投稿者: koji

  • タイプ、タイプフェイス、フォントの違い

    タイポグラフィの十戒」の引用元は『私の好きなタイプ 話したくなるフォントの話』。タイプとフォントはどう違うのか、理解したくて検索。

    タイプ印刷された文字。
    タイプフェイス書体(例: Garamond)。
    フォント活字(例: Garamond 12pt bold)。書体の実装。
    タイプ、タイプフェイス、フォントの違い

    活字の語義は活版印刷で使われる金属や鉛の棒だが、「活字中毒」のようにタイプの意味でも使われる。

  • タイポグラフィの十戒

    まえがき

    『存在するルールが、場合によってはいかに退屈で浅はかになるかを示そうと、グラフィック・デザイナーのポール・フェルトンは文章を書き、細工に凝った美しい本に仕上げた。(略)この本にフェルトンが記した、神の与え給う戒律がこれだ。』

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    あとがき

    まえがきを含めて、サイモン・ガーフィールド 『私の好きなタイプ 話したくなるフォントの話』(ビー・エヌ・エヌ新社、2020年)より。まえがきの「美しい本」とは “The Ten Commandments of Typography/Type Heresy”。どんな本かというと:

    この本を普通に手に取ると「The Ten Commandments of Typography』(タイポグラフィの十戒)という題が書いてある。しかし、上下を逆さにして裏返すと、そこには「Type Heresy」(書体異端論)という題が現れる。

    ということで、この十戒は壊すために建てた家のようなもの。

      • 複数成分ワーキングメモリモデル (バドリー)

        まえがき

        『複数成分ワーキングメモリモデルは、4つの成分システムを仮定しており、(1)注意制御機である中央実行系と3つの貯蔵システム、すなわち(2)視空間スケッチパッド、(3)音韻ループ、(4)より一般的に統合された貯蔵システムであるエピソード・バッファから構成される。』

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        あとがき

        まえがきを含めて、アラン・バドリー 『ワーキングメモリ 思考と行為の心理学的基盤』(誠信書房、2012)より。リストは本文各所からの要約・引用です。

        • 科学的探究の4つのパラダイム

          まえがき

          『我々はいま、「データ集約型科学」 (data-intensive science) に向けてアプローチ全体を考え直さなければならない。(略)我々は大量のデータを、解決すべき問題ではなく解決策の一部と見なしている。第四のパラダイムは、科学者たちや科学的探究の他の三つの方法に取って代わろうとしているわけではない。しかし、従来とは異なる一連のスキルが要求される。』

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          あとがき

          まえがきを含めて、トニー・ヘイ『科学の「第4のパラダイム」』(DIAMOND ハーバード・ビジネス・レビュー 2011年11月号 所収、参考文献1)より。

          ジョフリー・ウェスト 『スケール 下:生命、都市、経済をめぐる普遍的法則』(早川書房、2020年)を読んでいてこの論文を知りました。

          データ・マイニングの「新しさ」を訴えた一人が、WIRED誌の元編集長クリス・アンダーソン。彼が2008年にWIRED誌に載せた「理論の終焉:データ氾濫が科学的手法を廃れさせる」という記事が引用されています。

          膨大なデータの新たな有用性は、これらの数値を処理する統計ツールと共に世界を理解するまったく新しい方法をもたらした。相関性が因果関係の座を奪い、科学は理路整然としたモデル、統一理論なしで、あるいは実のところ数学的説明がまったくなくても進展できる。

          The new availability of huge amounts of data, along with the statistical tools to crunch these numbers, offers a whole new way of understanding the world. Correlation supersedes causation, and science can advance even without coherent models, unified theories, or really any mechanistic explanation at all.

          邦訳は『スケール 下』から。原文は “The End of Theory: The Data Deluge Makes the Scientific Method Obsolete” (WIRED) より。

          「相関性が因果関係の座を奪い(Correlation supersedes causation)」という表現が印象的。

          一方でウェスト自身は『ちがいは主に程度問題でしかない』と述べています。

          「データ革命」は、長い間使ってきた戦略を活用し有効にするための、非常に大きな可能性を与えてくれた。この意味で、これはパラダイム四・〇というよりは、パラダイム三・一に近い。

          参考文献

          (1) ヘイ, トニー. “データ集約型科学が人類の危機を救う 科学の 「第 4 のパラダイム」(Feature Articles 最先端のビッグ・アイデア 「破壊的」 経営論).” Diamond ハーバード・ビジネス・レビュー 36.11 (2011): 40-54.

