる作業手順書にあらず。

      • 知能の3分類

        まえがき

        『知能を、それを構成する能力によって分類するアプローチもある。たとえばある理論では、知能を三つの能力に分類する。』

        リスト

        あとがき

        まえがきを含めて、スティーブン・スローマン、フィリップ・ファーンバック 『知ってるつもり: 無知の科学』 (早川書房、2021年)および参考文献 (1) より。まえがきの「ある理論」が参考文献 (1) です。

        参考文献 (1) では、436人の成人に42の知的能力検査 (mental ability tests) を受けてもらっています(おつかれさま)。その結果を、よく知られている3つの知能モデル、すなわち流動性・結晶性 (Cattell–Horn)、言語・知覚 (Vernon)、g因子が最上層にあることで知られる3層モデル (Carroll) のどれが相対的によく説明できるかという分析を行いました。

        結果としてリストのような、言語・知覚にイメージローテーションを加えた三因子モデルを見出しています。

        • タイトル知ってるつもり: 無知の科学
        • 著者: スティーブン・スローマン(著)、フィリップ・ファーンバック(著)、土方奈美(翻訳)
        • 出版社: 早川書房
        • 出版日: 2021-09-02
          The Knowledge Illusion: Steven Sloman

          参考文献

          (1) Johnson, Wendy, and Thomas J. Bouchard Jr. “The structure of human intelligence: It is verbal, perceptual, and image rotation (VPR), not fluid and crystallized.” Intelligence 33.4 (2005): 393-416.

        • 四種類の欲動(基本的な感情のニーズ)

          まえがき

          『これら四種類の欲動が、我々の行動すべての基礎になっている。』

          リスト

          あとがき

          まえがきを含めて、ニティン・ノーリア、ボリス・グロイスバーグ、リンダ=エリン・リー 「新しい動機づけ理論」(所収:DIAMOND ハーバード・ビジネス・レビュー編集部『【新版】動機づける力―モチベーションの理論と実践 』 、ダイヤモンド社、2009年)より。書名が示唆するように、人間の生への欲動というよりは組織で働くうえでの欲動の分類。

          新しい理論といっても論文が出たのは2008年。そして欲動と訳されている4種の “drive” は2002年の “Driven” という本で既出とのこと。テーマ的に目を通していそうに思いましたが未読なので調べてみると、2013年に訳出されていました。こちらでは、drive は衝動と訳されています。

          欲動は心理学方面の本でお目にかかる程度で、あまり使われない言葉。ただ、欲求と衝動が合わさったような、原初的な感情という語感があります。衝動は衝動買いが象徴するように刹那的なニュアンスがあります。しかし人を「衝〈つ〉き動かすもの」という意味では drive の訳語として候補になり得ます。悩ましい。

          著者らは “drive” を社員のモチベーションの源であると述べています。

          (略)調査の結果、四種類の欲動を満たす組織能力によって、平均的に社員のモチベーションのばらつきの六割を説明できることが示された。従来の理論では、三割を説明するのがせいぜいだった。

            この本からの他のリスト

          • 会話の格率(グライス)

            まえがき

            『グライスによれば、会話の参加者が「会話の格率」――量、質、関係、様態――に従うことで「会話の含意」が成り立つ。』

            リスト

            あとがき

            まえがきを含めて、ジェニファー・M・ソール 『言葉はいかに人を欺くか:嘘、ミスリード、犬笛を読み解く』 (慶應義塾大学出版会、2021年)より。小野純一氏の「訳者解題」からの編集・引用です。

            リストは「会話の公理(ポール・グライス)」と同じです。ただ、別建てで引用しておきたく思いました。というのは、グライスは『「原理」と「格率」を示した』とあって、その「原理」を引用したかったから。

            彼の理論によれば、その前提には「協調の原理」と「会話の格率」がある。協調の原理とは、自分が参加する会話の中で合意される目的や方向性に従うことである。少なくともこれが守られていると想定されるときに聞き手が意味を推論し、また話し手も聞き手にその能力があると仮定している場合に、会話の含意が成り立つ。

            本文の参考文献に挙げられていたグライスの著書が訳出されていました。別途目を通すべくメモしておきます。

              • タイトル論理と会話
              • 著者: P. グライス(著)、Grice,Paul(原著)、邦彦, 清塚(翻訳)
              • 出版社: 勁草書房
              • 出版日: 1998-08-01
                “Implicit Bias, Stereotype Threat and Women in Academia”
              • 心理的安全性を確立するためのリーダーのツールキット

                まえがき

                『リーダーは土台を作り、参加を求め、生産的に対応することによって、組織に心理的安全性を築き上げる。』

                リスト

                あとがき

                まえがきを含めて、エイミー・C・エドモンドソン『恐れのない組織――「心理的安全性」が学習・イノベーション・成長をもたらす』 (英治出版、2021年)より。リストは本文中の表の見出しを用いて作成しました。

                英語部分は原著からの引用です。「生産的に対応する」が少々しっくりこなかったので調べてみました。productivelyなのでたしかに生産的が適当そう。しかし、第一項目の「土台」に呼応させて「建設的」と意訳すれば、建築のメタファーが効いてより覚えやすくなりそうに思います。

                  エイミー・エドモンドソン: 他人同士の集まりをチームに変える方法 | TED Talk
                • トヨタの「自工程完結」

                  まえがき

                  『スタッフ部門の仕事の「工程」とは何か。それは、「意思決定」でしょう。(略)この「意思決定」の一つひとつこそ、現場で言うところの「工程」です。(略)では、正しい「意思決定」をするためには何が必要なのか。(略)スタッフ部門の仕事における「自工程完結」のポイントを紹介しましょう。』

                  リスト

                  あとがき

                  まえがきを含めて、佐々木 眞一『現場からオフィスまで、全社で展開する トヨタの自工程完結: リーダーになる人の仕事の進め方』 (ダイヤモンド社、2015年)より。

                  「自工程完結」は2007年よりトヨタの全社プロジェクトとして導入されたと書かれています。よく知られている他のトヨタの仕事のやり方との関係を、少し長くなりますが、引用します。

                   端的に言えば、トヨタの品質と生産性をカバーしているのは、「トヨタ生産方式」です。「カイゼン」はその中で行われるエンドレスの活動です。そして「QCサークル」は、「カイゼン」を促進する活動と言っていいと思います。

                   「自工程完結」は、良い仕事をするためには、どうすればいいのか、を科学的に洗い出す、という考え方です。部分ではなく、全体を見ます。

                   その意味では、「カイゼン」との両輪をなすもの、と言えると思います。

                  引用したリスト部分は自工程で完結させるためのポイントを挙げているので通常の意思決定メソッドとの違いが分かりづらいかもしれません。考え方としての「自工程完結」の特徴は、その俯瞰的な視座にあります。

                  前工程の成果を受け取り、責任をもって成果を挙げ、後工程に渡すように運用する。組織として成果に向かう営みをそういった工程(意思決定)の連なりとしてみなしたうえで、成果をあげるために一つひとつの意思決定の精度を高めていくという発想だと理解しました。

                  通読して、オブジェクト指向が連想されました。一つひとつの意思決定単位(工程)を、プロパティとメソッドを持つオブジェクトと見なして設計する。結果として、工程間で受け渡す情報(オブジェクト間のインターフェース)と工程の責任(オブジェクト内の処理)が明確になる。そんな世界観を感じました。