          • 理解するための7つの方法

            まえがき

            『より深いレベルの理解を獲得するために7つの方法を活用することで、就学前の子どもたちから大学生に至るまで、以前にはまったく関心に入っていなかった細部やテーマを理解することができるようになったのです。』

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            あとがき

            まえがきを含めて、エリン・オリヴァー・キーン『理解するってどういうこと?: 「わかる」ための方法と「わかる」ことで得られる宝物』(新曜社、2014年)より。

            まえがきは「はじめに」からの引用です。リストは巻末資料Aの要約です。「理解するための方法」について列挙型の定義や活用方法しかなく、シンプルな定義がなされていないのが残念。

            「解釈する」という言葉が「推測する」「何が大切かを見極める」「修正しながら意味を捉える」と重複するように感じたので、原文を探してみました。

            • 関連づける Activating background knowledge to make connections between new and known
            • 質問する Questioning the text
            • イメージを描く Creating mental images
            • 推測する Drawing inferences
            • 何が大切かを見極める Determining importance
            • 解釈する Synthesizing information
            • 修正しながら意味を捉える Repairing understanding when meaning breaks down

            情報を統合するといった意味合いのようです。

            • ブルシット・ジョブの主要五類型

              まえがき

              『ブルシット・ジョブとは、被雇用者本人でさえ、その存在を正当化しがたいほど、完璧に無意味で、不必要で、有害でもある有償の雇用の形態である。とはいえ、その雇用条件の一環として、本人は、そうではないと取り繕わなければならないように感じている。』

              リスト

              あとがき

              まえがきを含めて、デヴィッド・グレーバー 『ブルシット・ジョブ――クソどうでもいい仕事の理論』(岩波書店、2020年)より。

              まえがきは第1章「ブルシット・ジョブとは何か?」の結論に相当する文章の引用です。リストは第2章「どんな種類のブルシット・ジョブがあるのか?」からの抜き書き(一部編集)です。

              それぞれの類型を象徴する職業が添えられればよかったのですが、少々面倒だったので端折ってしまいました。

              すこしわかりづらい「脅し屋」について例を挙げると、企業の顧問弁護士、ロビイスト、広報専門家、テレマーケターなど。これらは誰かを脅したり操ったりするためにつくり出された仕事で、あたかも他国が軍隊を擁しているからという理由で国家が軍隊を必要とするのに似ていると説明されています。

              • 情報セキュリティのCIA

                まえがき

                『情報セキュリティは、JIS Q 27000(すなわちISO/IEC 27000)によって、情報の機密性、完全性、可用性を維持することと定義されている。』

                リスト

                あとがき

                まえがきは「情報セキュリティ」(Wikipedia 日本語版)より。リストは特定非営利活動法人日本セキュリティ監査協会 『改訂三版 情報セキュリティ内部監査の教科書』(インプレスR&D、2017年)からの引用です。Wikipedia にも定義が書かれていますが、Integrity の意味合いを酌んでいるうえに平易なことばで書かれている書籍の文言を引用しました。

                Information security” (Wikipedia) で CIA という acronym を見かけて和訳を探しました。

                • やり抜く人の9つの習慣

                  まえがき

                  『「才能が成功に導いた」のではなく、彼らは「ある種の思考や行動によって、自らを成功に導いている」のです。』

                  リスト

                  あとがき

                  まえがきを含めて、ハイディ・グラント・ハルバーソン 『やり抜く人の9つの習慣 コロンビア大学の成功の科学』(ディスカヴァー・トゥエンティワン、2017年)より。リストは目次より。カッコ内は本文中のキーワードです。

                  ポジティブ心理学系の本に書かれていることが凝縮された感じ。必要最低限の文献に絞ったと思われる参考文献リストを含めてコンパクトな良書でした。

                  • 人間の2種の攻撃性

                    まえがき

                    『私たちの社会的寛容は、「反応的攻撃性 (reactive aggression)」が比較的低いことに起因する。一方、命にかかわるような暴力は、「能動的攻撃性 (proactive aggression)」によってもたらされる。私たちの種が、低い「反応的攻撃性」と高い「能動的攻撃性」という異なる性質をどうして兼ね備えることになったのかについては、これまで語られることがなかった。』

                    リスト

                    あとがき

                    まえがきを含めて、リチャード・ランガム 『善と悪のパラドックス ーヒトの進化と〈自己家畜化〉の歴史』(NTT出版、2020年)より。リストは本書の各所からの引用をまとめました。

                    家畜化というと聞こえが悪いですが、家畜化 (domestication) が進んでいるとは社会的動物としての進化が進んでいる状態を示す言葉です。

                    まえがきの『 私たちの種が、低い「反応的攻撃性」と高い「能動的攻撃性」という異なる性質をどうして兼ね備えることになったのか 』に対する答えとして、つまみ食い的に引用をつないだ本書の要約はこんな感じです:

                    人間は自己家畜化を通して「反応的攻撃性」を抑える遺伝的選択が生じ、寛容な協調性が高まった。一方で、協調性の高まりに伴う道徳的感受性の高まりや言語能力の発達に伴う意図の共有が「能動的攻撃性」を高めてきた。

                    この本からの他のリスト

                  • 依頼メールの3手詰め

                    まえがき

                    『手紙でもメールでも、こちらが三手動かすことで、相手玉を詰まさなければならない。相手を口説き落とさなければならない。』

                    リスト

                    あとがき

                    まえがきを含めて、近藤 康太郎 『三行で撃つ 〈善く、生きる〉ための文章塾』(CCCメディアハウス、2020年)より。論理的な説得のためのリストはいくつか収集していますが、どこか人間臭い枠組みがいいですね。

                    初発の熱量がすべてなんです。(略)どうしてもあなたと仕事をしたい、話を聞きたいのだと、そういう熱を感じさせられるかがすべてです。